今日も羊毛を紡ぎ続ける人がいる
夏なのに羊毛の作業は暑いでしょう
と思われますが、手織の準備は最低半年早いのです
綿の向こうで紡錘車がくるくる回る
のどかで優しい光景だ。
”これが出来るなんて私にとって夢なのです”
と語るのは市内から通うOguraさん
自分で好みの毛をブレンドしてカーダー綿を作り
お気に入りの糸を紡ぐ
日常を忘れ時間も忘れるほど没頭できるこの作業
自分好みの綿で自分だけの色を紡ぎ自分だけのものを作る
コンピュータ化して自動化して大量生産の社会の中で
自分を得ることは困難な時代となったが
物だけではなく自分を探すことも出来ない時代の今、
ただひたすらの作業が出来る贅沢が彼女の中にあった。