2014.05.28 日本版LLCと日本版LLPの課税
今回は日本版LLC(以下「合同会社」という。)と日本版LLP(以下「有限責任事業組合」という。)の税務上の取扱いを解説したいと思います。
合同会社は法人格を持つので日本の法人税が適用されます。つまり、株式会社や有限会社と同様の課税方法が適用されますので、ここでの解説は省略します。
合同会社の解説は、中小企業庁のホームページを参考にしてください。
一方、有限責任事業組合は組合のため法人格がないので、有限責任事業組合自体には課税がなく、申告は不要です。ただし、組合構成員の税務処理のために、各組合員に対し税務処理上の資料を提供し、構成員課税が適用されます。つまり、有限責任事業組合自体に課税されるのではなく、各構成員にパス・スルー課税され、出資者(個人または法人)に所得税または法人税が課税されるわけです。
また、有限責任事業組合の事業から生ずる不動産所得、事業所得又は山林所得の損失の金額が発生した場合は、「一定の金額」までは出資者(個人または法人)の所得と相殺されますので運用によってはメリットが生じます。
ここでいう一定の金額は、出資者が個人と法人で異なります。
まず、出資者が個人の場合は、損失の金額のうち当該個人の出資額を基礎として計算した金額(調整出資金額)を超える金額は、その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入できません(措置法27条の2①)。
調整出資金額とは、「当事業年度末までの出資累計額+前事業年度末までの損益累計額-当事業年度末までの財産分配累計額」をいいます(措置令18条の3②)。
簡単にいうと、損失額の相殺は個人の出資額までしか認められません。
所得計算の詳細は、国税庁のホームページを参照してください。
次に、出資者が法人の場合は、当該事業年度の当該法人の利益の額に達するまでの金額は、損金の額に算入できます(措置法67の13②)。
(完)
今回は日本版LLC(以下「合同会社」という。)と日本版LLP(以下「有限責任事業組合」という。)の税務上の取扱いを解説したいと思います。
合同会社は法人格を持つので日本の法人税が適用されます。つまり、株式会社や有限会社と同様の課税方法が適用されますので、ここでの解説は省略します。
合同会社の解説は、中小企業庁のホームページを参考にしてください。
一方、有限責任事業組合は組合のため法人格がないので、有限責任事業組合自体には課税がなく、申告は不要です。ただし、組合構成員の税務処理のために、各組合員に対し税務処理上の資料を提供し、構成員課税が適用されます。つまり、有限責任事業組合自体に課税されるのではなく、各構成員にパス・スルー課税され、出資者(個人または法人)に所得税または法人税が課税されるわけです。
また、有限責任事業組合の事業から生ずる不動産所得、事業所得又は山林所得の損失の金額が発生した場合は、「一定の金額」までは出資者(個人または法人)の所得と相殺されますので運用によってはメリットが生じます。
ここでいう一定の金額は、出資者が個人と法人で異なります。
まず、出資者が個人の場合は、損失の金額のうち当該個人の出資額を基礎として計算した金額(調整出資金額)を超える金額は、その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入できません(措置法27条の2①)。
調整出資金額とは、「当事業年度末までの出資累計額+前事業年度末までの損益累計額-当事業年度末までの財産分配累計額」をいいます(措置令18条の3②)。
簡単にいうと、損失額の相殺は個人の出資額までしか認められません。
所得計算の詳細は、国税庁のホームページを参照してください。
次に、出資者が法人の場合は、当該事業年度の当該法人の利益の額に達するまでの金額は、損金の額に算入できます(措置法67の13②)。
(完)