日曜日に観に行って来ました。
お客さんの入りは日曜日なのですがちょっと空いていたかなあと。
そのおかげで良い席で観れました。
子供がよく昔話っぽいかぐや姫ではなく、竹取物語がベースになっていたと思います。
子供の時に読んだかぐや姫では竹の中から輝くばかりの赤ちゃんが出てきてあっという間にオトナになっていくのでかぐや姫の子供の時ってスルーされていますが、赤ちゃんの時からオトナの女性になるまでが細やかに描かれていました。
ストーリーは竹取物語のままなのですが、とにかく絵がスゴイです。
道に咲いている名前も知らない花から虫、鳥、カエルに至るまで正確に描写されていて、特に桜のシーンがあるのですが当時はソメイヨシノがまだない時代ですから葉っぱと花が一緒になっている山桜で満開のシーンを描いている所は圧巻でした。
線が柔らかく、色彩が淡く絵草紙を観ているような感じでこれをアニメーションでやってしまうのは製作年数がかかって風立ちぬと同時に公開できなかったのも仕方ないかなあと思いました。
竹の中から産まれた姫は竹の子と呼ばれ山を駆け巡り元気いっぱいに育ちます。
翁と媼はかぐや姫の幸せのためにと彼女が愛した山や竹林を離れ都に邸宅を建てますが、姫は幸せそうじゃありません。
竹細工のささやかな生活よりは都で尊い身分の方のところへ嫁いだら幸せになれるとそれに一生懸命になる翁。
かぐや姫の本当の想いをわかってくれるのは媼とお付きの女の童(パタリロみたいで可愛かったです。^^)だけ。
そして貴い身分の方たちが求婚しにやってきます。
この方たちのお顔が声を演じてらっしゃる俳優さんをそのままイメージしていてちょっと笑ってしまいました。
求婚相手にこの世にあると思えぬ珍しい宝物を探してきた人と結婚しますというくだり、オトナになってから考えてみると最初からイヤだと言ってるようなものなんじゃないかなあと、あ~~遠まわしにお断りしてたんだ~と今なら思うのですが。
だから宝玉をちりばめた金の枝を持ってこられたとき困ったのですね~~。どうやっとお断りしようかと。^^
予告でかぐや姫の罪とは?ってやっていたのですが彼女を好きになった人がみんな不幸になっていくこれが罪だったのか?そうではなかったのです。
そしてかぐや姫自身が自分は幸せだと思えていたら月に帰らなかったのではないかと。
彼女が望む幸せはお金も名誉でもなく山で翁たちと竹を切って籠を編んでというささやかな暮らしだったのかなあと。
彼女の目からみた高貴なお方の暮らしというのは自分の意志とは関係なく流されるまま、生きてるって感じがしなかったのですね。
宮崎駿監督もですが高畑勲監督も地に足が着いたたくましく生きる女性が好きなのかしらと思ってしまいました。