八ヶ岳連峰は昨日の薄化粧をその裾になよよと流しててまるでプトレマイオス朝の女ファラオのあの朝みたいで(何故か目を逸らしてしまう
少し男の匂いのする朝
小海線のローカル駅
この駅の小さなベンチで
本を読むのが好きだ
なんだか凡そローカルの似合わない君の滑らかな弓形の背骨
に見える昨日君を登ったパジェロの足跡
目を逸らすべきなの
美しいのだけれど
上げた両手を不規則な螺旋に回す私達の歓迎
駆け寄って互いのバックでぶちあっちゃうみたいなアブラソ
時々そのままくるくる回ったりむやみに笑ったり
笑い飛ばしたり
そして車飛ばしたり
とっくに飛ばした逸らした目
お気に入りのレストラン
のエントランス
の三色菫達
美しい部分で集ってて
私達は三才からの友達で
ファラオはもう遠くてもう
此処からじゃ見えない