午前3時。
真夜中の林道を一台のマイクロバスが駐車場(第一ゲート)に向かって走ります。
8月5日北海道百名山登山第五座目、幌尻岳登山。いよいよ北海道登山の佳境を迎えました。
2時過ぎにとよぬかに到着し、暗い中、準備を整えてマイクロに乗り込みます。本日の3時発のマイクロには5名が乗り込みました。
午前4時第一ゲート到着。ずっと寝ていたので、どの様な風景だったかはわかりません。ここはただの広場ですが、トイレ、入山届ボックス、ビバーク小屋があります。
以前はここまでマイカーで入れたのですが、現在は乗り入れ、野営も禁止でとよぬか山荘から出発するシャトルバスに予約して乗らないとこの第一ゲートまで入れなくなりました。
とよぬかから約21.6kmあり、片道約1時間、料金は往復で¥3,500となってます。7-8月期の出発時間は3時、7時、10時、12時の4便となっています。
2013年度のシャトルバス利用についてはこちら
平取町オフィシャルホームページ
http://www2.town.biratori.hokkaido.jp/biratori/shisetsu/shi_spot01.html#spot02
シャトルバス利用PDF
http://www2.town.biratori.hokkaido.jp/biratori/shisetsu/image/spot/climb_02.pdf
広場から林道へ向かい、長い林道歩きのスタートです。いや、幌尻岳登山のスタートです。既に明けているのでライトは使いませんでした。
駐車場近くの林道です。まさか帰りのこの林道があんなに凄いとは。。。
(答えは後半にあります)
この林道のスタートはかなり高いところにある様です。これは当然、額平川ですよね!?
もし、夜明け前だったらいやですね。
奥幌尻橋です。この橋を過ぎるとゲート間近です。
ゲートに到着しました。だいたい35分くらいです。
マイクロで同乗したグループは後を歩いています。前には若い単独者がいます。
夏の朝、今日も暑くなりそうです。
突然、何でこんなところに!?というところに日高山脈襟裳国定公園の標が現れます。ここまでで林道の半分位との事です。
小さな滝がちらほら出てきます。
滝の水量が少ないので川の水量も少なそうですね。
北電の取水施設の建物を通過します。ここまでマイクロで入れて欲しいですね。マイクロの運転手から聞いたのですが、取水ゲート迄マイクロを入れるにはこの林道を整備しなければならず、特に崖崩れ対策に莫大な費用がかかるとかで実現出来ていないとの事。
駐車場(仮ゲート)から約1時間50分位で北電の取水施設に到着しました。
ちょっとここで休憩したいところですが通過して先を急ぎます。
幌尻山荘を示す小さな案内があります。ここから先は川沿いを歩く事になり、渡渉が近づいている事を予感させます。
強い陽射しが差し込み始めました。
赤布を目印に川の脇を進んで行きます。
今日は水量もご覧の通り少ないですね。
ここはロープが張ってあります。
ここはクサリ場です。ロープやクサリ場が現れると最初の渡渉点はもうすぐです。と言っても取水施設から渡渉点迄はいくらもありません。
一度、山道に戻り巻き道を歩き、次に川と合流する場所が最初の渡渉点となります。
(この後、渡渉地点の写真を通過順にアップしますが、渡渉年月日、渡渉場所、渡渉のカウント、エスケープルート使用などにより渡渉回数が若干異なるものと思われます。あくまで参考ですが、渡渉箇所に番号を付けてみました。)
第一渡渉点に到着しました。いよいよ渡渉が始まります。
バスの同乗者が先に一人いました。ここはまっすぐに突っ切って渡渉をするところですが(多分、今日の水量はものすごく少ないのでしょう)川に入らなくても渡れる水量の様です。
上流に向かって左手に流木を使った増水時エスケープルートが出来ている様で、幌尻山荘からの下山してくる昔の乙女達のグループと出会いました。 みなさんはシューズに藁を巻いていらっしゃいました。
①回目
どちらにせよ、ここでシューズを履き替えます。
北海道登山の数日前、何かいい渡渉用のシューズが無いかと探したら、好日山荘に最近Keenから出た渓流用のシューズがありました。買おうかどうしようかさんざん迷った挙句、どうせ一回きりしか使わないしと買うのを止めて持っていた水陸両用シューズで行くことにしました。これはランニング用で渡渉には心許無いですが、これに靴下を履いて行くことにしました。別になければランニングシューズなどでもOKだと思いますが、間違ってもクロックスなどでは行かないでくださいね。
KEEN Gorege Boots
本格的なカヤッキングから、アウトドアフィールド、フィッシングでも活躍するジョージブーツ。ミッドソール側面の防滑性まで考慮されたラップドアウトソールデザイン&ラグパターンは水中でも高い防滑性を発揮。そのままトレイルランニングにも使用可能。足裏形状に合わせて立体成型された取り外し可能なフットベッドは、ライニングと同じく、洗っても落ちにくいAEGIS抗菌防臭加工が施されている。耐摩耗性に優れたシンセティックレザーと3mmのネオプレーン素材のアッパー。足型形状に合わせた、サポート性に優れるストラップデザイン。
興味があれば。。。
②回目
渡渉点は人により10数箇所とか20数箇所とかいろいろ言います。記憶を頼りに言う人や渡り方によっても数も変わりますし、豪雨の前と後では状況も一変します。また、陸地を登るより水の中の方がはるかに楽なところもあります。
川の中は赤布が頼りです。この目印を頼り見失わない様に渡渉を進めます。
川の中はどこも藻によりツルツル(ヌルヌル)ですので、滑ってバランスを崩さない様に気を付けて下さい。色々なブログを見てもあまり川の中がツルツルとはほとんど書いてないんですよね。晴れていたせいもあってかそれほど水は冷たくは感じませんでした。
ストックが効果的です。カメラも携帯も落としたらアウトです。
③回目
③の下(手前2)
③の下(手前1)
④回目
幌尻山荘より下山してくるグループと出会いました。
⑤回目
⑤の向こう側(うら) 前の写真の人がいる辺り
⑤の先
⑥回目
⑦回目
⑧回目
⑧のあと
⑨回目
⑩の前
⑩回目
⑩の先
⑪回目
赤布がそれなりに付いてますので目印になります。
⑫回目
⑫回目
⑬回目
⑭回目
⑮回目
⑮回目
こんな感じで渡渉してました。
⑯回目
⑰回目
巻き道です。
林の向こうにとうとう幌尻山荘が見えて来ました。
⑱回目ラスト
渡渉も最後となると名残り惜しいですね。
⑱回目ラスト
幌尻山荘に到着しました。
今回の渡渉ですが、天気に恵まれ雨も降らず、かなり水量の少ない時に渡渉が出来ました。ソックス丈の20cm前後のところが多く、深いところでも膝丈の50cm位でした。
今回は最も水量の少ない状態であり、常にこの状態であると考えないで下さい。多い時は腰丈まであるといいます。
天候にはくれぐれも注意し、水量が増加した際は無理せずに勇気ある撤退、停滞をして下さい。その為の予備日を取る事も忘れずに!
とよぬかなどでは何方かが作成した各ポイント毎に水量を測る目安岩を記した資料がある様です。
全ての川の中、濡れた岩は滑ると考えて下さい。川の中は石の表面を覆った藻でツルツルですよ。シューズは沢登り用のフエルト底など苔や藻に強いシューズがお勧めです。転倒時のザックの防水対策(含むカメラ、携帯)も忘れずに!
また、帰りの林道はアブの大群に襲われます。止まると刺されるので渡渉終わった後に一休みと考えていましたが、アブに囲まれてとても一休みが出来る状態ではなく、結局一休みも出来ずにぶっ通しで仮ゲートまでノンストップで歩き続けることになりました。
効くかどうかわかりませんが、虫除けスプレーと腕に付けるベープマットがあったと思います。アブに襲われたくなければ是非、お試しを!
幌尻登山用の特別装備としては、
*渡渉用シューズ(沢登り用のフェルト底のシューズなどがお勧め)
*防水バック(貴重品、電話など電子機器、シュラフ、着替え、登山シューズなど防水が必要です、最悪は二重のゴミ袋などでもいいと思います。無いよりマシ)
*虫除けスプレー、虫除け機器など(林道のアブの大群対策)
*脚力の弱い方はストックの使用をお勧めします
などが上げられますよ。
この後、シューズとソックスを山用に履き替え、アタックザックに換えて幌尻岳を目指します。一応、幌尻の予約はしてあるのですが、本日も一杯らしいので出来れば泊まりたくありません。水量が少ない今日中に下りの渡渉をしてしまいたいですね。
2011,08,05北海道・幌尻岳 - 後半・登山編 -はこちら
http://yama-umi.blogzine.jp/blog/cat12043758/
登頂日:2011年8月5日 形態:日帰り メンバー: 単独 天候: 晴れ 標高:2,052m
標高差:1,552m コースタイム: 14時間13分(全てコミコミタイム)
コース: 第一ゲート→取水施設→幌尻山荘→幌尻岳(下山も同一ピストン)
北海道百名山登山第五座目, 日本百名山第92座目
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