分解掃除のご依頼品ですが、文字板にはブランド名がありません。文字板下部には「QUARTZ」の文字
小さくて画像では確認できませんが、文字板の最下部には「8560-〇〇〇〇〇〇」と印字があります。
この表記方法はシチズンの商品と似ています。
ムーブメントも点検しましたが、ブランドネーム表記はありません。ムーブメント番号である「8560」の刻印はありました。
全体的に古めかしい感じや、現在のモノと電池の上下が逆である事、コイルの大きさ等を考慮すると、「1970年前後のお品物かな?」と類推します。
文字板のブランド名が無いにも関わらず、最下部にはムーブメントの番号付きで使用ムーブメントと合致していますので、「途中で文字板だけ交換」の要素も考えにくく、販売以来の形であるような気がします。
また文字板自体の変化(退色や変色)も全体の様子から考えにくいですね。
「輸出用の時計?」の可能性は少しあるかもしれません。
念のためケース表記も調べましたが、素材名だけでしたので、何かと情報の少ない時計でした。
間違い無いと思われる事項(やや弱気です)は「ムーブメントはシチズン製品」「文字板の変更は無い」「当初販売されて以来の形」って所でしょうか?
今回の結論が正しいのか、わからないままでのご紹介ですが、『謎解き』のような感じで楽しかったので、ご紹介としました。
経過年数は50年近いと思います。また修理経験数も非常に少ない事例になりますので、普段よりも慎重に作業しないといけません。
また今後の修理依頼もあるかもしれませんので、よくよく観察しながら時間を掛けて修理しようと思います。