本日はコミックスです藤谷陽子さん『ひそひそ-silent voice-1』
ただ漫然と無気力に高校生活を送っていた高校生の主人公は、
犬や猫に囲まれて眠る男の子がものや動物の声を聴く不思議な
力の持ち主だと気付く。それは過去の自分が持っていた力で…
藤谷さんの新作はトキメキ乙女コレーベルから
本作の主人公は
かつて動物やモノの発する声を聴く事が出来た為に
他人に対して一歩引いてしまう男子高校生・光路です。
触れたモノの声が聞こえてしまう光路は
その力故に母親に触れる事も出来ず友人もいませんでした
今ではその力も失われていましたが
周りとの関係も広く浅い付合いとなっていました
そんなある日、
犬や猫に囲まれて眠る少年・大地と知り合いにます。
大地はかつての光路と同じ
モノや動物の声を聴く力を持つ少年で
最初は大地との関わりを避けていた光路ですが
何かを一生懸命に探す風な大地にほだされて
力の使い方を教えた事から
大地にすっかり懐かれてしまいます。
自分の持っていた力よりも強い大地の力を
丸ごと受入る大地母にも気に入られ
今まで否定され続けてきた(と思われる)
自分の存在を丸ごと受入れられる状況に
心地良さを覚え始めた光路は
今までつるんでいた高校の友人との付合いに
応えられなくなっていくのです。
そんな中
触ったモノや動物の声がまた聞こえるようになって
子供の頃には身近にあったはずなのに
大人になると忘れられていくような純真さと優しさを
感じさせるお話でした
接触テレパスって言うのかな。
触れただけでモノや動物の声が聞こえ
人の気持ちが判ってしまう力を持っていた為に
心に傷を追っていた光路ですが
自分と同じ力を持ちながら
両親に十二分に愛されて素直に育った
大地と知り合った事で力が戻ります。
周りに受入れられたいと思う気持ちが
力を封じ込めたのか、
力があっても受入れてくれる人がいると
知ったからならなのか。
優しさと善意が形になったら
こんな感じかなってお話でした
本巻は大地という存在によって
光路がかつて負ったトラウマを少し払拭し
受入れてられる様になるまでとなっていますが
大地に懐いている犬の飼い主らしき人物が
予告編で不穏な動きをしていて続きが待ち遠しい
カバー下も要チェックですよ