Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

“今ではお目にかかれないモノ”13

2016-02-26 23:07:20 | つぶやき

“今ではお目にかかれないモノ”12より

 “今ではお目にかかれないモノ”11において三重県大王町について触れた。同じ三重県伊勢市のパンフレットは、昭和58年に入手したもの。33年前のものである。A5版、表紙を除いて18ページのもの。何度も触れている通り、女性モデルを採用したもので、同じモデルが計20回登場する。これまでも女性モデルのことは何度となく触れてきたが、これほど同じモデルを写真に登場させる例は希ではないだろうか。

 興味深いのは「描かれた図から見えるもの」で触れている方位のことである。「伊勢のまち」と題して描かれている図は、略図であるから方位を示すだけの正確さはないだろう。この図は、伊勢湾を正面(上)に見て山を下に描いている。ようはこれまで触れてきたような、象徴としての山を上部に置いて、水の流れに合わせて下に大河を置く例とは正反対だ。視点を変えると海を象徴として捉えれば、高山囲まれた地域と正反対になっても当然かも知れない。「海」を中心とした暮らしをしている地域の事例を今後は捉えてみよう。

 さて、同じ時に入手した「伊勢」という51×36センチ四方の紙を三折りにした変形版パンフレットにも一面に略図が描かれている。これも海岸線を上にして、それに並行して伊勢の市街を表している。当時の市内の描き方は海を上、下に山という描き方が一般的だったようだ。では、今はどうだろう。伊勢市観光協会が公開しているページからパンフレットの図を見てみよう。「お伊勢さんMAP」というものは、方眼が入っていてもちろん上を北にしている。ほかにもいくつかあるが、広域図は完璧に北を上にしていて、傾いたものは見あたらない。とするとやはり詳細図を探すしかない。英語版「MAP OF ISE」というものがあって、これは北が少し左に傾斜している。とはいえ海が描かれていないから、海を意識して傾けたというわけではないようだ。ということで、現在のパンフレットにはかつてのような空間の描き方はほとんど見られないといって良いだろうか。

続く


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