仁王といえば寺の入口の門内に収められているのが一般的。これが石造のものとなると、例が少ないということは、「石造仁王像」でも触れた。近在では「1974/11/10“毎日グラフ”から・前編」で触れた高森町大島山瑠璃寺の参道に大きな石造仁王が建つ。石造仁王のメッカである国東半島のものに匹敵するほど立派なものだ。この瑠璃寺のもの同様に、参道の右手に「阿」、左手に「吽」の像を配置する石造仁王が、先日「続・2016 迎桜」で紹介した飯田市上郷南条の雲彩寺の入口に建っている。舟形光背といってよいのだろうか、1メートルほどの板状の石に仁王が浮き彫りにされている。稚拙な彫りであるが、いずれにしても石造仁王としては珍しい例だ。仁王らしくないといえばらしくなく、これを見て仁王と気づかない人もいるだろう。
雲彩寺は白雉山(はくちさん)雲彩寺(うんさいじ)と言い、曹洞宗の寺である。何といっても寺の背後にある雲彩寺古墳で、飯田・下伊那地域では最大級の古墳だという。長野県宝に指定されている。
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