経営法務研究室2023

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相続放棄は、相続開始前にはできません。

2013-03-10 | その他

 相続の放棄は、相続開始後に具体的に発生した相続について、相続人が遺産を承継しないとする意思表示であり、民法上、相続開始(被相続人の死亡)前には、認められていません。

 
 そのため、そのような合意書を交わしても、原則として効力はありません。


 なお、遺留分の放棄は、相続の開始前でもできます。ただし、これを行うには、家庭裁判所の許可が必要となります。
 
 
 相続放棄を事前にさせることはできませんが、遺言書によって、全遺産を特定の相続人へ与える内容にしたうえで、この遺留分の放棄制度を組み合わせると、相続放棄と同じ目的を達成することができます。

 もっとも、遺留分の放棄において、家庭裁判所で、放棄の必要性と合理性があるかどうか検討がなされますので、実際には、放棄に代償性(すでになにがしか受益がある等)がないと難しいところではあります。