魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

【「文明主義と素朴主義」と「資本主義と質実剛健主義」について】

2015-05-18 19:09:03 | 日本国のあり方
 昨日、宮崎定市の書を手に取ると「素朴主義と文明主義再論」と言う論稿が載ってた。驚いたのは、此処で言わんとすることが、先日我が投稿した小論文と基本的には同じと感じさせられたことである。【既成の社会システムでは日本人は幸福になら無い。】>>http://blog.goo.ne.jp/tenkasurounin36/e/db87f6e6ff8abe1165cc44b0ed5cae83 …
 両論稿の共通点は、一体何処か?

 譬えば、今の日本が此れ程可笑しく成った最大の原因は、絶対、解決出来無い問題に拘っているからで、亦、此れを己の利権に利用せんとする蜚蠊も居る。

 国公を〆ての借金は今や膨大な金額へと上っている。更に、離婚率は軈て40%に達する勢いである。

 男女一人親所帯の生活保護受給率は、30%に達せんとしている。離婚率の推移からすれば、此の受給所帯の多くは離婚家庭と推察されよう。子育て支援等をしなければならないのは、大衆迎合の仕組みを造る政治屋の所為であろう。金を支給すること自体離婚率を増やすような矛盾を造り出しているのだ。

 尚、グローバル社会もこよなく危険である。何故か?画一化は、其の中で起きたことを総ての成員に影響を及ぼす。とんでも無い遠いところの出来事が直ぐにも自国に影響を与え、其の他、世界の何処かで様々な出来事が自国に深刻な影響を与えるので、一国の政策は、意味を成さ無く成る。無政府主義か!

 「素朴主義と文明主義」とは、何か?
 素朴主義=質実剛健、文明主義⇒堕落。宮崎市定の

 「素朴主義と文明主義」論は、主に中国大陸を中心に極東亜細亜圏を対象に展開されている。要は、文明は繁栄しは軈て腐る。其処で、止まると中華文明は終焉して居た。其れを救ったのは、質実剛健の夷荻の侵入だった。

 資本主義経済は一種、西欧文明と言える。制度や社会の仕組みは長い間に陳腐化し、或いは腐って行く。孰れにしても繁栄は長く続か無いのだ。文明は麻薬の様なもので、其の起り始めは勢い良く快い快感を民衆に与えるが、軈て繁栄が長く続くと、毒素を発する様に成り、民衆はそれが発する毒素に因って疲弊する。

 文明が一旦腐ると、言う迄も無く、其の文明を支えて来た社会の仕組みや支持勢力の中で解決出来無い問題が山積する。雅に、今日、日本が抱える大問題は、今迄の資本主義を覆すことから始めな蹴ればなら無い。

 中国大陸には中華文明が絶えず興亡を繰り返す歴史で在ったが、中華文明が綻ぶと、中華圏外の素朴主義の夷荻が侵入し、禅譲と言う形で皇帝統治権を引き継ぎ、「漢」以来の官僚が皇帝を支える極東亜細亜圏独特の文明主義を継続することを繰り返して来た。引き継いだと言っても、政治への変革は殷賑極まり無く進められたであろう。軈て、中華文明が再び蔓延る迄。

 資本主義も、人類の悠久の歴史からすれば一片の泡沫として消えるべき運命にある。土台、諸国間や諸国内の政治で調整されるように成った資本主義は、本来、需給で自由に手を加えずに営まわれるものである資本主義経済の原理から大きく乖離したものだ。更に亦、其れこそ、グローバル自由経済等自体が矛盾である。

 さて、我が以前ブログに投稿した関連と言う本題で在るが、変質し過ぎた資本主義が、軈て腐り始めて毒素を振り撒くに至ると、近代から続いて来た資本主義も、グローバル経済と、本来の自由度を失くしたことと相俟って、地球横断的な貧富の階層化の仕組みへと変質する。

 今迄、豊かさを享受して来た国々の人々にとって、資本主義が忌むべきものに成りつつある。然し、現状の仕組みの儘では、一度生じた毒を消す術は無い。

 陳腐化し毒を振り捲く様に成った文明主義や資本主義は、夫々、素朴主義や質実剛健の社会の仕組みへの転換しか覆すか無いのである。何故ならば、既成の社会の仕組みを壊すと成れば、痛みを痛みと感じさせ無い覚悟を持てる精神主義の醸成が欠かせ無いものと成るからである。

完。

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