重要研究を排除 山下議員が告発
参院環境委
日本共産党の山下芳生議員は19日の参院環境委員会で、発がん性等が指摘される有機フッ素化合物PFASの摂取量の規制値(6月、食品安全委員会が通知)が、米欧の数十~数百倍の緩い値となっている問題を取り上げ、規制値を定める根拠から最新の重要な研究論文が排除されていると告発しました。
山下氏が挙げたのは、(1)国際がん研究機関がPFASの一種を「発がん性がある」と評価した研究(2)米国環境保護局(EPA)が、飲料水におけるPFASの規制値を、1リットル当たり4ナノグラム(日本は1リットル当たり50ナノグラム)とした研究(3)日本の環境省が10万組の母子を対象にした追跡調査(エコチル調査)で、母親のPFAS血中濃度と子どもの染色体異常の関連を指摘した研究―です。これらは国際的に高く評価され、各国の基準や対策に反映されていますが、日本では証拠が「限定的」「不十分」などとして排除されています。
山下氏は、日本の規制値の上限でPFASを摂取し続けた場合、推定される血中濃度は、米欧で健康への影響が懸念されているレベルを大きく超えると警告した小泉昭夫京都大学名誉教授の試算を紹介。にもかかわらず「健康に悪影響はない」と緩い規制値が容認されれば、「新たな安全神話」になると批判しました。浅尾慶一郎環境相は「総合的対策で命と環境を守る」と答弁。山下氏は「命を守るためには謙虚に科学と向き合うべきだ」と指摘しました。
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