プロらしき3人。男はプロだと知っている。
2人の女は連れみたい。歌っているのを聞いたが
上手だった。素人としては、うまい。
もう一人の女は歌わなかった。その前で歌う。
緊張する。いつの間にか、お客が増えている。
自信のある、なみだ雨、薫る雨。歌う。聞いているのか。
不出来だった。受けたのはおじさんの踊れる曲。
4人のおばさんが踊る。大ムーミン、ムーミン、カスバの女
イノシシ女。カラオケ喫茶で、曲に合わせて客が踊るところは
そうあるまい。盛り上がる。伊藤のキャハハ声が、響き渡る。
そう。盛り上がった。見てる私は、少しいい気分。また忘れた。
甘くない冷こー。今日は勇気をもっていってみた。シロップくれ。
さすがにばつの悪そう。含み笑いして、シロップを渡してくれた。
イノシシ女が隣で、もっと歌う時のように大きい声で言いなさい。
だってしかられるんだもの。鬼瓦。。平家蟹がにらむ。おおーこわ。
ごめんなさい。すいませんがない。おまえは外人か。あきらめてる。
ほほえみだけでも、よしとする。ほんと憎めない。トトロのように
カウンターから覗いている。マイクを離して歌う。どうまま。
今日は、お叱りを受けなかった。うまくやったか情け雨。
歌えなかった。涙のなみだ雨。花びら混じりの雨の中。じっくりと
夜は更けていく。連休は何しようと思う竹取の翁であった。