すでに4人にひとりが65歳以上という時代に入っている。長寿国日本がそのまんま老人大国となって、今までには考えられなかったようなことで悩まされるようになる。そもそも生産をする人生ではなく、消費する人生とばかり、人々は非生産性の暮らしにはまり始めている。もはや自分がこの世で「老人」の看板を掛けられるころには、果たしてまともな暮らしを営めているかも疑問だ。果たしてそんな時代の農村とはいったいどうなっていることか、などと後ろ向きなことを口にしていても仕方がないが、現実は刻々と背後から迫っている。
こんな質問がウェブ上にあった。
寝たきりで、意識のない、78才の母ですが、長期療養型病院に入院しています。
口の中の舌の裏側等に黄色いたんの塊の様なものが付いていますがどのように除去すればよいでしょうか?
看護士さんが吸引機で鼻と口からたんを取っても、無意識と思いますが咳ばらいを続けています。恐らく、たんが鼻や口の内部に溜まっているのではなく、舌や喉付近に付いたたんがきれいに取れず、気持ちが悪いのだと思います。
舌に黄色い2CMくらいの黄色い塊が付いているのが見えます。
咳ばらいも非常に疲れるので、何とか口内をきれいに快適にしてあげたいと思います。
看護士さんも歯磨きはしてくれますが、舌の掃除をする気配がありません。その病院は歯科はあります。
私が口を開けようとしても噛まれてしまいます。
頼めば看護士さんが歯を磨くだけではなく、舌や口内をきれいにしてくれるのでしょうか?
頼まなくてもそういう病院ですから進んでやって欲しいのですが。細かいところまではなかなか配慮されないですね。
妻が今朝方話したことに等しい話だ。いったん退院した義父が、再び入院したのは先週のことだった。この質問の方のように意識がないわけではないが、寝たきりだ。介護を受けておられる高齢者の多くが誤嚥性肺炎を引き起こして亡くなるともいう。したがってその予防として口腔ケアが有効であることが明らかになって、病院の看護業務においても口腔ケアの重要性が認識されるようになったという。だから病院ではこのことについて注意しているのだろうが、忙しいせいか、なかなか口腔ケアに力を注いでもらえないようだ。妻が言うには、まさに誤嚥性肺炎によって亡くなられたような節があっても、その原因を伝えられないこともあるのではないかという。妻は義父の口腔ケアに、今まさに気を使っている。病院に足を運んでは、ときには1時間半ほど口腔ケアに時間を掛けると。看護師さんが感謝の意を表すこともあるというが、前に入院していた病院では、「わたしがやりますから」と看護師が言っても、手を掛けてくれた様子はなかったとも。とりわけ超高齢者には厳しい仕打ちが待っている。もはや「もう長生きしたんだから」という存在には引導を渡すかのような無治療が施される。義父は90歳を過ぎているというのに入れ歯が1本もない。それが仇となって口腔ケアから見放される。ようは入歯なら歯を外して清掃できるが、自分の歯ともなるとそうはいかず、直接口内を施術しなければならない。口を開けてくれなければそれもできないわけで、根気がいることは容易に解る。
前述の質問に対して次のような回答が選ばれている。
寝たきりのご老人で歯科で一番心配なのは 誤嚥性肺炎です。
原因はいろいろありますが お口が不潔になっていることで それが誤って肺に入り肺炎になってしまうことが多いです。。。
私は歯学部を今年の春に卒業する者で、実習で何度も寝たきりのご老人のお口の中の
清掃をさせていただきました。
その際、割り箸ぐらいの棒の先端にスポンジが付いている物を使っていました。
看護師に頼めばもちろんしてもらえますよ!! もし、しないようでしたら ここに書いてあることを言ってください。もしくは、歯科への通院 訪問診療を希望してください。
すくなくとも 看護師よりも 誤嚥性肺炎 寝たきりのご老人のお口の状態 お口の清掃に関して はるかに知識があります。むしろ、歯科の人間からしてみれば なぜ舌の清掃をしてないのか その方が不思議です(後略)
実際のところ、病院ではの口腔ケアの重要性は認識されていても、手を掛けられていないのが実態、というのが妻の経験からくる今の現実のようだ。
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