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法律考第三十一 時効 その七

2007-12-04 14:05:30 | 憲法考

              取得時効 第二回

取得時効の効果

原始取得 時効取得が認められると前主の所有権は消滅し、その土地に付帯していた地上権や抵当権などは消滅するのです(民法第397条)。ただし、地上権についてはそれを任用しながら占有していた場合には、地上権つきのまま時効取得することになる。抵当権については常に排斥されることになります。

対抗問題 

(イ)時効完成後については当事者間では登記無く対抗できます。 

(ロ)時効完成後に前所有者から取得した第三者には登記が必要とする判例がある。 

(ハ)そこでずるい占有者は起算点を下げて、第三者の取得を時効完成前にしてしまうように操作します。判例はこのような操作を認めません。

(ニ)占有者が第三者に優先されます。つまり、第三取得者の登記のときからも改に占有者の取得時効が進行するとする判例があります。これについては、学説は反論しています。登記無い占有者を優先させる根拠が乏しいとする学者や、登記によって時効は中断と同じ効力が発生すると言う学者がいる。

自然中断

 「占有の中止」や「占有が奪手されるたこと」による中断を言う(民法第164条)。占有要件の欠如というものである。

所有権以外の財産権の取得時効

取得時効に掛かる他の財産権

(所有権以外の財産権の取得時効)
民法第163条 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。
(イ)用益物権 地上権、永子作権については認められます。地上権の譲渡契約が無効でも、植林を実行し続けることで成立されるとする。地役権については、(地役権の時効取得)民法第283条 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取することができる。と言う条文がある。入会権については当然、認められない。

(ロ)賃借権使用借権 判例・学説とも認めています。

(ハ)一般の債権 継続的債権については認めるとすべきであると言うのが有力であるが、反対説も多い。

(ニ)担保物権 質権は占有を内容とするからこれのみ認めるとするのが多数いる。

(ホ)特許権などの無体財産権 鉱業権 対象とするのが通説である。

要件

所有権以外の財産権の取得時効)
民法第163条 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。

 地上権などは正に占有を継続するものであり、それ以外の権利では準占有と言うことになるだろう。


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