ボッコの泣き顔

ハル、大学があるからね。
しかたがないもんね。

春休みに、いろんなことがありすぎたね。
こんなことになるなんて、ね。


夕方、ヒデさんの車で、駅に向かいました。
私は、プールの支度があるから、玄関でバイバイしました。
ハグハグ。じゃぁね。



私は泣いちゃったけど、
ウンカちゃんも、ボッコも、
「泣くぞ、泣くぞ、ほら、泣いた～」とか言って、
私のことからかってたんだよ。
まったくも～。




プール。

ボッコ、たくさん泳いでました。
よくがんばってるね。

今日は私も泳ぐ日だったから、
ヒデさんが迎えに来てくれて、先にボッコは帰ったんだ。

そして、選手の練習の後の時間、
わたしらの泳ぐ時間。

元気がでないまま、ま、とろ～んと、泳いできた。




家に帰ったのは、9時半すぎてたかな。
ボッコとヒデさん、お風呂に入ってた。

私が洗面所で水着を洗ってたら、ボッコがドアを開けて、
お風呂から出てきたんだ。

最初はにこにこしてたボッコ、
私の顔をじっと見て、グッとチカラが入ったと思ったら、
「うぅぅぅ」って、泣き顔になっちゃったんだ。

「泳いでるとき、ハルのこと思い出しちゃって、涙出てきちゃったんだよ」
って、うっく、うっく、泣き出しちゃったんだ。

私も、涙出てきちゃって、
まだ裸ん坊のボッコと抱き合って、うっく、うっく、泣いてしまったよぅ。


でも、ボッコ、
「ハルもひとりでがんばってるんだから、ぼくもがんばるね」
「もう泣かないでがんばるね」
そう言いながら、泣いてた。



ずっと、ハル、ボッコと遊んでくれてたんだ。
ボッコはハルにべったりくっついてたんだ。


ボッコは口には出さなかったけど、
今回、かなり不安や悲しみを感じてたと思うよ。
怖かったと思うよ。
映画みても泣いちゃうような子だもの。
感受性が豊かなんだから。

がんばって、がまんしてたんだろな。

今夜は、ガンバリの糸が、ほぐれちゃったみたいだ。


寝る前に、布団の中に私のことを呼んで、
ぎゅーって、抱きついてきたんだ。
頬がしめってた。
また泣いてたみたいだよ。
顔も腫れてるよ。


ボッコ、明日、電話してみよー。




いろいろあったから、
たくさんのことがあったから、

私だって、気持ちが沈んじゃうんだもの、
子どもらも、ココロが痛かったろうね。



泣かないで、強くなるって。
ボッコ、がんばろう。一緒にがんばろー。


布団の中で、ぎゅーってくっついてたら、
「もう大丈夫。安心した」って。
でも、まだ今にも泣きそうな顔してたよ。
がんばってるんだな。


寝息。
すーすー。
きこえてる。