2015.07.18 所得税:国外居住親族に係る扶養控除等
納税者が外国で居住する扶養親族等を所得控除の対象とする場合には、扶養親族等申告書や確定申告書にその国外居住親族の氏名、生年月日、住所等を記載します。
所得控除のうち生命保険料控除の適用を受ける場合には生命保険料の金額等を証明する書類を添付することが定められているのに対して、国外居住親族に関しては扶養をしていることを証明する書類の添付は必要とされていませんでした。
外国人と結婚した日本人や外国に家族を残して日本で働く外国人の扶養控除等の状況について会計検査院が調べたところ、扶養親族等の控除額が多いため所得税が課税されていない人が全体の6割近くになることが分かりました。
そこで、今回、日本国外に居住する親族に係る扶養控除等について以下のような改正がありました。
この改正は平成28年分以降の所得税について適用されます(改正法附則10)。
(1) 確定申告における親族関係書類及び送金関係書類の添付等の義務化(所法120③二)
確定申告において、国外居住親族に係る扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、障害者控除(以下「扶養控除等」という。)の適用を受ける納税者は、親族関係書類(下記4)及び送金関係書類(下記5)を確定申告書に添付し、又は確定申告書の提出時に提示しなければならないことになりました。ただし、次の(2)又は(3)により添付し、又は提示した場合は除かれます。
(2) 源泉徴収における親族関係書類の提出等の義務化(所法185)
給与等又は公的年金等の源泉徴収において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける納税者は、親族関係書類を扶養控除等申告書等に添付し、又はその申告書等の提出時に提示しなければならないことになりました。
(3) 年末調整における送金関係書類等の提出等の義務化(所法190)
給与等の年末調整において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける納税者は、送金関係書類を扶養控除等申告書に添付し、又はその申告書の提出時に提示しなければならないことになりました。また、国外居住親族に係る配偶者特別控除の適用を受ける居住者は、親族関係書類及び送金関係書類を配偶者特別控除申告書に添付し、又はその申告書の提出時に提示しなければならないことになりました。
(4) 親族関係書類
親族関係書類とは次の①又は②のいずれかの書類で、その国外居住親族がその納税者の親族であることを証するものをいいます(所規47の2④)。また、その書類が外国語で作成されている場合にはその翻訳文も添付しなければなりません。
①戸籍の附票の写し、国又は地方公共団体が発行した書類及びその国外居住者の旅券の写し
②外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類で、その国外居住親族の氏名、生年月日、住所又は居所の記載があるもの
(5) 送金関係書類
送金関係書類とは、その年における次の①又は②の書類で、その国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払いを、必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます(所規47の2⑤)。また、その書類が外国語で作成されている場合にはその翻訳文も添付しなければなりません。
①金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりその納税者からその国外居住親族に支払いをしたことを明らかにする書類
②クレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等及びその商品等の購入等の代金をその納税者から受領したことを明らかにする書類
(完)
納税者が外国で居住する扶養親族等を所得控除の対象とする場合には、扶養親族等申告書や確定申告書にその国外居住親族の氏名、生年月日、住所等を記載します。
所得控除のうち生命保険料控除の適用を受ける場合には生命保険料の金額等を証明する書類を添付することが定められているのに対して、国外居住親族に関しては扶養をしていることを証明する書類の添付は必要とされていませんでした。
外国人と結婚した日本人や外国に家族を残して日本で働く外国人の扶養控除等の状況について会計検査院が調べたところ、扶養親族等の控除額が多いため所得税が課税されていない人が全体の6割近くになることが分かりました。
そこで、今回、日本国外に居住する親族に係る扶養控除等について以下のような改正がありました。
この改正は平成28年分以降の所得税について適用されます(改正法附則10)。
(1) 確定申告における親族関係書類及び送金関係書類の添付等の義務化(所法120③二)
確定申告において、国外居住親族に係る扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、障害者控除(以下「扶養控除等」という。)の適用を受ける納税者は、親族関係書類(下記4)及び送金関係書類(下記5)を確定申告書に添付し、又は確定申告書の提出時に提示しなければならないことになりました。ただし、次の(2)又は(3)により添付し、又は提示した場合は除かれます。
(2) 源泉徴収における親族関係書類の提出等の義務化(所法185)
給与等又は公的年金等の源泉徴収において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける納税者は、親族関係書類を扶養控除等申告書等に添付し、又はその申告書等の提出時に提示しなければならないことになりました。
(3) 年末調整における送金関係書類等の提出等の義務化(所法190)
給与等の年末調整において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける納税者は、送金関係書類を扶養控除等申告書に添付し、又はその申告書の提出時に提示しなければならないことになりました。また、国外居住親族に係る配偶者特別控除の適用を受ける居住者は、親族関係書類及び送金関係書類を配偶者特別控除申告書に添付し、又はその申告書の提出時に提示しなければならないことになりました。
(4) 親族関係書類
親族関係書類とは次の①又は②のいずれかの書類で、その国外居住親族がその納税者の親族であることを証するものをいいます(所規47の2④)。また、その書類が外国語で作成されている場合にはその翻訳文も添付しなければなりません。
①戸籍の附票の写し、国又は地方公共団体が発行した書類及びその国外居住者の旅券の写し
②外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類で、その国外居住親族の氏名、生年月日、住所又は居所の記載があるもの
(5) 送金関係書類
送金関係書類とは、その年における次の①又は②の書類で、その国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払いを、必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます(所規47の2⑤)。また、その書類が外国語で作成されている場合にはその翻訳文も添付しなければなりません。
①金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりその納税者からその国外居住親族に支払いをしたことを明らかにする書類
②クレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等及びその商品等の購入等の代金をその納税者から受領したことを明らかにする書類
(完)