【大都市構想に関る一連の法改正は実質的憲法改正の無法】

第九十二条　地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

第九十五条　一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

　行政区画は、47の都道府県から構成されるが、その下に市町村、特別区（東京都のみ）が置かれる。町、村はいくつか集まって郡を形成する。また、市のうち政令指定都市には区が置かれ、“国家”が円滑な国家機能を執行するために領土を細分化した区画のことである。

　例えば、特別区は、基礎的自治体として認められ、国家から地方交付税交付金の財政補助制度が在る。此の様に、特別区の設置は国民総てに関る統治行為である。

　特別区の設置の発議と決定権は国会で成されるものでなければ成らず、大都市地域における特別区の設置に関する法律と此れを受けての地方自治法の改正は、憲法95条と92条に違背し無視する実質的憲法改正を成した無法なものと認じられる。

✻【統治行為】　高度の政治性をもつため，司法権による審査の対象から除外すべきものとされる国家行為。
✻【統治権】　国土・国民を治める権利。主権。
✻【統治機関】　統治者が統治を行うために設けた国家機関の総称。国会・内閣・裁判所など。