思いついたら

日記代わりに

危篤

2008年04月28日 | 日々の暮らしで思うこと
以前一緒に働いていて、転職していった同僚が危篤になったと連絡を受けました。同僚と言っても50代半ばです。2年ほど前に大腸がんの手術をして、退院後は仕事で外回りもしていて元気にしていたのですが、2月のバレンタインデーにみんなで飲んだときはちょっとやせた気がしていました。今日病院へお見舞いに行きました。看護室で部屋にうかがえるかどうかを聞いてもらってから部屋に入ると、奥さんとお姉さん、大学生と高校生の兄妹が来ていました。3日前までは自分で風呂に入ったりしていたそうです。ちょうど目を覚ましたSさんは、この前見たときより痩せていました。手を握って大きな声で見舞いに来たよと言うと目を開けてぎゅっと手を握ります。私は勤めて笑顔で仕事の途中で来ちゃったけど、クレーム処理だから言い訳が出来て助かったよ等と話をすると、驚いたことにいつものSさんの笑顔になりました。かすかな声でクレームかあといって笑っています。暫く取り留めの無い話を一方的に続けると、きっと眠いんでしょうに笑顔を作ってうなずくしぐさをして見せます。薬が効いているのか、まぶたが閉じかけると息子さんが、夢と現実の間を行ったり来たりしているみたいなんですよと話してくれました。帰り際、何か言おうとしているので耳を近づけると、行っちゃ嫌だと言っています。えーっと大げさに言ってみると、顔は笑っていてバイバイと手を振るしぐさをしています。困らせてるんですよと息子さんが言います。自分の命が尽きそうな時に笑顔を他人に見せられるなんてと思うと、泪がにじみそうになったので、皆さんに挨拶をして出てきました。Sさんとは多分これが最後でしょう。普段死後の世界なんて信じちゃあいませんが、Sさんがこれから行くところが明るく穏やかな場所であればいいなと思いました。