春採7丁目の丘の上にある「みなみ病院」三階ホールから、ひぶな坂上り口の向こうに、南北に細長い春採湖の東岸の一部が見える。春湖台の急斜面が西側から突き出て幅が狭くなり、その先で、湖が西側に向きを変えるあたりである。ここから、湖は再び南に向いて、湖水は春採川に流れ出る。
写真でははっきりしないが、旧太平洋炭砿の臨港鉄道の線路が、春採8丁目の選炭工場から湖の東岸に沿って南下し、さらに、千代の浦マリーンパークから海岸線沿いに知人(しりと)町まで伸びている。この臨港鉄道は、コールマイン株式会社が受け継ぎ、今も時々、石炭を積んだ貨車を貯炭場まで走らせている。
中央の見晴らしのよい半円形の建物は、11月1日にオープンした、介護付き有料老人ホーム「シルバーシティときわ台ヒルズ」。快適な自然環境に囲まれた「リゾートホテルのような老人ホーム」という触れ込みで、入居費用も、並の給料取りでは手が出ない高額である。本当に老人ホームを必要とする人たちにとっては高嶺の花だろう。
この老人ホームの右手南方の春湖台に、釧路出身の建築家・毛綱毅曠の設計した、ユニークな形状の釧路市立博物館が見える。博物館としての機能からいえば失敗作だそうだ。そもそも公共建築物に前衛的な建築家の個性など必要ない。周囲の風景に合わない異様な建築物は、一種の環境破壊といってよいのではないか。
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