浮かぬ。のらない。避難訓練の日。私は不参加。のらない。
不謹慎だが、ぐわいが悪い。歌の練習で、午前中を費やす。
長い時間が過ぎて、やっとカラオケ喫茶。ゼロではないが
いつものおばさんたち。プラス久しぶりらしいカップル。
そのお爺さんがすごい。そこまで外れて、最後まで歌う人
初めて見た。最初から終わりまで。批評はしないが、すごい。
本人いたって、真顔。つれのおばさんはうまい。暁を歌って。
リクエストが来た。忘れている。弧愁人。別れの予感。練習して
いるので、自信をもって歌う。何か受けない。かえって紫夜曲。
オバサンたちには受けたりして。これにしようかな。発表曲。
オバサンたちに受けのいい曲を歌う。もう一つ秘かに練習した
ごめんねをタイミングを計って入れる。どすの女のリクエスト。
どすの女の目の色が変わる。私を見る目が変わる。おおわかったか。
そのくせ、聞き終わったら普通。大げさな反応はない。少し拍子抜け。
また歌ってあげる。言い残し別れを告げる。何かのれない。ぽつぽつと
雨が降り出した。激しくはならない。中途半端。やっぱりお嬢に会いたかった。
その明るいキャラクターは、私の心を照らす。別れの予感はよしにしよう。
どうもうまくいかない。弧愁人と紫夜曲。受けの良い曲にしよう。
いとも簡単に方針を変える。ああお嬢。その踊りを見たかった。
せっかく良い曲を用意したのに。おとなのクラブ的カラオケ喫茶。
みんな踊れば盛り上がる。しかしフロアが狭い。お相撲さんが踊るには。
でもいいか。チークで踊るには、ちょうどいい。羽交い絞めされる翁。
なんで。首絞める。あら?今ダンス、チョークでしょ。くつがぬげる
竹取の翁。足をバタバタする。は。反則。おまえプロレスラーか。
どこへもいかないで、いきをとめてそばにいて。落ちていく翁。
意外と気持ちいい。引っかかるお嬢の胸。貴方をこれ以上愛すると
死なせてしまうわ。まるでカマキリの雄の気分。くすぐる。この手があった。
女心をくすぐる。アハハ。くすぐったい。脱出しました。しかしくすぐるのは
反則じゃない?。私の心はそんなとこにない。彼女は宇宙人だった。なんて。