光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

これからの美術館事典 #3 東京国立近代美術館(2015.6.28)

2015年08月24日 | アート 各分野

LIGHTの項目の最後はモネ。  ここまで、光が溢れていると、ウーンです。

 

 

 

 

 

 

ニューヨーク近代美術館の入場料が25ドル、MOMATの4倍ほどの入場料。 国等からの交付金がないなか、よくやっている。  

日本の国立美術館や博物館の入場料が安いのは、国からの交付金が大きい。  ルーブルも同じ。

 

 

 

 

 

小倉遊亀  小女  1956年  紙本彩色 146.5 x 113

 

甲斐庄楠音  裸婦 1921年頃 絹本着色 64.0 x 60.0

 

丸岡比呂史  母と子 1920年 絹本着色 101×101.5

 

 

 

安井曽太郎 ポーズせるモデル 1931年 油彩・キャンバス 81.0 x 65.3

 

パブロ・ピカソ 横たわる女 1960年 油彩・キャンバス 60.0 x 73.2

 

 

 

アントン・ヘニング 無題(ピンナップ)2005年 油彩・キャンバス 125.5 x 157

 

 

 

 

 

 

 

マルセル・デュシャン  「泉」

 

 

 

 

マルセル・デュシャン  「瓶乾燥機」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

片岡球子展を終え、片づけられようとする説明板など

 

 

この展示会の作品の梱包箱。

 

ちょっと変わった視線でみる美術展、実に面白い。

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これからの美術館事典 #2 東京国立近代美術館(2015.6.28)

2015年08月23日 | アート 各分野

 

 

 

 

 

 服の部分だけ、凄いひび割れ。 ひび割れも模様として見ればいいのですが、やはり、ひどいところもあるので修復やむなし。

   

 

 

Earthquake 【地震】      キャプション撮り忘れ

 

 米田知子の写真はタイトルないしキャプションがないと意味合いはわかりません。  しかし、一旦、意味合いがわかると、脳の中でいろんな思いが錯綜し
不思議な情感を醸す。

 

また、写真はたぶん大判フィルムを使っているのでしょう。 独特の少し色褪せた感じが、ムーディ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロダンの「カレーの市民」が中央に見えます。  市役所の建物もいいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

国立西洋美術館の「カレーの市民」は、私も撮っています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

額のなかに窓がありました。

 

 

 

額よりも絵ですが、やはり、額も気になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

触ったか、どうか記憶にない

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このコーナの光景

 

 

振り返ってみた光景

 

 

 

あえて望遠ズームで撮ったルノワールの絵。  照明とうまく合いました。

  

 

この絵の照明は上からLEDでしょうか、強力です。

 

 

こちらも難しい露出でしたが、強めのアンダーで撮影。 親愛なるマーゴねー。

  

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これからの美術館事典 #1 東京国立近代美術館(2015.6.28)

2015年08月22日 | アート 各分野

企画展の正式名称は

No Museum, No Life?―これからの美術館事典
国立美術館コレクションによる展覧会

わかりづらいですね。

美術館そのものをテーマにAからZまでの36個のキーワードで

事典風に構成したものです。

 早速、Aから

 

 IMITATIONやCOPYといった延べ棒もあります。

 

 

  

 

 

 

企画展内は、細かくパーテーションで区切られていて、ときおり、窓から違うブロックの作品が見えます。

 

 

 

 

 

 

 

マルセル・デュシャンが現代美術の新たな潮流をつくったのは間違いない。  確かに面白い。 

 

 

 

 

 

私は、藤田嗣治の絵が嫌いだ・・・とかなり前にブログで書いた

だが、最近、なかなか面白いところもある・・・と思い始めていたら、この絵。

水墨画と洒落たいでたちの藤田の自画像。 才知と絵の力は感じます。

 

 

ゴヤの版画集として、国立西洋美術館で見た一枚です。 圧倒的な迫力のゴヤの版画に脱帽でした。

 

 

ピカソも中高年の時期ですね。 ストーブの力強い造形とピカソの強い眼差しがいい。

 

森村泰昌。 凝ったシチュエーションです・ 左側の森村の姿が、寸詰まりに見えるのは衣服の関係だろうか?

 

 

 

植田調と呼ばれる、個性的な写真で有名です。  中央奥が、植田氏本人かな。

 

 

  

顔の描写がさすが。

 

 

 

美術館が期待するような、無垢で理想的な「観者」は、その意味では存在しえない

 

 

 

 

この作品の意味合いはわかりません。アラブの老兵、自動小銃 戸惑いはあります。

   

 

 

ビデオから井戸端会議のようなタイの農民の方々の話し声が聞こえます。 
名画とかそんなことは関係なく、自分達と同じような農作業をする絵に、仲間のような感じで、おしゃべりをしています。
ニコッとなるようなビデオです。

 

 

 

 

 

国立美術館5館の所蔵品が約4万2千点(国立新美術館のコレクションはゼロ。)

意外と少ないですね。(ニューヨーク近代美術館が約15万点)

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MOMATコレクション 誰がためにたたかう? 東京国立近代美術館(2015.6.28) 

2015年08月19日 | アート 各分野

6月28日(日)に行った東京国立近代美術館

企画展は
■ No Museum, No Life?―これからの美術館事典  2015.6.16 - 9.13

面白いのですが、写真とキャプションで150枚ほどになるので

先に、所蔵作品展 (2015.5.26 - 9.13 )

MOMAT コレクション
特集: 誰がためにたたかう?

を紹介します。

この日は快晴。  眺めの良い部屋から、平川濠、丸の内のビル群を撮ってみました。

 

 

乾濠方向

 

 

東京国立近代美術館(略称:MOMAT) エントランスホールのガラス窓から

 

 

前庭のモニュメント

 

 

MOMATコレクションは4Fのハイライトコーナーから始まり、素晴らしい作品があります。 今回、一番、印象的だった3FのNo9室

「静聴せよ!」から

 

 

9. 静聴せよ!  ビデオ放映です。

 

 

 

この光景は、どこだろう?

 

 

もう45年前の事件。  森村が作品化したのは2006年です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静聴せよといっているのがわからんのか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンボケですみません。  最後は、背後からショットでだんだん上に上がっていきます。

 

 

 

 

森村泰昌の、絵画や写真でその人になりきっている作品は多く見るのですが

こうした事件の主人公に扮するのは初めてで驚きました。

 

次の10室は日本画のコーナ

 

 

 

この展示コーナの雰囲気が好きです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11室 農民は戦った

ケーテ・コルヴィッツの版画や、草間彌生の大作など見応え十分。

 

 

今回のMOMATコレクション展、森村泰昌の「静聴せよ!」が強く印象に残りました。

 

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ソウルにて  三星美術館Leeum

2015年05月11日 | アート 各分野

4月25日(土)夜のフライトでソウルへ

空港の入国審査が大混雑で、1時間半ほど並んだのには閉口。

何でも、土曜日は労働者のストライキがしょっちゅうとのこと。

泊まったホテルでも、翌日、ホテルの前で不当解雇を糾弾する

垂れ幕が張られ、労働歌が流れていて、労組活動が激しいことが

垣間見れた。

さて、朝食は女性軍お勧めのおかゆ。  なにせ、ソウルはご常連なので

おおせに従う。

アワビが入ったお粥。 800円ぐらいだった。  周りのお客も日本人が多い。

右上は餃子、韓国風の仕上げで、日本の王将餃子のような風味とは違うが、これはこれでおいしい。

 

 

朝食帰りに、撮った明洞(みょんどん)の通り。 日曜日なので通勤する人はほとんどいない。 夜はソウル有数の繁華街なので、ネオンが輝く。

 

 

さて、女性軍はショッピング、男性軍も各自、目的地にいくことに。 

私はもちろん、美術館や博物館。 事前に調べていた、三星美術館Leeumにタクシーで。

全景写真ですが、レンガの建物が古美術品、右の黒い建物が現代美術の展示棟で、左の建物は企画展や教育棟になります。

いずれも、3人の海外有名建築家の手になる建物で、デザインに統一感がないのはこのためでしょう。

 

 

 

展示室はごく一部を除いて撮影禁止でしたので、リーフレットや、美術館の公式Webサイトから転載させていただきました。

まず古美術棟から

リーフレットの写真では、感じられないかもしれませんが、素晴らしい展示環境です。

ガラスケースには反射が写らず、暗い部屋に展示品が、宝石のように浮き出る照明。  さすがは三星。

 

 

 

4階青磁フロアのトップはこの青磁、素晴らしい。 完璧といっていいくらい整っている。

 
青磁半陽刻牡丹文長頚瓶
高麗、12世紀, 粘土
高33.5 口徑2.9 底徑9.7cm

 

3階粉青沙器/白磁のフロアでは魚文の壺に見とれました。 東京国立博物館・東洋館でも見ますが、これほど

精緻かつ大胆なデザインのものは初めてでした。

 
粉青沙器鉄絵魚文壷
朝鮮 15-16世紀
粘土
高27.7cm
宝物787号

 

3階の展示環境

 

 2階は古書画、1階は仏教美術/金属工芸の展示フロアですが省略。

地階にまたがって、唯一の撮影OK作品 

 《重力の階段》  オラファー・エリアソン デンマーク
 2014 アルミニウム、黄銅、ステンレススティール、LED照明、ミラーホイル、カラーフィルタホイル、変圧器

 太陽系を光の輪で形象化した作品とか。

 

今度は、現代美術の展示棟です。

 

 

上の作品をもう少し鮮明に

 
ロニ・ホーン
((Roni Horn, 1955~ ))
十個の流動的出来事 2010
45.7 x 86.4~91.4 x 86.4cm

 

素晴らしいと思ったのはゲルハルト・リヒター、写真の技術を使って、面白く惹かれる作品になっていました。

 
ゲルハルト・リヒター
((Gerhard Richter, 1932~ ))

  • 925-4 ストライプ
  • 2012
    デジタルプリント
    300 x 300cm

 

次の作品は、数百枚にも及ぶ、実際のモデルの写真表皮を着た'写真―彫刻'
展示室の壁を背に座っている姿は、この部屋に入った瞬間、ドキッとします。

權五祥, (クォン・オサン)
(1974~)

  • ビビディ
  • 2009, C-プリント
    84x141x66cm

 

次の作品は今年、水戸芸術館でもみた鄭然斗 (チョン・ヨンドゥ)の作品
生活や旅で出会った20数名の平凡な人々が心に抱いている、叶えてない夢の話を聞いて、その場所と小道具と衣裳を揃え、
その夢が叶えたときの姿を演じさせる。

鄭然斗 (チョン・ヨンドゥ)
(1969~)

  • 奥様は魔女
  • 2001, ビデオ

 

企画展も見ましたが、こちらはパス。

 

2階から、玄関側を見たもの。

 

 

古美術展示棟のまわりは、つつじが満開でした。

 

 

そのつつじをアップで。

 

 

玄関を外から。 若い女性のグループは美術館からの帰り。  入場者は、ほとんどが若い人だった。 日本の美術館、博物館は中高年が多いのですが

韓国は、若い人のアート熱が高いようだ。

 

 

美術館をでて、道がよくわからないので、途中の観光案内所(鉛筆で二重丸したところ)で日本語のこの地図リーフレットをもらい、地下鉄へ。 

途中で乗換があり、出口がわからなくて、困っていたら地元の方が親切に教えてくれました。 親切な街です。 次は左下の国立中央博物館です。

この付近、南山の山麓近くで緑も多く、大使館が建ち並んでいます。

 

 

途中の世界料理通りでスナップ。  確かに外人が多い。

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大英博物館展ナイト その3

2015年04月30日 | アート 各分野

南アメリカの古文明の壺となっていますが、土偶といったほうが近い。

日本でも、埴輪などがつくられた時期だ。 

ただ、1000年以上の歳月が過ぎているのに、この土偶、新品のような感じ。

 

 

小さいけど、表情やポーズなど、しっかりとつくられている。

 

 

  同じく南アメリカの左:悪霊 と右:不浄の女神。 キャプションを読んで、ウ~ン 

                             

 

 

 年代別に作品を整理したパネルを紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

順序が逆ですが、展示場入口のエジプトのミイラの棺と、都美術館が選んだプロローグ作品を

 

 

 

プロローグは現代ガーナの棺(模型)。  以前、国立新美術館で開催された「イメージの力」展で同様なものをみましたので、今は驚きませんが。

 

 

 

エピローグは、都美術館が選んだ現代の作品。

  

 

 都美術館の風景なども紹介します。 企画展示場の出口で

 

 

エスカレータを降りていきます。

 

 

 

 

 

 

地下ロビーから

 

 

モニュメントの大きなミラーボールに映った光景

 

夜の上野公園の木々。  

 12

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大英博物館展ナイト その2

2015年04月29日 | アート 各分野

大英博物館展ナイト の2回目

アフリカ、ナイジェリアのベニン王国での作品(1500年代) 前回のイフェの頭像といい、アフリカの作品は訴求力が強い。

  

 

 

 

 

 

 

日本の柿右衛門の陶器。  象は見たことないはずですけど、タイなどの装飾をまとった象の置物を見て作ったのでしょう。

 

                               お尻も可愛い。

 

 

 

 

陶器では、イズニク陶器も見応えがありました。

  

 

 

 

展示上入口に大英博物館展の記念写真コーナがあるのですが、そこに飾られているチェス駒(レプリカ)のもとがこれです。

ルイス島のチェス駒
セイウチの牙、クジラの歯
1150-1200年 イギリス・ルイス島、おそらくノルウェーで制作

 

 

記念撮影コーナ

 

 

 

このイコンは、色合いが強烈でした。

 

 

 

先ほどの柿右衛門の象も、このサイも、実物を見たことがない作家が想像をしながら描いたもの、それがリアルさを超え、面白い表現になった。

 

 

 

近代の作品で、ガラスの水差し。   アールデコの美しいガラス作品を以前にも見ましたが、やはりいい。

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大英博物館展ナイト その1

2015年04月27日 | アート 各分野

東京都美術館で開催中の「大英博物館展」のブロガー招待(4月18日(土)夜)に行ってきました。

 

構成は次の8章からなっています。

順に紹介しようとも思ったのですが、数が多いので、強く印象に残った作品

を紹介します。 なお、会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

 

 まず、イフェの頭像。   素晴らしい。 アート作品としても完成された美しさがあります。

 

 

 

 

 

 

 

胸像で初代ローマ皇帝 アウグストゥス

  

 

 

 

 

 中学校時代に美術か歴史の教科書に載っていて、見たいなと思っていた「アッシリアの戦士のレリーフ」

やっと実現、やはり素晴らしい。

 

 

 

 

日本の縄文式土器を水差しに変えたアート作品

 

 

 

メソポタミア文明のシュメール人の都市「ウル」、その王家の墓からの出土品。  これも美しい作品

 

 

 

 

 

 

 

 

今、この記事を韓国ソウルで書いています。 4月25日夜にソウルに着いて明日は帰ります。

こちらでも、中央博物館等の写真を撮りましたので、また紹介したいと思います。

 

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東京国立博物館(2015.4.4) 竹花生ほか

2015年04月10日 | アート 各分野

 茶道具の展示コーナから 

金森宗和は、本名は重近、飛騨高山藩主の長男だったが、廃嫡となり、京都で茶道に専念した方。

陶工の野々村仁清を見出したことでも知られる。

 

 

 

その仁清作の茶碗。  穏やかななかに、味を感じる作品。

 

 

 

 

分間延絵図は、江戸幕府が道中奉行に命じて作った街道絵図。  五街道とその支道を含んだもので全体で重要文化財になっています。

当時の街道沿いの街並みがうかがわれ、面白い資料です。

 

 

 

 

古写真も、面白い。

 

 

 

神戸の布引の滝。  断崖沿いに小屋が設けられ、観光名所の造作の趣は今と変わらない。

 

 神戸の外国人居留地でしょうか。 新興建売住宅街の感じ。

 

 

下の兵隊が写っている写真はキャプションは「大阪造幣寮」ですが、写真右上に築地海軍省と書かれてあり、?

 

 

 

 神戸開港の頃は、こんな松も残っていたんだ。

 

 

 

江戸幕府時代のアイヌとの交歓交易儀礼の絵図。 ヘー

 

 

 

近代美術のコーナから、木島桜国は久し振りです

 

 

 

朧月に照らされる桜の繊細なこと。

 

 

 

好きな初代宮川香山の作品。  世界博に出品された大きな瓶です。

  

 

 

萩原守衛の作品「戸張狐雁氏像」は初めて。 

 

 

 

色合いのいい花瓶です。

 

 

 

反対側から会場風景も一緒に。

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東京国立近代美術館(2015.3.7) その3 山本豊市、上村松園、小倉遊亀、草間彌生など 

2015年03月30日 | アート 各分野

第6室、7室は省略(6. 北脇昇 混乱と秩序のはざまで、7. 蝶は飛びさる、猫はじゃれあう)

第8室は「8. 芸術は、爆発だ!」で、公式Webサイトから以下に引用。

”岡本太郎のこの言葉をご存知の方も多いでしょう。このフレーズ自体は、1981年に放映されたテレビCMにおけるものです。けれどもその精神は、彼の初期の活動から通底しています。彼は「爆発」という言葉に破壊的な意味よりも、因習的なものを否定し、精神を解放させるといった意図を託していました。言い換えれば、当たり前なものと思われているルールを疑問視し、見る人の価値観を揺るがすことを目指していたのです。このこと自体は、彼の作品だけの専売特許ではありません。たとえばピカソやルソーの絵画を吸収し、日本画に援用しようとした加山又造、制作の身振りと絵具の物質性の一致によって、絵画空間の刷新を目指すアンフォルメル運動に身を投じた堂本尚郎や今井俊満などによる、1950年代から60年代にかけて作られた作品を、この部屋ではご紹介します。更に彫刻家・山本豊市の素描も展示します。1Fの企画展ギャラリーで取り上げられている片岡球子は、ものの量塊を捉える訓練として、1950年代に山本にデッサンを学びました。自らの限界を超えるため、別ジャンルの達成点を取り入れようとしたのでした。”

山本豊市のドローイングです。  量感が素晴らしい。

 

 

 

 

その山本に学んだ片岡球子の作品「ポーズ3」 この作品は第10室の女性・日本画家のコーナで展示されていますが、ここで紹介。

 

 

 

 

 

 

吉岡堅二の作品も展示されていました。  従来の日本画の殻を打ち破ろうとした息吹きがあります。

 

 

会場光景

 

 

第9室は「9. 植物・植生への眼差し」  ここでは写真が主役でした。 

 

 

 

 

第10室は「 女性・日本画家」

公式Webサイトからの引用

”一階の「片岡球子展」(4月7日-5月17日)にちなみ、一部を除いて、女性の日本画家による作品を紹介します。作品選択の条件はこうです。①画家が故人であること、②晩年まで制作を続けたこと、③近い時期に展示や他館への貸出がないこと、④作品の状態に問題がないこと。つまりかなり機械的に作品を抽出したのですが、ご覧のとおり、婦人、子供、母子、花といった主題の作品ばかりが並ぶことになりました。こうした画題の偏りはジェンダーの視点からすれば由々しき事態でしょう。「女らしさ」を求める社会の圧力が、女性画家を特定の画題に向かわせたとも考えられるからです。当館のコレクションが国家の評価、すなわち文部省買い上げ作品を基盤とすることも、問題をさらに深刻にするかもしれません。
 「芸術の目標とするところは所詮個性的であると云ふ事だ。女でなくては感じ得られないこまやかさしとやかさやはやはしさ、扨は繊細な尖鋭や周到な注意、其他[略]先づ自らを知り自らに忠実な事が、総ての道同様第一でなければならぬ」(神埼憲一「閨秀作家の道」、『塔影』12巻3号、1936年3月)。”

 

 

 

以前にも紹介した上村松園の「母子」 やはり素晴らしい。

 

 

 

望遠レンズで部分拡大

 

 

眼の描き方が、昔の美人画と違いますね。。

 

 

 

会場光景

 

 

男性の画家だと、こういう題材には興味がない…かな。

 

 

 

キャプションでうまく説明しています。

 

 

 

 

 

タイトル、蝋燭や背景のイコン風の絵など、?となるのですが、教会に礼拝に来たのでしょうか。 実に健康的、ただ植物の葉に刺すような棘を感じます。

 

 

 

梶原緋佐子は初めて名前を聞く方です。 この絵は、完成度も高い美人画ですが、転向前の作品をWebで見ると

社会派の視線で女性を描いていて、作品のアートとしての興味は、転向前に軍配。

 

 

 

この展示室は実に快適です。

 

 

題11,12室です。  以下、公式Webサイトの引用です。

”11. 「絵は下手でなくてはならない」

一階で企画展が開催中(4月7日-5月17日)の片岡球子(1905-2008)は、大学で教えていたとき、「絵は下手でなくてはならない」と語っていたと言います。想像するにその意図は、上手であることを見せようとしているうちはダメ、そうした地点を乗り越えて、他人からはともすれば下手に見えてしまうかもしれないような独自の線、形、色彩、構図、内容を獲得しなければならない、ということだったのではないでしょうか。ここではそうした観点から「下手な」作品を選んでみました。自宅から見える風景を描き続けた小松均、幻覚や抑圧に基づき揺れ動くような水玉や網目を取り入れた草間彌生、子供や精神障害者の作品に興味を持ち続けたジャン・デュビュッフェ、異色の画僧として知られた岩崎巴人、彼らの作品を前にすると、「下手」の境地にこそむしろ広がりがあることがわかるでしょう。また、本画とは異なる遊びを感じさせる山辰雄の素描も見所です。

12. すべての事物が腐蝕し、崩壊していくこの巨大なガラクタ置場のなかで”

荒川修作の作品は写真ではわかりにくいと思います。

 

部分拡大

 

 

草間彌生の作品はやはり凄い。  ガラスの反射で見ずらいのですが、色と形が生み出すエネルギーとリズムに酔います。

 

 

 

最後に、癒しを感じる彫像で閉めに。

 

 

以上、MOMAT本館の展示の企画や解説は、保坂健二郎さんではないでしょうか。

「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である」展でも、コレクターの視点や

絵画の経済的価値など、実に面白い企画と語り口でした。

丁度、MOMATコレクションが始まった3月7日に行ったのですが、会期は5月17日

までです。  おすすめです。

 

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東京国立近代美術館(2015.3.7) その2 萬鉄五郎、版画、安井曾太郎、梅原隆三郎、長谷川利行

2015年03月29日 | アート 各分野

第3室は 「3.萬鉄五郎魂」と題して萬鉄五郎の特集が組まれていました。

 《裸体美人》が展示されていたのですが、萬の作品は好きではありません。

 

で、風景を描いた絵コンテ
木をグニュグニュと描いた感性は、個性といえば個性ですが、狂気を感じます。

 

 

 

この風景画もそうですね。 画調も暗く、不気味な感じ。

 

 

 

 

見どころをMOMATの公式Webサイトから、引用

”見どころの一つは、三つの裸体像の変化です。鼻の穴と脇毛が強烈な《裸体美人》は、日本で最初期にファン・ゴッホらの影響を示した作例とされます。5年後の《もたれて立つ人》では作風が一変、ロボットのような裸体が描かれます。ピカソ、ブラックらによる「キュビスム」の影響を表した、これも日本最初期の作例といわれます。最後の《裸婦(ほお杖の人)》は、裸の女性が島田髷を結って金屏風の前に座る、という人を食った設定です。きれいな黒い目を持ち、一見もの静かだったという萬。実は次々と画風を変え、人々の予想を裏切り続ける反逆の魂をたぎらせていたのです。”

 

人物の背景だけ見れば、それなりの絵なのですが、裸婦の描き方が強烈で私の感性には合わない。

 

 

 

版画になると、少し柔らかくなりますが、ぎくしゃく感は感じます。

 

 

 

第4室は「富士山」がテーマ。

川瀬巴水の作品は、東博近代美術館、千葉市美術館などで多く見ています。
その印象からいうと、本作品の富士山は無いほうがいいぐらいで、手前の景色が美しい。

 

 

 

清里高原あたりからでしょうか、こんなふうに富士山が見えます。 寒い冬の景色ですが、なぜか温かい印象の作品。

 

 

 

 

恩地孝四郎も好きな版画家です。 でもこの作品は、完成度が低いと思います。

 

 

 

 

第5室は「5. 並べてみれば 梅原・安井・利行」

 

有名画家たちですが、企画の趣旨を、東近美の公式Webサイト
から引用します。

”梅原龍三郎(1888-1986)、安井曽太郎(1888-1955)、長谷川利行(1891-1940)。日本のある世代にはよく知られた画家たちです。でも、それだけに、先入観が生れている可能性もあります。そこでここでは、作品を「並置」してみることで、それぞれの画家の特質を改めて浮かび上がらせたいと思います。
 たとえば安井と梅原によるチャイナドレスの女性像。見比べると、安井が身体を手掛かりにしつつ複雑な空間表現に挑戦しているのに対して、梅原の場合は、人物の性格の描写に集中していることがわかります。安井の風景画を並べると、画肌や奥行きの表現に変化がある一方で、視界をわずかに遮る樹木を手前に置く点では共通していることがわかります。梅原による人物画では、最初は「〇〇風」と呼びたくなる作品だったのが、戦後あたりで独自の様式を獲得したことが一目瞭然です。そして利行。彼の場合は、年によって変化するというよりは、むしろ対象にあわせて筆触を変えているように見えてこないでしょうか。”

どぎつい色だなと思ってキャプションを見ると安井曾太郎、こんな色使いをした作品もあるんだ。

 

 

 

たしかに「〇〇風」ですね

 

 

 

安井にしろ「〇〇風」といえば、言えるのですが、一つの作品としてみたとき、ぐっとくるものがあります。

 

 

 

梅原の作品も個性を持ってきた時代ですね。

 

 

 

長谷川利行は放蕩的生活を送り、凄い速筆だった…云々の評伝があります。

絵としてみると、ゴッホのタッチを淡白に荒削りしたようなスピード感があります。

 

 

 

この絵には、少し時間をかけて描いた部分と、ぶっ飛ばした部分があるのですが、面白い作品になっています。

 

 

会場風景                                                    

 

 

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東京国立近代美術館(2015.3.7) その1 川合玉堂から岸田劉生、佐伯祐三

2015年03月28日 | アート 各分野

2015年3月7日(土)午後は東京国立近代美術館の常設展を楽しみました。

ここ数年の展示の流れ(時代の世相と芸術の関わり)が変わって、面白い企画が並んでいました。

これだけの規模の美術館ですから、常設展が充実しているのは、当然かもしれません。

4階ハイライトコーナから

川合玉堂 《行く春》  以前も紹介していますが、展示環境が向上しています。 

 

右隻の部分拡大

 

左隻の部分拡大

 

 

ハイライトコーナは、重要文化財などが展示されている近代美術館の目玉コーナなのですが、何回も通っている私には、いつも同じ作品ばかりで、退屈なコーナ
なのです。  でもたまに展示環境が変わる場合があり、この荻原守衛の《女》も背景などが好条件になったので撮ってみました。

萩原守衛  女  1910  ブロンズ 

 

次の第2室では「2. 面がまえ、いろいろ」と題して、肖像画が取り上げられていました。

こちらの部屋は、作品展示のガラス面に反射像が写り、見づらくなりますがご容赦ください。

 

 

さすが前田青邨、感心する作品です。

 

 

萩原朔太郎が亡くなってから、制作されたのですね。 イメージが強く絞り出されて、観る者をドキリとさせる。

 

 

萩原朔太郎をモデルにしたブロンズ像(船越保武作)と対比。  朔太郎の人間性を捉えたイメージは共通します。

 

 

 

この《麗子6歳之像》は、以前、水彩画だと知って驚いた記憶があります。 

 

岸田家の写真も展示されていました。

 

 

 

 岸田劉生の自画像もあったのですが、バーナード・リーチを描いた作品を紹介。

 

 

 

 

デスマスクかと思ったら、佐伯祐三のライフマスクなんだって。

 

 

 

そして佐伯祐三の自画像。  ん?なんかおかしい、特に目のあたりなど、描ききれていない。

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東京国立博物館(2015.3.7) 仏像、陶磁器

2015年03月21日 | アート 各分野

東京国立博物館(2015.3.7)3回目は仏像と陶磁器の紹介です。

仏像を見るとき、アートとして見る眼と、何故ここに信仰上の尊形が収蔵展示されているのか?と複雑な思いが交錯します。

考えても仕方のないことですので、クールに紹介。

重要文化財 指定名称:木造大日如来坐像
1躯 木造、漆箔
高93.9台座高46.7 
平安時代・11~12世紀  東京国立博物館

 

以下、東京国立博物館のe国宝より引用
胸の前で智拳印(ちけんいん)という印を結ぶ金剛界大日如来像。密教で精神世界の構成をあらわす金剛界曼荼羅の中心尊である。ヒノキ材の寄木造り。
ふっくりとした丸顔、伏した眼、小さい唇、厚みのない体や起伏の少ないおだやかな肉どり、なだらかな衣文に、平安時代後期の特色がみられる。
台座も大部分は像の製作時のものである。 

 

 

 

この観音菩薩像坐像の眼が怖い。 玉眼もそうですが、眼瞼が黒く膨れた表現が不気味です。

 

 

利休好みですね。

 

 

 

 

 

 

 

銘が橋姫、ウーンちょっとあわない。

 

 

菖蒲と橋の軽快な描きぶりがいい。

 

 

鍋島の青磁は初めてですが、やはり手間暇かけた仕上がりですね。

 

 

鍋島らしい作品

 

 

 

偕楽園の窯作品はあまり見かけませんが、キャプションを見ると京焼の名工がつくっている…なるほど。

 

 

 

伊万里の先駆者達は、感度が高かったのがわかります。

 

 

 

伊万里の発展が、こうした典型的な作品になったのですね。 

 

 

 

家元といえる中国・景徳鎮窯  さすがに軽快で面白い。

 

 

日本の近代の陶磁器作品。  工芸的な要素が出過ぎて面白くありません。

 

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東京国立博物館(2015.3.7) 踊る人々、檜図屏風、装束など

2015年03月08日 | アート 各分野

3月7日(土)、東京国立博物館と東京国立近代美術館,国立公文書館(JFK-その生涯と遺産展)に行ってきました。

今日は、東京国立博物館から

表慶館横の紅梅。

 

 

対となる白梅、法隆寺宝物館をバックに。

 

 

本館2階の「日本美術の流れ」 踊る人々が迎えてくれました。

埼玉県熊谷市野原字宮脇 野原古墳出土
復原高64.1,57.0
古墳時代  6世紀
 
 
国宝室には、狩野永徳の「檜図屏風」。  4年前に見たときの印象と少し違っていました。
 
国宝 檜図屏風(部分) 狩野永徳筆 安土桃山時代・天正18年(1590)
 
 
 
8曲1隻から4曲1双に仕立て直されていたけど、本来は襖絵だったことから、この姿のほうが元の姿に近い。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
次は「天狗草子」     当時の僧侶の驕慢を批判した文物絵巻、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
手か口を出した僧侶を打ち叩いている稚児の場面でしょうか。  僧侶が稚児を慰み物にしていたのは、洋の東西を問わない。 面白い絵巻です。
 
 
 
 
 
 
トーハクの作品を紹介するとき困るのは、ジャンルが多すぎて、まとめにくいのです。
陶磁器や刀剣、浮世絵など紹介したい作品は山ほどありますが、今回は、装束をまとめて紹介します。
 
まず十二単
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
能装束。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
江戸時代の華やかな打掛
 
 
 
 
拡大。   青い色がプルシアンブルーなんですね。
 
 
 
 
 
 
少年用の振袖もあったんだ。
 
 
 
 
 
袖部分の拡大
 
 
 
 
 
 
アイヌ民族の生活文化の品々も毎回、撮影しているのですが、なかなか紹介することができません。
今回の装束に合わせて、衣服を紹介します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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東京国立近代美術館(2014.12.7) 西洋画、日本画など

2015年02月15日 | アート 各分野

2014.12.7に行った東京国立近代美術館の作品紹介ラストです。

MOMATで新規購入したセザンヌの作品。  さすがです。 抽象画はまだ存在しなかった時代ですが、この作品、半分、抽象画といってもよいくらい。

 

 

 

一転、朴訥な感じのなかにも、西洋画の息吹きを感じる作品。

 

 

 

萬鉄五郎の作品、強烈なのですが、好きかと問われたら、首を振ります。

 

 

 

小磯良平、小気味よい作品が多いのですが、これは人間の情念が漂っている。

 

 

 

藤田嗣治の挿絵は初めてです。  こういう分野には向いていますね。

 

 

ピカソもこんな描画をしていましたね。

 

 

 

 

 

縦書きフランス語本の表紙! 雰囲気ありますね。

 

 

一方で、戦争画。  解説を読むとヘーと思いますが、軍国主義に寄り添ったのも事実ですし、器用な人の印象。

 

 

 

強烈で観客者も多かったのですが、不完全燃焼の感じがします。

 

 

 

ここから日本画。  右側の絵は、加山又造の「冬」1957(昭和32年)

 

 

 

 

表情に、男性からみた憧れの女性像・・・を感じます。

 

 

 

 

何ということはない日常風景なのですが、淡い彩色が印象的です。

 

 

 

伊東深水ですね。  独特の美人画をつくっています。

 

 

 

以前、紹介していると思いますが、カメラも進歩しているので撮り直しの一番。

 

 

 

 

 

 

土牛は有名ですが、臥牛は初めて。 

 

 

 

絵は、足元まで描かれた縦長の絵でしたが、表情に見どころがあるので部分の写真です。

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