魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

◆◆【我「老子」の私見を綴る】◆◆玄符第五十五

2012-06-04 19:32:37 | 学問

玄符第五十五

含徳之厚、比於赤子。毒蟲不螫、猛獸不據、鳥不搏。骨弱筋柔而握固。未知牝牡之合而全作、精之至也。終日號而不、和之至也。知和曰常、知常曰明。益生祥。心使氣強。物壯老、謂之不道。不道早已。

含徳の厚きは、赤子に比す。毒蟲も螫さず、猛獣も拠らず、攫鳥も搏たず。骨弱く筋柔らかにして握ること固し。いまだ牝牡の合を知らずして作つ。精の至りなり。終日号びて嗄れず。和の至りなり。和を知るを常といい、常を知るを明という。生を益すを祥といい、心、気を使うを強という。物壮なればすなわち老ゆ、これを不道と謂う。不道は早く已む。

「徳」の厚きは,赤子に譬えられる。毒虫も刺すこと無く、猛獣も避けて通り、猛禽も攫うことは無い。身体が華奢で弱弱しくとも握る力は強い。男女が交わることも知らぬのに性器が勃起するのは、強い生命力を持つからだ。一日中大声で泣き喚いていても泣き止めば声も嗄れずにけろっとしていられるのも、精気満々だからであり、だからこそ調和を取れていられるのだ。調和は普通に為されるべきことであり、特別なことで無いことは明らかである。長生きすることは目出度いことであり、それには無理をせず絶えず健康を気遣う配慮が要るものである。若くて元気があるうちに目茶目茶やれば老いも早く、此れは「大道」から大きく外れることで「不道」と言う。「不道」をすればすぐに滅する運命となる。


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