吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

役立たず

2019-05-15 05:15:58 | インポート
父と、母に会いに病院へ行って来ました。

誤嚥性肺炎で入院し、もう4ヶ月近く何も口にしておらず、点滴のみで命を繋ぐ母。

腕と足は、かさかさに乾いた皮膚が、やっと骨を覆っている。

母の声は小さく、まるで、小さなため息のような弱々しさ。

母が何か言ったので、母の口元に顔を寄せる。

「あんたたち、全然役に立たない」

そうか、役に立たなくてごめんね。

「大変なことが起こった」

どうしたの?
何が大変なの?

「私に」

お母さんに?
具合いでも悪いの?

頷く母。

どこか具合意が悪いの?

「頭が」

ふっ。
父と私は、うっかり笑ってしまいました。

母は、口をへの字に曲げて言いました。

「笑ってる場合じゃない!」

そうだね、ごめん、ごめん。


役立たずな2人の、穏やかな時間。