”犬毛海岸”潜入ルポ

ダメと言われるとやりたくなるのがヒトというもの。
イヌというものも同じかもしれない。

禁止を承知の上で、自己責任としてヒトとイヌは
犬毛公園内に潜入した。
立ち入り禁止として入口に警備員まで配置しているところ、
申し訳なく思いながら脇から入ってすぐの遊具がある広場に出ると
子供連れの家族がのびのびと遊んでいた。
野良猫に声をかけている人や、今が盛りの桜を見ながら散歩している夫婦やら。
ビーチセンター前でいつもたむろっているオヤジ組は
当然のように集合していた。

”犬毛公園”にいつも来ている人たちは、
変わらずにここに来ている。
けれど、震災後、初めて中に入って見た変わり果てたその風景は痛々しかった。
被災地はこんなものでは済まない地獄絵図になっているのだろうと思うと
悲しい気持ちになる。

時間がかかるだろうけど、
またみんなが心地よく過ごせる場所になってほしい。

潜入場所を検討中？


つん：いやあ～～、んまい！
（陰の声：土手の草食べてるだけじゃん！）


つん：ハイハイ、入りましたよ。


公園内の道も応急処置で砂利を入れてあった。


柵の右側は”元”池だった。


渡り鳥が羽を休めにきていた池も、今は鳩が歩く。


つん：あれれ？


つん：もしもし～、カメさんよー。カモさんよー。コイさんよー。


つん：ここにおったはずやねんけど・・・。


つん：ここに・・・。


つん：調査開始！


つん：調査済みの印。


つん：なんやこの足裏の感触。


つん：泥っ！


つん：楽しくなってきた！


つん：干上がった池の底を歩くなんて


つん：初めてやん！


で、こんなことに・・・。


つん：なってしもてん！（ニカッ）
（陰の声：ごるりゃぁっ！）


つん：洗ってきまぁ～っす


（陰の声：何、勝手に海入っていいって許可しとらんでしょーが！）


つん：正しい判断かと


（陰の声：足先だけなら、ね・・・。）


つん：折角ですから～～


この長さが、


次に持って帰った時は、


この長さに。


つん：久しぶりに泳いでスッキリしたー


つん：うちも自粛しててん


大地震による傷跡はこんなところにも。
まるで、陶器の破片のように見える液状化で湧きあがった泥が砂浜にも残る。


石畳の地面が波打ったような形状に。


つん：海の波を固めたみたいやな。


浜辺前の売店の土台はこんなに段差ができてしまっていた。


みんなの花ビジュも閉園中。


事情のわからぬつんちゃはなかなか聞き分けてくれない。
みんなが中にいると思っているのか、どうしても入るとダダをこねていた。


そんな姿がかわいそうで、早く復旧してほしいと願うばかりだ。
数少ない園内の桜も潜入者のみに見られるだけで
今年は寂しく散ってしまうことになりそうだ。