～亜米利加～

車
で、
おおきな
海淵を
なぞる
パキプシ
の
方
から
水平線に
むかって
タクシー

もうすぐ
この先
で
オレンジの
陽が
入水
する
から


ふ～う


寝不足の
朝
から
大ジョッキで
オレンジジュースを
飲むのは
とても
こんなん
（ランチはキャンセル
ガガガガガー
やむことなく
絞られつづけてる
カリフォルニア
オレンジ
の
叫
び


（ごめんね


命
って、
ただ
在るだけで
どうして
こんなに
かなしん
だろ


ふ～う


まっぷたつ
に
陽
水平線に
割られた
もういちど
割られて
絞られて
流した
命の
オレンジ
きらきらきらきらきら
海の
数京の
泡
に
充満
して
海底
へ
沈
ん
で


きこえる
の
で
す
・
・
9.11
3.11
原発
ハリケーン
の
音
・
・
命
っ
て、
ただ
生きるだけで
どうして
こんなに
むつかしん
だろ


ふ～う


かたづけられてしまった
ものたちの悲しみ

かたづけられないものたちの
悲しみ

を、
わたしは
せいいっぱい
で、
ただ
みつめます
悲しみは
いつも
どこか
個人的な
もの
だから


きみ
は
もう
とても
３才
な
スノーマン
だから
胸で
揺らす
と、
ものすごい
迷惑顔した
トナカイ
さん
でもね、
それもね、
また
かわいい
からね、
揺れてしまう
わたしの
個人的な
オレンジ


（もう
（大ジョッキサイズじゃないの
（乳ばなれしちゃったから


ね


巨大
な
オレンジの残照
空の水色へと潜りはじめて（みるみる
薄紫色の雛菊の群生
を、空に
咲かせて
（みてごらん
きらきらきらきらきら
（きれい
きずつけられた陽の弾く
こまかなピアノの音
きこえるのです
（深海の
（数京の
（泡
（か
（ら
（生
（え
（た
（指
（た
（ち
（の
（連弾

オレンジの蜃気楼

を
潜航
し
て
ピンク
の
パキプシ
の
方
へ
ゆ
く