7月17日国立近代美術館で企画展を見てきました。
美術館で建築の展示・・・ ん?なのにテーマが 「建築はどこにあるの?」では、何の展示かワカラナイ!
で興味はなかったのですが、いつかの夕刊で紹介されているのを見て、若干、興味をひき行ってみました。
まず、撮影したものを見ていただきましょう。(撮影OKで撮った写真の投稿サイトまで準備されています。)http://www.flickr.com/groups/momat_where_is_architecture/
美術館入口の芝生に設置された竹細工の作品。 動物の群れを表現したもので、竹の影が面白い。
・建築家名 アトリエ・ワン Atelier Bow-Wow
・作品名 まちあわせ
Rendez-vous
・素材 竹、コンクリート試験体、鉄
美術館1階のエントランスロビーからブラインド越しに
企画展入口をはいってすぐの作品。竹ひごのような線材細工の大集合体、向こうの見え方に面白さが
・建築家名 中村 竜治 NAKAMURA Ryuji
・作品名 とうもろこし畑 cornfield
・素材 紙(バルカナイスドファイバー)、糊
ミニチュアの椅子や小屋、テキスタイルの点在
作者によると、北海道の草原にピクニックに集まった人々に軽食をふるまうカフェとして設計した建築の1/3模型だとか。
・建築家名 中山 英之 NAKAYAMA Hideyuki
・作品名 草原の大きな扉
Door on the Prairie
・素材 木造
展示室に低い空洞のような空間をつくりそこにいくつかのオブジェを置いた作品。中にははいれません。
・建築家名 鈴木 了二 SUZUKI Ryoji
・作品名 物質試行 51 DUBHOUSE
Experience in Material No51:DUBHOUSE
・素材 木、アクリル塗料、強化ガラス12mm、硬質ゴム、アルミニウム、鉄、合板、フロアサポート300type
この作品は暗い部屋の天井に赤いレーザーのスリットを並べ、床面に照射しています。
人がその上を通ると、人体表面にレーザの線が複雑な曲線となって現れます。 期間中には、ここでダンスパフォーマンスも行われます。 面白そう。
写真には撮りましたが、1秒以上のスローシャッターでブレブレです。 投稿サイトには、きちっと撮れた写真がアップされていました。
・建築家名 内藤 廣 NAITOU Hiroshi
・作品名 赤縞
AKAJIMA(Red Stripes)
・素材 ミクスド・メディア
この作品も暗い部屋でかつ細長い部屋。スライドショーのように間欠的に窓からの景色が映写される。
・建築家名 菊地 宏 KIKUCHI Hiroshi
・作品名 ある部屋の1日 one day in a room
・素材 ミクスド・メディア
最後は伊東豊雄。一度TVで仕事ぶりを紹介した番組を見たことがり、名前は知っていた。
作品は、多面体が連続展開したもので、その中を通り抜けながら作品鑑賞。
・建築家名 伊東 豊雄 ITO Toyo
・作品名 うちのうちのうち inside in
・素材 布、スチールパイプ、木、アクリル、紙、アルミメッシュ、ポリプロピレン、リノリウム
万華鏡ふうのもの
メッシュの多孔質の面
クモの巣状の複雑な曲線の交点に棘
六角柱の多面体の複合
タイトルの「建築はどこにあるの?」について。
この企画展のリーフレットに各作者のコメントが記載されている。 アトリエ・ワンのコメントにタイトルに関してこんな一文があった。(要約)
「最初、この企画展のテーマは”楽しい建築”が投げかけられていた。 現代の建築家のアプローチを肯定した姿勢があった。 その後 いつのまにか今のタイトルに変わった。 建築はどこにあるの?では建築家達と一線を画し、突き放した感じになった。 特に「の?」は否定的、非難するニュアンスがある。」
私がこの企画展で感じたのは、建築の構成要素である面、線、素材、空間、光などの構成要素に焦点をあて、各建築家が建築的思考で昇華したものをインスタレーションという空間表現で表した。・・・・です。 こう考えると腑に落ちるのです。
「建築はどこにあるの?」としたこの企画展のCURTATORの狙いは、結局のところわかりません。 単純に構造体として完結した建築は展示されていないことを、夏休みの子供達に伝えることはできますが。