№142 新型コロナウイルス感染症における医療費控除の適用

2020.12.2

医療費控除の対象となる医療費は、
① 医師等による診療や治療のために支払った費用
② 治療や療養に必要な医薬品の購入費用
などとされています（所法73②、所法令207①）。
この規定をもとに、新型コロナ感染症における医療費控除の適用について国税庁がＱ＆Ａを公表しています。

Ｑ１．マスク購入費用の医療費控除

マスクは、病気の感染予防を目的に着用するものであり、その購入費用は上記①②の規定に該当しないため、医療費控除の対象となりません。

Ｑ２．ＰＣＲ検査費用の医療費控除

Ａ．医師等の判断によりＰＣＲ検査を受けた場合
新型コロナウイルス感染症にかかっている疑いのある場合に、医師等の判断により受けたＰＣＲ検査費用は、上記①②の規定に該当するため、医療費控除の対象となります。
ただし、公費負担により行われる部分の金額については、医療費控除の対象とはなりません。

Ｂ．自己の判断によりＰＣＲ検査を受けた場合
感染していないことを明らかにする目的など、自己の判断により受けたＰＣＲ検査費用は、上記①②の規定に該当しないため、医療費控除の対象となりません。
ただし、ＰＣＲ検査の結果、「陽性」であることが判明し、引き続き治療を行った場合には、その検査は、治療に先立って行われる診察と同様に考えられるため、その場合のＰＣＲ検査費用は、医療費控除の対象となります（所基通73-4）。

Ｑ３．オンライン診療に係る諸費用の医療費控除

オンライン診療料のうち、医師等による診療や治療のために支払った費用、オンラインシステム利用料は、医療費控除の対象となります（所法73②、所法令207①、所基通73-3）。

また、処方された医薬品の購入費用が、治療や療養に必要な医薬品の購入費用に該当する場合は、医療費控除の対象となります（所法73②、所法令207①2号）。
ただし、医薬品の配送料については、医療費控除の対象となりません。

（完）