光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

前田昌良個展 「やまぼうしの花の咲くころ」

2020年10月13日 | アート 各分野

遅い紹介ですが、2019年12月15日に行った前田昌良個展 「やまぼうしの花の咲くころ」を。

前田昌良先生は、私が通う絵画教室の先生で、以前にも「一人だけの夜空」展、「ひそやかな一歩」

を紹介しました。 

今回は、日本橋高島屋のギャラリー。

また、先生の新しい個展が、今月の17日から開催されますので、その案内も後に載せています。

 

まず、会場光景から

 

 

 

 

 

 

”星を運ぶ舟”シリーズ

先生の作品集&エッセイで、なおかつ作家小川洋子さんの書き下ろし短編もついた「星を運ぶ舟」

幾重にも変奏しています

 

 

 

展示は、油彩絵画と彫刻作品を組み合わせていました。 床の間のしつらえのように、いい雰囲気を作っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”森に浮かぶ舟”シリーズ

 

 

 

 

 

<森に浮かぶ舟>

 

 

 

 

 

 

 

 

油彩絵画<ぶどうの丘からの眺め>  彫刻作品<少年の日々>

 

 

<やまぼうしの花の咲くころ>

 

 

<水のかたちーお堀>

 

 

 

<水のかたちー上水>

私も毎朝、散歩する武蔵野の玉川上水がモチーフかな?

 

 

油彩作品<街の屋根>   彫刻作品<ウサギと呼ばれた少年>

 

 

<薔薇の花>

 

 

<薔薇の花>

 

 

 

動く彫刻作品です。

会場に前田先生がおられたので、動かし方を教えていただきました。 最初は<ゆっくり舞い降りる>

回転木馬のように空中を回転しながら、ゆっくり降下していきます。

回り始めから、上の着地まで、1分45秒! 先生、数理的知識も深い!

 

次、タイトルが<頑張るのは切ない>・・・吹き出しそうになりました。

 

 

 

 

 

                               奥に立たれているのが前田先生

 

上の複雑な動きが、下の手回しを回すだけ!

 

 

 

<掌に棲む人>

 

 

 

<前向きな天使>

 

 

<大きな羽の天使>

 

 

<綱渡りの人生>

 

 

 

 

左から <昔の車> <終わりの無い旅> <大人の積み木> <遠くを見つめて> <道のりは遠い> ※この彫刻作品はすべて非売。

いかがでしたでしょうか。 ユニークで詩情漂う世界です。

 

さて前田昌良先生の直近の個展の案内です。

会場は、「一人だけの夜空」展と同じ、Gallery SU 昭和11年建築の洋館アパートです。

建物もレトロな詩情があふれ、室内の作品も・・・・お勧めです。

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ハイライト展示から 所蔵作品展「MOMATコレクション」

2020年09月30日 | アート 各分野

東京国立近代美術館(2020.9.17訪問)の所蔵作品展(MOMATコレクション)の紹介、2回目は

第1室ハイライトです。 コレクションの精華という触れ込みのとおり、重量級の作品が多い。

 

最初は丸木俊の作品から。 

昨年に、この作品を中心とした、女性アーティストの作品展が開かれていて、そのときが初見。

迫力があって、いい作品だな~と思いました。

丸木位里・俊夫妻は原爆の図で有名ですが、最近、毎日新聞夕刊の「アートの扉」で丸木俊が

ロシアで家庭教師をしているときに描いた小作品が掲載され、力のある画家だな~と思いました。

この作品は最近、購入された作品らしいのですが、MOMATもお気に入りの作品のようです。

 

 

細部を拡大してみましょう。

うーん、凄い!  講釈不要。

 

 

 

次は、丸木俊作品と正反対の雰囲気を持つ、船越保武の「原の城」

両作品が、たまたま近くにあったので、こんなふうに撮ってみました。

(作品キャプションが邪魔だったので、写真加工で塗りつぶしています)

 

 

 

次は、荻原守衛の「女」

この作品は、数多く取り上げています。 MOMATで初めて見たとき、相馬黒光との関係を調べて

みました。  黒光が急死した荻原守衛の日記を焼いてしまったので、真実は永遠にわかりませんが。

私は、この作品の、この面から見た姿、特に顔の表情に、黒光を見出します。 黒光さんは、写真でしか

知りませんが、なんとなくイメージが似ています。

 

 

 

顔をアップで撮ってみました。 荻原守衛は、この表現に、さぞや満足だったのではないでしょうか。 

私もこの顔の表現が大好きです。

 

 

こちらは、2019年11月に撮ったもので、顔の右側です。

左側の顔とは、違いますね。 人間、顔は細かく見ると、左右非対称です。 違って当たり前ですが

荻原守衛は、敢えて、この違いを表現したかったのかな~と思います。

 

 

 

次はジョージア・オキーフ

日本の作家とは、湿度感が違う感じで、簡潔、サラッとした感触が、面白い。

 

 

 

 

ゲルハルト・リヒター

現代アートの巨匠ですね。 多様な作品を作っていますが、どれも、うーんと唸るものがあります。

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京都・富山アート巡り#6 富山県立美術館「日本の美」展・コレクション展、湖西線車窓風景など

2020年06月08日 | アート 各分野

2019年9月9日(月)京都駅8時41分発の、特急サンダーバード7号で富山に向けて出発。

4号車9番D席で、湖西線の車窓からは、琵琶湖が輝いていました。 

 

 

9時2分頃、志賀駅を過ぎたあたりです。 スマホで撮影。

琵琶湖の向こうの中央部の山の後ろには、安土城址があり、近江八幡市が広がっています。

 

 

 

9時18分頃。  近江今津駅を過ぎたあたり、ため池かなと思ったのですが、調べてみると貫川内湖北湖でした。

昭和前期には40数か所あった内湖も、現在は23内湖まで減ったそうです。  

左上の影は、指がスマホのレンズ部分に触れたためです。 よくやるんです。

 

 

 

9時20分 琵琶湖の北部、生来川です。 マキノ駅の手前になります。 ゴルフの練習をする人が見えます。

ここから先は、ほとんど琵琶湖が見えない山の中を走るので、撮影もここで終わっています。

 

 

 

終点金沢から、北陸新幹線に乗り換え、乗り換えに26分あったので駅弁とお茶を買って

列車内でいただき、富山駅に11時51分着。

富山県立美術館に着いたのは、12時半前でした。 この年の2月にも来ていたので2回目になります。

3階のロビーからの景色。 雲が邪魔して立山の頂上付近は見えませんが、それでも爽快な景色だ。

 

 

 

 

企画展のフライヤです。 表紙が2種類あります。

日本美術の装飾性とデザイン性をキーワードにした展示会で

章立ては

1章  琳派と近世江戸の美を中心に

2章  浮世絵版画のデザイン力

3章  絵師から図案家へ 神坂雪佳と浅井忠

4章  近現代日本美術の装飾美

5章  現代デザインに生きる和の美

となっていました。 この企画展も、京都で開催されたICOM世界大会を意識しているなと思いました。

作品リストを、最後に載せましたが、これだけ幅広く作品を集めるのは大変だったでしょう、4章までは

他の国公立、私立美術館等の所蔵品で、5章のみが富山県立ビ美術館の所蔵品でした。

 

撮影OKだった一部の作品を以下に紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コーラ缶の絵、上の素襖にもありますね。

 

 

次は3階のコレクション展から。

 

 

 

 

 

 

国芳の浮世絵にも人体を組み合わせた顔絵があり、ユーモラスですが、こちらのポスターは、ちょっと怖い。

 

 

頭蓋骨と血煙も気になりますが、道成寺の字体が面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次は 「瀧口修造 夢の漂流物」

美術館の紹介文です。

”瀧口修造の書斎には、交流のあったアーティストから送られた作品や贈り物、自身が見つけたお気に入りのものなど、入手経路も内容もさまざまな品々が集まりました。
今回は、「瀧口修造 夢の漂流物」と題し、これら“瀧口の書斎にたどり着いたモノたち”によるコレクションのダイジェスト版として、国内外の作家たちの作品や、無名の
オブジェの一部をご紹介します。”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポスター展の横で、コレクションの椅子も展示されていました。

 

 

 

 

 

このほか、コレクション展Ⅱとして、ピカソやマティスの絵画などの、王道の展示もありましたが、撮影禁止のため紹介できず。

以上、たっぷりとアートを鑑賞し、最後に立山の景色を拝観。

 

 

 

見終えて、1階のカフェでコーヒーでも飲もうと、メニューを見ると

 

 

 

企画展にちなんだ ”わびさびセット” 1120円(ドリンク付き)がある!

日頃はスウィーツには関心がないが、ここは思い切って。

じゃーん おー!流水紋に市松模様、モミジの葉(青いが)、抹茶ムースに淡雪がかかり、そこに

朱が散らされ、渋い水玉模様(キャラメル)と苔むしたさざれ石(クッキー)

手を付けるのが憚られる・・・と思いつつ、しっかり完食。

 

 

と、道路越しに変わった行列・・・

 

 

 

アップで見ると、花嫁のお色直しの行列?  

3階の景色から見えた、近くのガラス張りの建物がフランス料理のレストランで、そちらに向かっています。

今回調べると、ここから数分のところに、系列の結婚式場があったので、そこからレストランに移動している

ところでしょう。

 

 

さて、帰りは富山駅まで歩いて(約15分)、16時15分発の新幹線で、東京に戻りました。 約3時間で帰宅。 

写真は、新幹線の中から、早月川を撮ったもの。16時22分

 

 

そして黒部川。  16時26分  京都・富山アート巡りは収穫一杯の旅でした。

 

 

企画展の作品リストです。

 

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京都・富山アート巡り#3 「百花繚乱ニッポン×ビジュツ展」京都文化博物館

2020年05月01日 | アート 各分野

2019年9月8日(日)のアート巡りの行程です。

◆立川を早朝出発、10時半前、京都着
  荷物をホテルに預けて早速、アート巡りへ

◆京都国立近代美術館へ
 ・企画展 「ドレスコード?―着る人たちのゲーム」展
 ・常設展
 次の細見美術館へ(歩いて6,7分)

◆細見美術館
 ・レスコヴィッチコレクション 広重・北斎とめぐるNIPPON
  (こちらは、撮影禁止でした)
 サラッと見て、次の京都文化博物館へ(地下鉄で)

◆京都文化博物館
 ・企画展「百花繚乱ニッポン×ビジュツ展」
 ・総合展示
 次のアートフェア  「artKYOTO 」を見るため二条城 へ(歩いて15分)

二条城
 アートフェアartKYOTO 」
 見終えて、二条城の門を出たら、もう16時50分。西日の射す二条通リを歩き、地下鉄で京都駅のホテルへ。

 
それでは、「百花繚乱ニッポン×ビジュツ展」の紹介を

 

 

 

 

チラシにも書かれている通り、ICOM(世界博物館会議)京都大会を記念して、東京富士美術館所蔵の日本美術の名品を

展示したものです。

京都文化博物館は初めてで、私は知らずに別館側から入りました。 

すると、下の写真のような明治期の建物で、ポスターの仕切りの向こうから、音楽が聞こえていました。

後でわかるのですが、この建物は、旧日本銀行 京都支店で、現在は多目的に利用されているのでした。

 

 

 係の方に、本館の展示場を教えてもらい、本館4階の特別展会場へ

チラシにも書かれている通り、展示方法は工夫を凝らしていました。 

ニッポンのビジュツとあえてカタカナで表現した意図、見終えてよく分かりました。 外国人にも、わかりやすかったのではないでしょうか。

まず、キーワードでふるいにかけた日本美術、最初は”キモカワ”・・・うーん そう来るか。

 

 

 若冲は、鶏の絵など緊張感のある精緻な作品で有名ですが、大胆にデフォルメした

こんな作品もあり、シンプルで力強い線が素晴らしい。 少しカワイイかな。

 

 

文句なしのカワユイ系。

 

 

 

 キモイ! こんな絵のどこに可愛さを感じるのか!・・・と憤っていたのですが

 

 

 懐の蝦蟇のご主人を見つめる眼、かわゆい。

 

 

国芳は絵も達者だし、皮肉っぽいユーモアも達者。  

 

 

 

 ドキッとする構図ですが、骸骨の描き方がさすが。

 

 

 

 この絵については、いちど浮世絵の講演会で説明を聞いたことがあります。

キャプションに付け足すと、遊女が営業中の相手は、窓にかかった手ぬぐいの柄を見ればわかるそうです。

広重さん、隅に置けない人ですね。

 

 

 

 このキモカワ分かります。 

戦のなかで、こんな兜をつけた相手に遭遇したら、眼を鯱にやった途端、バサッとやられそう。

 

 

 

 サムライ×日本美術編

ここでお断りしておきたいのですが、使用したカメラが旅行用のサブカメラであること、会場が美術作品専門の展示場ではないようで

柱で遮られるところがあること、照明もガラスに反射する箇所が多く、また、会場全体が狭くて、照明が暗い、加えて、鑑賞者も多く

撮影は人通りの途切れを待って、さっと済ませる必要がある・・・等の理由で、画像が鮮明ではありません。ご容赦を 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 鎧兜は、東京国立博物館でもよく見るのですが、ここまで揃っていて重厚なものは

なかなか見れません。

 

 

胸から上の部分です。 おや!兜の前立てに犬、しかも笑って駆けている!

名君と言われた斉彬、調べてみると、大河ドラマ『西郷どん』第13話で、輿入れする篤姫に斉彬公が「薩摩の守り神じゃ」と

手渡したものは、斉彬公の居室を飾っていた島津義弘の兜の前立ての〝きつね”・・・でした。

島津義弘といえば、関ヶ原の戦いで、敵中突破して、無事、薩摩に退いた猛将、・・でもキツネか、先ほどの鯱よりはカワイイけど。

 

 

 刀剣

東京国立博物館の展示では、白い布をかけた刀掛けに抜き身で展示されている事が多い。  アクリル樹脂を使った展示は初めて見ました。

茎の部分を鏡に映したり、工夫しています。

太刀も備前、長船近景、均整が取れて美しい。

 

 この太刀の、刃文をわかりやすくした展示。 太刀の全身押形も初めて見ました。

 

 

 

 

 次は長曽祢虎徹、よく切れたことで有名。

四つ胴切断は死体を4体重ねてそれを一刀で切断したという意味です。

東京国立博物館でも、同じく虎徹の四つ胴切断の刀がありました。

 

 

 

 

 次は乗物、豪華な装飾、そして劣化が少なくて綺麗なのには驚きました。

仙台から宇和島まで使ったのに・・・、修理を含めて保存が良かったのでしょう。

 

 

 

 

 

 四季×日本美術です。

 

 

 武蔵野図屏風。 私は武蔵野に住んでいますが、こんな風景は望むべくもない。 今だと秋草のところは市街地、たなびく金雲のところは

電柱や電線。 400年の時の差。

右隻はピンボケのため小さいサイズで。

 

 

 

 外国人に最も有名な日本美術は、これ!

 

 何度も見ても飽きない。

 

作品については、以前、東京富士美術館の

江戸絵画の真髄 ─秘蔵の若冲、蕭白、応挙、呉春の名品、初公開 !!その1

江戸絵画の真髄 ─秘蔵の若冲、蕭白、応挙、呉春の名品、初公開 !!その2

で紹介したものがありますので、そちらもご参考に。

以上です。 次は京都文化博物館の総合展示を紹介します。

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京都・富山アート巡り#2 京都国立近代美術館 常設展(2019.9.8)衣服にちなんで

2020年04月14日 | アート 各分野

コロナウィルスとの闘いで世界が大変ななか、私も外出自粛で、2カ月ほど、美術館などに行けてません。

そこで、溜まったストレスの発散、というわけではありませんが、アート展の写真在庫を、大放出!(安売りチラシか)

まずは、2019年9月8、9日(日・月)京都・富山のアート巡りから、

「ドレスコード? 着る人たちのゲーム」(京都国立近代美術館)は1月に紹介しましたので、関連した同美術館の常設展を紹介。

 

ドレスコード展とタイアップして、”着る”に関連した展示で、京都らしく、まず和装。

爽やかな美人画で開幕。

 

 

 

端正な容貌をアップで。

 

展示コーナの企画趣旨です。

この時期、京都で多様な展覧会が催されたのは、ICOM(国際博物館会議)の3年毎に開催される大会が京都で行われたためで

世界141の国と地域から、3000人を超える博物館の専門家が集った。

 

次は梶原緋佐子、舞台は沖縄の残波岬、琉球絣を着た若い女性が描かれている。

 

梶原緋佐子、82歳のときの作品ですが、若々しく爽やかですね

菊池啓月に入門した梶原緋佐子は、大正時代は社会の下層で生きる女性を描いていましたが、昭和に入り

師の菊池啓月似の画風に転向した。 そこから画壇に認められていくのですが、私は大正期の作品も素晴

らしいと思うし、実際、再評価されているようだ。 この作品は、晩年の代表作。 

これもアップで。

 

 

 

次は、甲斐庄楠音(かいのしょう ただおと) 

現地でこの作品を見たとき、少し驚きました。

 

というのは、この作品は、奇麗な美人画の印象だったから!(少し、妖艶なところもありますが)。

私が彼の作品に抱いていたイメージは、岸田劉生が”デロリ”と名付けた少しグロテスクなものだったのです。

過去のブログ記事から→稲垣仲静・稔次郎兄弟展 2 

           これからの美術館事典 #3 東京国立近代美術館(2015.6.28)

この作品は、少し妖艶な匂いはするのですが、グロテスクではない。

ついでにWebサイトで甲斐庄楠音を調べてみると、幼少期から喘息など病弱だったこと、女装趣味やホモセクシュアルなどの噂、

土田麦僊に「穢い絵」と言われて展覧会の展示を断られたこと、その後、映画監督の溝口健二に見いだされ、歴史考証家として

映画の世界で活躍したこと、青年時代に失恋をして生涯独身だった・・・等、複雑な人生を歩んだ方です。

そのなかに、彼と彼の愛人”トク”の写真があったのですが、彼の描いた作品の女性の多くが、トクによく似ている。この「秋心」も

そうです。

 

この作品のアップです。

顔のぼかした表現、目や周りや、影部分の赤味などが、端正ではないけどグっとくる表現です。

それと、衣装の観点からいうと、背景などの衣装のデザイン、よく研究していると感じます。 映画の歴史考証でも

力を発揮したのは、むべなるかな。

 

 

次は、夏の日本画

 

鑑賞した9月8日は、猛暑日でした。 こういう絵を見て、気持ちだけでも涼みました。

 

 

 

いよいよ、ドレスコード展とタイアップしたコーナーです。

 

 

 

戦後日本を代表する写真家のひとりである、東松照明のまんだらシリーズ

田山の花踊りは、私も初めて聞く名前です。雨乞いの神事らしいのですが、写っている

虚無僧のような衣装には驚きました。

 

 

 

ずいき(里芋の茎)など食物で飾った御輿などが繰り出し、1年の五穀豊穣を感謝する祭。

氏子地域より選ばれた女児による「八乙女田舞(やおとめたまい)」の奉納があり、親に手を引かれて歩く

その女児を撮ったもの。

今気が付いたのですが、白粉で塗った顔に薄っすら紅が入っています。 甲斐庄楠音の「秋心」の紅もリアル

な描写だったんだ。

 

 

平安遷都1100年を記念して明治28(1895)年に始まった時代祭は、平安神宮の大祭。

明治維新時代から平安京の造営された延暦時代まで、約2000人の市民が、時代時代のスタイルに扮して

京都のまちを練り歩く時代風俗行列。

 

 

 

 

初夏の京都を優雅な行列で彩る葵祭。今から約1500年前に始まったとされる下鴨神社と上賀茂神社の例祭で

もともとは「賀茂祭」と呼ばれていた。 江戸時代に祭が再興されてから葵の葉を飾るようになり、「葵祭」

と呼ばれるようになった。

祭の見どころである「路頭の儀」、500余名の行列が続く。 写真は、「御所車」と呼ばれている藤の花の

装飾をした牛車。  その牛車を引く牛童(うしわらわ)の手を引く洋装のお母さん!

 

 

 

清凉寺(せいりょうじ)・嵯峨釈迦堂(さがしゃかどう)は第52代・嵯峨天皇の皇子で、光源氏のモデルとも言われている

左大臣・源融(みなもとのとおる)の山荘・棲霞観(せいかかん)があった場所です。 その後、寺院が建てられ、鎌倉時代

の1279年(弘安2年)に円覚上人(えんがくしょうにん)が遊戯即念仏を広める為に始めたと言われている嵯峨大念仏狂言は

演者が面を着ける仮面劇で、台詞がない無言劇(仏教パントマイム)。

 

 

 

 

次は池田満寿夫(1934-1997)

鮮やかな西陣織のテーストが眼に飛び込んできました。 花鳥風月を現代ア-ティストが料理したこの躍動感!

右から《天女乱舞A》、《天女乱舞B》、《天女乱舞C》 1988 いずれもリトグラフ・紙

 

 

右から《天女乱舞D》、《天女乱舞E》1988 いずれもリトグラフ・紙

 

 

 

会場光景です。

 

 

竹久夢二、私は、ぶるっとこない画家なのですが、個性的であることは間違いない。

 

 

今回の夢二の作品のなかでは、次の4点が良かった。

有刺鉄線のような描線が面白い!

 

 

 

顔の表情、手指の組み方など、いいですねー。

今、気が付いたのですが「宵待草」ではなくて「待宵草」になっています。 自筆の原紙にも「待宵草」となっていて

当初は「待宵草」としていたものの、語感の良さから、途中で「宵待草」に変えたとか。 花の学名は「待宵草」。

 

 

 

風呂敷のデザイン、さきほどの包み紙といい、商業デザインに長けています。

 

 

「蘭燈」の楽譜の表紙絵です。 歌詞は

和蘭(おらんだ)屋敷に提灯つけば
ロテのお菊さんはいそいそと
羞恥草(はにかみぐさ)は窓の下
玉蟲色の長椅子に
やるせない袖打ちかけて
サミセン弾けばロテも泣く

フランスの作家ピエール・ロティが1893年に書いた「お菊夫人」をもとにした夢二の作詞。

ロティは、海軍士官として日本を訪れており、1885年には長崎に滞在し、現地妻を囲ったのだとか。

 

 

 

衣装です。

森口 華弘の訪問着は、東京国立近代美術館・工芸館で、何度か見ていて、みんなとても素晴らしい。

この作品は一見、モノトーンで地味に見えますが、気品があります。 着こなせる人は限られそう。

 

 

アップです。 衣装にも落款があるのは初めてみました。

 

 

展示光景です。

 

和服のボリューム感や色柄がパッと眼に入ります。 顔が婦人雑誌の表紙っぽいなー。

 

 

 

"装う人/脱ぐ人 "コーナの解説に

”裸体に意味や美を見出せてなかったにもかかわらず、西洋美術に倣って、見よう見まねで裸体を表現した”

・・・なるほど。 ただ、もう少し前の世代で、青木繁の作品には、日本の神話にちなんだ美がありますが、当時は

評価されなかった。

 

 

 

 

小磯良平の絵は、さすがと思います。

今見て?と思ったのは、この絵の左側の人の衣装。 赤いポロシャツの上に和服を着ているように見えるのですが。

 

 

 

 

 

長谷川利行です。  この人の絵のパンチ力には恐れ入ります。 画中の裸体画も効いてます。

 

 

 

熊谷守一。 シンプルですが、化粧の特徴を捕らえた彼らしい作品。 熊?の毛皮もなんだか嬉しそう。

 
熊谷守一(1880-1977)  《化粧》  昭和31 油彩・紙に板

 

 

見終えて、美術館4階の窓から下を見ると、強い日差しの中、和服の女性が通り過ぎていきました。

 

 

美術館を出て、次の京都文化博物館に行くため、地下鉄東山駅を目指していく途中、白川筋の対岸に京都の町屋らしい建物。

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信州上田、富山、金沢アート巡り #4金沢21世紀美術館、石川県立美術館

2019年03月22日 | アート 各分野

2019年2月19日(火)金沢21世紀美術館 に朝9時半過ぎに到着。

バス停を降りると、小雨が降ってきました。

美術館に入ると、開館30分前なのに、チケット窓口には行列ができていました! 

見た感じ観光客がほとんど、すっかり人気観光地になっています。

前日の上田市立美術館では、1時間半の間に、数人の鑑賞者だったのに。

私は、軽井沢の川田画伯に譲っていただいた招待券で、並ばずに入場できました。

 

展示は、四つあって、企画展は「チウ・ジージェ 書くことに生きる」。

西村有展以外は撮影禁止で、残念ながら紹介は出来ません。 でも、私は西村有展

が主目的でした。

 

  

 西村有展を紹介する前に、金沢21世紀美術館の恒久展示作品を紹介。

レアンドロ・エルリッヒ

スイミング・プール》  制作年: 2004

 この日は小雨で、地上側は入場禁止でしたが、プールの底はこの通り。

 


これだと面白味半分なので、2017年5月19日に撮影した、晴れた日の写真を追加します。 

 

 

 

 

 

 

 

 ガラスの上に10cmほどの水をはったプールが、面白い景色を見せてくれます。

 

 

 


さて、「西村有展 paragraph です。 会期は迫っていて、24日まで。 入場無料。

展示光景です。

 

 

 

 

 

 

 

 


一見、稚拙な絵に見えます。

 

 

 

 味のある色彩感と描き方、少女の姿はイラストのような軽いタッチ。

そして、画面に不思議な”揺らぎ”。 今まで見たことのない絵画です。

 《a girl listening》2018

 

 

油彩水墨画? 雰囲気の良さを感じます。

 作品名のリストをなくして、この作品名は不明です。 

 


 

 ここで、展覧会に寄せた作家のステイトメントを抜粋して紹介します。

 ”描きたいイメージと、制作の中で新しく派生していくイメージ。
その間にある時間や奥行きの中に、自分の作品はあります。
作品が出来上がってくる実感は、こちらの思いなどお構いなしに、いつも不意な方向から現れます。
描きかけのキャンバスが集まってくると、複数のイメージが互いに補いあうように、中間に漂っている気配を浮かび上がらせます。
普段は認識しないような、視界の端っこにある形。
そんなイメージの存在に触れることができたら、もう一度描きかけのキャンバスに手を入れていくことができます。”

 


この作品も、一見、稚拙な描画に見えますが、すごく味のある表現です。

 作品名のリストをなくして、この作品名は不明です。

 

 

 電車の車窓から見るような、動いている風景が感じられます。

 《scenery passing(out of town)》 2018

 

 

 左は作品名不明。                                     右 《looking for》2018

 

 いかがでしょうか? 西村有の作品展については、一昨日(2019.3.20)も、東京アーツアンドスペース本郷

で見てきましたし、2017.10.15に駒込のギャラリーKAYOKOYUKIで、個展を見ていますので、近いうちに

まとめて紹介することにします。


 金沢21世紀美術館を見終え、近くの石川県立美術館へ移動の途中、本多公園で。

本多家は加賀藩の最高位の重臣で、禄高は5万石という破格の家柄であった。

このあたりは、本多家の家臣たちが住んだ下屋敷があり、崖の上の上屋敷(今の石川県立美術館がある場所)

とを結ぶ小径が、残っており「美術の小径」と呼ばれている。 私もその小径を登っていきました。

小径はかなり急坂で、横を用水が滝のように流れていました。(雨のため撮影しなかったのが残念)

 

 

 

坂を登り切ったところに 石川県立美術館のカフェラウンジがありました。

脇の裏通用門から入館。

 

 

 

館内で唯一撮影可だった野々村仁清の国宝の香炉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 所蔵品展で、好きな北野恒富の《鷺娘》を見つけました。 

予期してなかったので、満足満足でした。

画像は、2017.11.24に千葉市立美術館でみた北野恒富展で買った図録からコピーしました。

 


1階フロアに降りると、ここの学芸員さんと思われる方が、展覧会ポスターの

掲示板を眺めていました。 

 

 

 

 私も、展覧会ポスタの掲示板が大好きです。 アートのコラージュを見るようで。

 

 

 

12時に金沢駅に戻り、駅弁を買って富山に向け出発。

松葉ガニ、牛肉、のどくろの三色弁当がおいしかった。 

 

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「巨匠たちのクレパス画展 ー日本近代から現代までー」の事前案内

2018年07月04日 | アート 各分野

クレパス画の展覧会が開催されます。 

小さい頃に描いたクレパス画・・・・一流の画家はどういうに表現したのか?

興味があるので行ってみようと思います。  概要は次の通りです。

◆タイトル 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

「巨匠たちのクレパス画展 ー日本近代から現代までー」

 

◆会 期: 2018714日(土)~99日(日)
◆会 場: 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
    (住所/新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階)
◆チラシ https://dl.nxlk.jp/dc5703e1-316b-43a5-ab2a-1c275969f0ad
 
本展の作品で観てみたい作品などをピックアップしてみました。
 チラシからの抜粋です。
 
熊谷守一《裸婦》       クレパス画らしい筆致で、熊谷守一らしいシンプルさ
制作年不明
 
山本鼎《江の浦風景》      クレパス開発と普及に関わった画家。油彩みたいだ。
1934年
 
 猪熊弦一郎《顔》       どんな技法でも、上手だ。 
 1950年
 
 
 小磯良平《婦人像》      小磯良平らしい雰囲気を感じる。 
 1951年
 
 
寺内萬治郎《緑衣の婦人像》     油彩に見えちゃう。
 制作年不明
 
なお、作品はすべて、サクラアートミュージアムの絵画コレクション。
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上田市立美術館、須坂版画美術館、世界の民俗人形博物館を巡って

2017年08月13日 | アート 各分野

7月22日(土)16:45 軽井沢のセゾン現代美術館から、宿泊地の上田市へ車で出発

また強い雨が降りだす。  浅間山麓の高いところを通る浅間サンラインは、信号もほと

んどなく、快適に飛ばして、17:40頃には上田市内のホテルに到着。

市内は祇園祭で、あちこちに神輿がでていました。

荷物を置いて、 早速、近くの上田市立美術館(愛称サントミューゼ)へ。

ちょうどこの日から、土曜日は夜8時まで、開館時間延長でラッキーでした。

 企画展「魔法の美術館」は子供連れのお客などで人気ののようでしたが、私は

時間の制約もあり、

コレクション展「光と影で魅せる-写真家ハリー・K・シゲタの世界」

 を鑑賞。 観客は一人、二人でしたが、よかったですね。

コレクション展のチラシです。

 

ハリー・K・シゲタは、1887(明治20)年、長野県上田市に生まれ、15歳で、単身渡米。 ミネソタの美術学校に学ぶが、カメラに興味を持ち

写真家に転身。 23歳でロサンゼルスに移り、肖像写真家としてスタート、様々な苦労を経て、商業写真、芸術写真で一流の評価を得ていくが

戦争で敵国人となり、自宅からの外出制限など、時代の荒波を被る。 戦後には、イギリスの国際写真コンペで芸術写真部門の第1位になるなど

異国の地で写真一筋に生き抜き、人柄までも一流と認められた写真家。 (チラシなどから要約) 私は初めて聞く名前でした。


このブログを書いているとき知ったのですが、「シゲタくんの4コマミュージアム」が、同美術館のHP上に連載されだしました。

ハリー・K・シゲタの苦労エピソードなどを、漫画とともに紹介したものですが、なかなかグッドです。

ここの美術館で6月末まで開催された「吉田博展」(現在、東京の損保ジャパン美術館で巡回中)でも、学芸員が吉田博のエピソードを8回に

わたって紹介した「コラム/週間YOSHIDA」が素晴らしく、損保美術館の公式ウェブサイトにも引き継がれていました。

素晴らしい学芸員がいるんですね。


コレクション展を見終えて、サントミューゼの建物の外観を撮ってみました。 18時58分、夕闇が迫っていました。


 

 

 

 

 ホテルに戻り、1階のレストラン「美藏」で夕食。 漬物が好きで盛合せを注文。 もちろん、野沢菜いり。

 

 

串カツ盛合せもうまい! 写真は撮り忘れましたが、サービスで出たスペアリブも超満足。

 

しめは、蕎麦で。 さすがに本場の味でした。 

 

 

 

 

翌朝は、小雨でしたが、上信越道を利用して1時間足らずの、須坂版画美術館へ。

 

 

 

須坂アートパークに着くと、雨に濡れたムクゲの花が迎えてくれました。

 

 

 

目的の版画美術館は左の建物、中央奥は世界の民俗人形博物館になっています。

 

 

 

美術館ロビーです。 谷中安規展は左側の入口。 右は小林朝治記念室、更に右端の渡り廊下の先に、平塚運一版画コーナがあります。

 

 

 

谷中安規展は撮影禁止のため、チラシの紹介のみとなります。

 今まで、東京国立近代美術館で谷中安規のいくつかの作品を見てきましたが、この展覧会では、系統的に

かつ、詳細にまとめていて、見応えがありました。 

 

 

 

次は、世界の民俗人形博物館です。 実は、初めて聞く博物館で、鑑賞予定はなかったのです。 ついでに

入ったのですが、意外に良かった。 また写真撮影も、一部の高級フランス人形を除いてOKでした。

 まず、この博物館のWebサイトから概要を引用します。

 ”世界の民俗人形博物館は、当地出身で、多くの優れたデザイナーを発掘し育てられてきたことでも知られる
小池千枝名誉館長(元文化服装学院学院長)よりご寄贈いただいた、世界100数ヵ国の民俗人形およそ3,000体
あまりを所蔵、公開しています。”

 小池千枝さんは、私も知らなかったのですが、1916(大正5)年、須坂に生まれ、文化裁縫女学校(現、文化服装学院)で学び

19才でこの学校の教員となる。 その後、1954年に二人の子供を実家の母に預け、単身渡仏して1955年に帰国。クラスメート

には、サン・ローランなど錚々たる人々が。

上田市のハリー・K・シゲタといい、信州には、海外に出て一流の人になった方が多いようですね。



では、人形を。  このエジプトの人形は、1954年の渡仏途中で購入した、最初の人形。

 

 

 

 

 地域別に展示しています。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 エスキモーの人形でしょうか、とても面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは中近東のどこかだったと思いますが、説明パネルを撮り忘れ。

 

 

 

エジプト人形もそうですが、水売り!人形の多いこと。

 

 

 

授業かな? 先生のファッションがいい。

 

 

 

 

 

 

布染め作業の人形かな?

 

 

 

入れ墨を施す人形もあるんだ。
(8月13日追記:バングラデシュなどの地域では、花嫁の化粧として、手に絵具で模様を描くのが一般的なようです。)

 

 

 

人形の表情や、ファッションがいい。

 

 

 

 鑑賞を終えて、2階の休憩所から見た館外の光景。 正面奥は長野市。

こんな天気なので涼しくて何よりでした。 

 

 

 

ここは”恋人の聖地”として認定されているとか。

 

 

 

版画美術館を後ろから見たもの。

 

以上で信州のアート巡りの旅を終え、帰りは長野道から中央道を通って帰宅。 途中、姨捨サービスエリア付近の景色が素晴らしかった

のですが、数秒で通過。 

また、いつか信州の旅に行くことにしよう。


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自然と美術の標本展、常設展 横須賀美術館 その3

2016年07月20日 | アート 各分野

横須賀美術館の企画展「自然と美術の標本」展です。

子供向けかなと思ったのですが、大人も楽しめる内容でした。

 

 

 

最初は、《鉱物アソビ・フジイ キョウコ

いままで、国立科学博物館で鉱物標本を見ましたが、この展示では、タイトルどおり、鉱物を何かに見立てて遊び心で展示。

確かに、面白い。

 

 

 

微量の元素の働きで、美しい色で輝く。

 

 

こちらは、原田 要さんの作品。 花や食虫植物を思わせる立体の支持体(楠や寄木を彫刻したもの)を制作し、 その表面に着彩していくという

絵画と彫刻の要素を兼ね備えた作品を制作しています。

 

 

 

キャプションを読まずに、こちらのコーナに入ると、ん? 奇妙な標本!

 

 

 

ワ~なんだ! 蝙蝠の新種か!    キャプションをみると、創作だとやっとわかった次第。

 

江本 創 

幻想標本作家。架空の生き物「幻獣」の標本を独自の方法で制作・発表。 鱗や骨格といった細部まで巧妙に

作りこまれた作品は、架空の生き物とは思えないほどのリアルさを持っています。

 

 

 

 

 

 

極め付け!

 

 

確かに、現代アートですね。

 

 

 

 

橋本典久 

写真家、メディアアーティスト。四角いフレームで切り取るという映像制作の大前提に対する疑問から

 物事を多角的な視点で捉えた作品を制作しています。

 

 

 

 

この作品のキャプションは撮ってませんでした。

 

 

虫魚画巻という絵巻。 小茂田青樹って、初めて聞く名前ですが、速水御舟とライバル関係にあった日本画家。

垢ぬけた絵ですね。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからは、常設展から気に入った作品を紹介します。

展示は地下階の展示室ですが、結構、大きくて天井近くの採光窓などもあり、見やすいですね。

 

さて、最初に撮ったのは中村彝の「少女」。

新宿中村屋の娘・俊子がモデルで、彝と恋仲になりますが、俊子の母親、相馬黒光などに反対され、引き離されてしまいます。

当時、上半身裸のモデルになるのは大変だったでしょうが、そうしたことを感じさせない、俊子の眼が生きています。

 

 

 

朝井閑右衛門も初めて聞く名前、作品はこれ以外にもいくつか展示されていましたが、この作品が

一番、印象が強い。  サーカスの宣伝をするチンドン屋がモチーフかな?

 

 

 

ピンボケで、ガラス面の反射があったりで見づらくてすみません。

 

 

 三岸節子は名前を少し知っている程度。  日本の女流洋画家の草分け的な存在。

 

 

 

 

高間惣七、聞いたことあるような名前。 色が綺麗でした。

 

 

 

 

 

近年、国際アート市場で人気が上がっている白髪一雄。 天井から吊ったロープにつかまって足で描いている 

 

立川から横須賀美術館に行くのは、結構、時間がかかりましたが、景観のいい場所ですし、展示内容もいいので、また機会をつくって

行きたくなりました。 

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村上隆のスーパーフラット・コレクション展から #6 村上隆の脳内世界

2016年05月02日 | アート 各分野

スーパーフラット・コレクション展で最も面白かったのがこの部屋。

展示室という言葉は合いません。

 

 

入口からみて左側

 

 

床部分

 

 

壁から天井へ

 

 

メインカメラで撮影

 

 

 

狛犬も愛嬌があります。

 

 

 

可愛いですね。  記事の最後に作品配置図を掲載していますが、この作品名はよくわかりません。 村上隆の自作かな?

 

 

半身像はマシュー・モナハンの《偉大なる鷹匠》かな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋の右側

 

 

 

ぐい飲みもたくさんあり、使いたい気分。

 

 

 

入口に向かって撮影

 

 

福助はここに。

 

 

 

神棚のイメージ

 

 

 

 

 

 

 

玉眼だ。 

 

 

 

 

 

この像、気になります。 表情に迫力を感じる。

 

 

 

 

 

 

最後に配置図です。  図にないものもあります。 開催前日まで村上隆が作品持ち込みをしていたらしく、キャプションが間に合わなかった?

  

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村上隆のスーパーフラット・コレクション展から #5 日本・用・美 その2

2016年04月29日 | アート 各分野

相続の関係で、九州の枕崎や関西に行ったり、英語、韓国語の勉強など

忙しい日々が続き、ブログ更新が間延びしています。 それでも、先週は

国立国際美術館(大阪)の森村泰昌展を見たり、アートは楽しんでいます。

 

それでは、村上隆のスーパーフラット展 の続きです。

 

 

 

胸の部分の年輪をうまく利用した彫りが面白い!

 

 

 

秀吉が部下に細かい指示を出した消息文。 村上隆もアート集団の会社を運営する経営者として、トップの姿勢のあり方を学んだとのこと。

 

 

 

田中一村の絵画。  ガラスの反射が避けられず、見にくくてすみません。

 

 

部分を撮影。   一村はそれほど興味はなかったのですが、この作品はいい。

   

 

 

村上の目線は幅広い。

 

 

 

陶磁器類 

熊川茶碗 銘 花雫   

 高麗茶碗は種類が多く、古来の茶人が侘びの美を見出して所有した。  そうした茶碗には粋な銘がついたものが多い。

 

 

 

日本の唐津ですが、熊川ふう。

 

 

 

 

 

 

 

 

古九谷は、似たものを東京国立博物館でも見ました。

 

         

 

 

 形や表面の凹凸がいい。

 

 

 

船徳利、船の上でも使えるよう、安定したデザイン。  この上なく実用的なデザインで、それに古びた味が加わって、面白い。

  

 

 

 

新品では、それほど価値はないと思いますが、年代を経たこの味に、骨董価値がつくのですね

  

 

 

薩摩焼も

 

 

 

 

 

 

 スリップウェアという陶器は、初めて聞いたのですがスリップという泥漿(水と粘土を適度な濃度に混ぜたもの)状の化粧土で装飾する方法なんですね。

英国が有名ですが、世界各地に古くからある技法とか。

 

 

 

 展示もたくさんありました。 素朴な感じです。

 

 

日本・用・美の出口あたり。

 

 

 美食家、料理人、陶芸家など多才な北大路魯山人の作。 個性はあります。 使うときに、けれんみを飲み込めるかどうか?

 

 

 

 

これは使える。

 

 

 

中国の染付磁器に倣って作られたデルフト焼き。 錫釉薬で磁器ふうに見せているので、剥がれた部分に地肌が見えます。

    

 

 

金繕いの入った宋時代の白磁。 

 

 

 

 

近年の、日本の大家の志野茶碗、2品。

        

 

 

魯山人の志野ジョッキ。  面白い雰囲気はあるのですが、格調・気品といったものはない。

 

 

 

 

魯山人の織部ですが、この皿に合う料理は難しそう。

 

 

 

 

面白い

 

 

 

李朝時代にもポップなデザインをする人がいたんだ。

 

 

 

 

質実剛健そのもの

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雑巾です。  

 

 

 

いろんな骨董品を収集しています。  倉庫にはまだ山ほどあるのでしょうが、一応満腹。

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村上隆のスーパーフラット・コレクション展から #4 日本・用・美 その1

2016年04月10日 | アート 各分野

骨董品を中心とした展示室。  入った時、東京国立博物館の古代作品を

展示した部屋かと見まがうほどでした。

現代アートと古美術が一度に見れるのは、韓国では三星美術館Leeum

日本でも,昨年の杉本博司の味占郷展(千葉市美術館)がそうでした。 

 

 

 

入口には瀬戸狛犬がお出迎え。 骨董的価値は分かりませんが、狛犬の表情が面白い。

 

 

 

曽我蕭白の屏風。 村上の眼で選んだもので、確かに面白い

この三人は、新古今和歌集秋歌上の中の結句が「秋の夕暮」の三首並んだ、西行、定家と寂蓮。(ウィキペディアを参照しました)

 
(さびしさはその色としもなかりけり まき立つ山の秋の夕暮)  『新古今和歌集』巻四 秋上 361 寂連

  

 

  

 

 

 

 

 

 

 

一転、中国の俑、

東京国立博物館・東洋館の俑の素晴らしい作品を思い出します。 

今回展示された俑は、ミロのヴィーナスのように腕が切断されています。

盗掘されてから、長い年月のなかで、邪魔なものとして切断されたのでしょう。

 

 

俑の顔貌に、精神性とか独特の深味を感じます。

 

 

 

穀物倉庫も、少し傾いていますが味があります。

 

 

 

手に手綱か槍かを持っているポーズですね、力感はありつつ簡潔な造形。

 

 

 

村上隆が骨董品をコレクションするきっかけになった品がこれ。

北大路魯山人旧蔵のもので高値で買って、茶道の友人に見てもらったところ、高すぎ!と散々にたしなめられたとのこと。

確かに、一見はわびさびの風情がありそうですが、呼続(よびつぎ:壊れた陶器を別の部材でつなぎ合わせる)もわざとらしさを感じます。

骨董の世界は、そう簡単ではないようです。

 

 

 

村上隆は悔しくて、老舗の骨董屋に通い詰め、やっと売ってもらったのが、こちらの鼠志野茶碗

 

 

 

 

縄文土器や弥生土器、アート感覚のある土器が選ばれている。

 

 

 

  

 

 

 

常滑焼も年月の経過が、貴重な味となっている。

 

 

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特別展「バロン住友の美的生活Ⅰ 邸宅美術館の夢」 Web内覧会に行って

2016年02月29日 | アート 各分野

2016年2月25日(木)特別展「バロン住友の美的生活Ⅰ 邸宅美術館の夢」 Web内覧会に行ってきました。

泉屋博古館分館は、こじんまりした展示場ですが、内容は面白い! 青銅器が圧巻でした。

住友吉左衛門(号春翠)は住友財閥の十五代当主。 三井や三菱など、当時の財閥当主は美術品などの文化財のコレクションが凄い。

 

2部構成だ開催され、その第一部になります。  内容は次のリーフレットで。

 

 

第二部は6月から

 

 展示の撮影は可能でしたが、作品の一点撮りは不可なため、作品群として撮っています。

 分館長や泉屋博古館 学芸課長がギャラリートークを行ったテーブルの後ろに須磨別邸の写真パネル

 

 

 

 

邸宅と美術品、この企画展はそこに着目して構成されていました。 コレクションだけの鑑賞ではなく、時代、環境もわかり、面白い。 

 

 

 

 

 

 

 

須磨別邸、室内の様子。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

面白いデザイン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内国勧業博覧会が明治36年(1903年)大阪天王寺で開かれ、そのとき以来、日本の工芸品もコレクションとなった。
手前の初代宮川香山作の青華鳳凰形花生は、横浜美術館のコレクション展でも見ました。 春翠も初代宮川香山の作品がお気に入りだった。

 

 

 

圧巻の青銅器から

青銅器コーナ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 左側は夔神鼓(きじんこ)と呼ばれる青銅器の名品。  商時代後期(前12~11世紀)

 

 

 夔神鼓(きじんこ) 全体に3~5mmの厚さで、当時の鋳造技術の高さに舌を巻きます。

 

 

 

 

 

 左の《戈卣(かゆう)》 商時代後期(前12~11世紀)  ミミズクの背中合わせデザインが面白い。 

 

 

 

少し近づいて。  丸く、柔らかい造形が可愛らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これも博古館が誇る名品 《虎卣(こゆう)》 商時代後期(前11世紀)

虎が人間を抱いた形が面白い。  本写真は本展図録からスキャンしたもの。

 

後ろからの写真。

 

 

 

右側は《偁缶簋(しょうふき)》 西周時代前期(前11世紀)

 

 

 

 近づいてトリミングしたもの。 形は平凡に見えるが力強い。 何より、古色の色合いがいい。

 

 

 

 

これだけの青銅器コレクション、世界に誇れるといっても過言ではない。

財閥のお金の力もあったが、春翠の審美眼も確かなものだったと思います。

青銅器コレクションは、普段、京都の泉屋博古館で展示されているそうで、門外不出だったとか。

今回、これだけのものが東京で見れるのは、本当にラッキー!

 

 

 

最後に、映像。  英国王子を須磨別邸で 、歓待したときのもの(地引網)

 

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いけばな 国宝「松林図屏」 十二神将立像ほか 東京国立博物館に初詣#2 

2016年01月24日 | アート 各分野

 正月のいけばなも楽しみのひとつ。 ここ2年ほどは、草月流の生け花でしたが、今年は真生流の家元作品に戻りました。

花の影もグッド。

 

 

 

 

 

 

 

 

このところ、正月の定番になった国宝《松林図屏風》

2日は人出が多く、まともには見れません。

 

 

 

 

 

 

 

で、1月10日に再度、訪れたときの写真がこちら。

 

 

タイミングをみて、全幅も撮れました。

 

 

昨年、一昨年とみているのですが、見るたびに印象が良くなってきています。 会を重ねるごとに、細かいところまで、じっと見れるからでしょう。

 

 

 

 

 

 

部分の拡大です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リズミックでありながら、鋭い気を放ち、部分だけみると抽象画。  まさに国宝にふさわしい。

 

 

十二神将立像は、いままで撮影不可だったのですが今回は不可マークがありませんでした。

この立像は、本体もいいのですが、壁に映る影も面白いと思っていて、撮ってみたかった彫刻群です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1階バルコニー横の休憩コーナ。 ここの内装もシックでいいところです。 椅子がクラシックなものに変わっています。

 

 

 

最後は、獅子舞。   東都葛西囃子中村社中の皆さん、舞台公演が終わって、館内を練りまわっています。 ここはミュージアムショップ。

 

 

 

 

 

 

外人の方も多く、子供達も驚いたり喜んだり。

 

 

 

 

このショットは、1月2日、博物館を去る間際で、14時13分頃。 もう、陽は傾きかけています。

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町田市国際版画美術館「ベスト・セレクション」展、静嘉堂文庫美術館「金銀の系譜」展

2015年11月08日 | アート 各分野

10月31日(土)の美術館行脚の展示案内です。

① 町田市立国際版画美術館のリニューアルオープン「ベスト・セレクション」
② 静嘉堂文庫美術館のリニューアルオープン「金銀の系譜」

まず、 町田市立国際版画美術館のリーフレットを

 

 リーフレットのとおり、有名作品が並んでいますが、私にとっては、逆に印象が散漫になったかな。

同時開催の恩地孝四郎も、これっといった作品はなく、リニューアルもどこを直したのかわからず、?で会場を後にしました。

 

 

【静嘉堂文庫美術館も、リニューアルオープンで「金銀の系譜」展】

 私は、静嘉堂文庫美術館は初めてでした。

入ってすぐの広間に、曜変天目の茶碗が二つ、ガラスケースに展示されていましたが、館内は

撮影禁止のため、Webサイトから引用しました。

 
国宝 曜変天目茶碗(稲葉天目) 建窯  宋時代(12~13世紀)

 8月に藤田美術館が所蔵する曜変天目茶碗を見ました。(サントリー美術館「国宝曜変天目茶碗と日本の美」展)

静嘉堂の茶碗はハッキリくっきりで、茶碗もしっかりとしたつくり、藤田美術館の茶碗は、静謐な雰囲気で、茶碗

も華奢な印象でした。

 

こちらは、油滴天目です。 虹色に輝く反射はありませんが、形が優美。

  
油滴天目茶碗  建窯  南宋時代(12~13世紀)

 

 さて、俵屋宗達の 国宝《源氏物語関屋・澪標図屏風》を背景にした、リーフレットが豪華でした。

 

 

 澪標と関屋の図も、光源氏がかって縁を結んだ明石の君と空蝉に偶然、出合う場面を描いている。

この図では明石の君は右上の舟の中にいて、身分の差を恥じて引き返そうとしている。 源氏は牛車の中。

 

国宝 俵屋宗達「源氏物語関屋・澪標図屏風」江戸時代・17世紀


 

 

 関屋の図では、源氏は右側の牛車、空蝉は左側の牛車にいる。 空蝉は後に出家、明石の君は後に皇太后宮の母となる。

絵としては、牛の動きの捉え方や、個々のモチーフの丁寧な描きこみ、全体配置の巧みさなど、じっと見ているとその素晴らしさがわかります。

 

 

 展示では、琳派の扱いに比重があり、光悦や光琳、そして酒井抱一の作品や小品にスポットがあたっています。

 

 でも、そちらは、あまり興味がなかったので、省略します。

 

 なお、光琳の蒔絵硯箱は、11月25日からの後期に展示予定とのことで見れませんでしたが

概要をWebサイトから紹介します。 

見どころ2:重文 尾形光琳「住之江蒔絵硯箱」 修理後初公開!!(全期間展示)

蓋甲が山形に盛り上がった斬新な器形の硯箱。波濤と岩塊の意匠に『古今和歌集』巻十二藤原敏行の歌が配されています。光琳自筆の箱書から、本阿弥光悦の蒔絵硯箱を写したものとわかります。光悦の特色をよく受け継ぎながらも独自の創意を加えた本作は、光琳蒔絵の頂点を示すものの一つといえます。
制作から約300年を経て金属の劣化がすすみ、今回、錆の除去と腐食防止を目的とした修理を行いました。

 

     

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