テルミンとJAZZ
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不幸な国の幸福論 (集英社新書 522C)
加賀 乙彦
集英社

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知人に勧められて読んだ本。タイトルからしてあまり魅力を感じず、読み始めは、あまり気乗りがしなかったが、小説家でもある精神科医の著者の文章は読みやすく、また長い人生経験や診察や小説執筆で裏付けられた内容は含蓄に富み、最後はとても元気づけられるものであった。

他人と比べて自分のことを不幸だと考えるのは意味がないという。たしかにそのとおり。面白かったのは、「今生きているということは、遺伝子レベルで考えると、そのことだけで、生命誕生以来38億年間勝ちっぱなし」だということ。これは確かにすごいことだ。自分自身、体の中にある遺伝子は、38億年間途絶えることなく受け継がれてきたものだと思うと、確かにそれだけで、「勝った」感がある。この部分を電車の中で読んで、顔を上げて、車内向かい側の長椅子に座っている人たちの顔をながめてみた。あのくたびれたサラリーマンもお化粧の濃いOLも学生もおじいさんもみんな38億年間勝ちっぱなしのスゴイひとたちなんだ。そして俺も。と、思うとなんだか嬉しくなって、楽しくなって、みんなで肩を組んで歌ってもいいくらいスゴイことだなー、と思った。
で、もっと38億年間勝ちっぱなしの人を見ようと思ってドアのところに立っている若者を見たら、先週レレミンでいっしょに演奏したS君で、びっくりした。

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