<地上 2. 5 ㍍ まで周囲を食害されたオヒョウニレ>
上掲画像は、2016 年4月 25 日に厚岸郡界林道沿いの国有林で撮影。地際の灰色の部分は、2014 年初冬、積雪が浅い時季に食害を受けた個所。この時点でまだ部分的に外皮が残っていて、翌年春から初冬まで生きながらえた。しかしその後、厳寒期を経て、上部 2. 5 ㍍ まで食害域が拡大。本年春に一部出芽するも夏までに葉が落ち、秋に枯死を確認した。2015 年度末の全道のエゾシカ推定生息数は47万頭。捕獲の強化によって年々数が減り、それに合わせて農林業被害額も減少しているが、それでも釧路総合局管内では 13 億円、全道被害額の3割を超える。
農林業被害と言っても、大半は牧草が占める。林業については、広大な国有林の被害がほとんど把握されていないため、民有林に限定された微々たる数字しか表に出ない。実際には、もっと大きな被害額になるだろう。