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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

凶行

2013-12-25 23:50:10 | つぶやき

 本日の信濃毎日新聞に「リニア計画中止求め意見書提出」という小さな記事があった。「南アルプスの自然を愛する会全国ネット」という会が県知事あてに前述の意見書を提出したというものであるが、全国ネットというからその主旨は全国視野のものかと思えばそうではなく、大鹿村住民の意見書というレベルのもののようだ。リニアについては環境影響評価準備書が公開されて以降準備書に対する意見が報道されているところであるが、例えば長野県環境影響評価技術委員会で疑問が質問されたところで、それはあくまでも建設を前提にしたものであって建設そのものを揺るがすようなものではない。ようはあくまでも建設するにあたりJR側に「注意してもらう」程度の希望にほかならない。多くの人々がリニアを肯定しているが故の流れであって、前述の意見書にしても信濃毎日新聞には「小さな」記事として掲載されたが、地元の新聞には見る影もなかったしだいである。

 以前にも触れたことであるが、わずかながら顔を出すくらいなら良いが、むしろそのために大量の残土搬出のために村内をダンプが往来する地元大鹿村にとって良いことなど一つもあるはずもない。にも関わらず大鹿村が「建設反対」を表明したことはない。なぜならば周囲はみな肯定的だからと言える。それは裏を返せば下伊那地域の犠牲として大鹿村が存在するのではないかと思わせるほど。村外からの移住者によって村が少しばかり過疎を食い止めている現状から察するに、出来あがるまでの工事期間による大鹿村の変貌は容易に予測可能である。出来てしまえばどうということはないかもしれないが、ここを入り口としてあの南アルプスの腹の中を抉り取る工事をするというのだから、自然に対する人間の凶行であることに違いはない。


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