フィリップス曲線
現在、日銀やECB(欧州中央銀行)緩和的金融政策を行い、インフレ率2%を達成目標に掲げている☜フィリップス曲線の示す理論で理解出来る。
「物価」は、マクロ経済学にとって重要なテーマの一つとされている。
「物価と失業率は逆相関の関係にある」という関係を示すフィリップ曲線は、フリップスによって初めて公表された。「物価と失業率は逆相関の関係にある」とは、
物価が上がる(インフレ)⇔失業率が下がる
物価が下がる(デフレ) ⇔失業率が上がる
ということである。これは、如何なる経済状態の国でも一般に成り立つ。
此のフィリップ曲線が示す「物価と失業率は逆相関の関係にある」という正しさは、“ 定量的に ” 多くのデータを収集した結果で確りと示されて居る。其処で此の関係の正しさを、“ 定性的な ” 裏付けを以て論理的に解明される為に、果たして如何なる仕組みでこの関係が出来るのかについて出来るだけ簡単に検証する。
話を単純化して、フィリップ曲線のの成立過程を説明する。
物価が上がる
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企業は売上高が増える
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従業員の賃金は直ぐには上がら無いので、企業は利潤が増える
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企業が積極的に雇用を増やす
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失業率が改善
物価が下がる
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企業は売上高が減る
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従業員の賃金は下げられないのでリストラ等で対応
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失業率が悪化
このプロセスの本質は、
①賃金の動きは物価よりも遅い、
②企業は賃金を上げることは出来ても下げることは出来無い
という点にある。
実際、①は「賃金の遅行性」、②は「賃金の下方硬直性」として知られて居る。
✱ 失業率が下がる👈労働需要の増大(企業の求人意欲の高まり)
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労働需要の増大は、人件費の高騰を齎す(需給の経済原則)
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企業は商品価格を上げざるを得ない
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物価が上がる
瞞着アベノミクスで物価は上がったが、賃金は上がったか!
✱ 「一つを選好すると他の一つを見捨てる」👉此の「逆相関の関係」を「トレードオフ」という。
此処迄の雇用に関する纏め
① 「失業」に対する古典派とケインズの考え方の相違
・古典派
長期的に考えれば、失業は解消される☜失業が起きそうなとき賃金は際限なく下がって行くので長期的には失業は起き無い。
・ケインズ
労働者の賃金の下落には限度があり、失業は発生する。
② 「労働の限界生産力=実質賃金W/P」☜「最適雇用水準」
労働の限界生産力は逓減して行くので、企業が労働者の数を増やしても、生産量の増加は次第に減って行く。
③ 「総供給曲線(AS曲線)」
物価Pの上昇⇨労働者の実質賃金が下がる⇨雇用者数の増加⇨生産量Yが増加☜此の関係をグラフにしたものが「総供給曲線(AS曲線)」である。物価が上昇する代わりに名目賃金Wが下がっても同じ結果と成る。
④ 「LM曲線」
貨幣供給量Mが増えても、物価Pが下がっても実質貨幣残高が増える。
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物価Pが下がる⇨LM曲線が右下にシフト⇨国民所得が増える。
👆の関係をグラフにしたものが、「総需要曲線(AD曲線)」という。
⑤ 「AS曲線」
此れは、企業の収益構造から導き出されて居るので、政策によって弄るのは難しい。然し、政策によってIS-LM曲線を動かすことによって、結果としてAS曲線は動かせる⇨「AD-AS曲線の交点」を「望ましい点」に移動させることが出来る。
⑥ 「フィリップ曲線」: インフレ率と失業率の「逆相関関係」を表した曲線。
インフレ率を下げる⇨失業率が上がる。
失業率を下げようとすると⇨インフレ率が上がって仕舞う。
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インフレ率と失業率は「トレード・オフ」の関係
つ づ く
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