時をかける

日曜日、長年の仲良しわん友が先に旅立った友のもとへ行ってしまった。
この半年余りの間に、つんちゃの仲良し３わんが逝ってしまったことになる。
たとえ目の前に姿がなくとも、
共に過ごした時間はちゃんと刻まれて、どこかの空間に存在するんじゃないかと、
物理や科学の理論はわからないけれど、
ＳＦの世界をぼんやりと思い描いている。
別の時間軸の外付けハードディスクがあって、そこに保存されているんじゃないか？とか。

保存された時間の好きな時空へ旅行ができる装置があればいいな、と思う。
でも現状は残念ながら、前に進むしかない。
時間に押し出されるように、
この世にある者は前へ前へと移動する。
そうして自分もいつか時を超える世界へと旅立つ日がくる。

タイムマシンはＳＦだけど、旅立ちの時に時空を超えることができるという話は耳にする。
あちらへ行ってしまう前に、会いたい人のところへ瞬間移動して、
虫の知らせといわれる現象。
現世を卒業し、来世へ入るまでの間は、
もしかしたらフリータイムになっているのかもしれない？
と考えてみたら、ちょっと楽しい。

現世の卒業旅行に、どこへ飛ぼうか迷うくらいの楽しい時間を
つんちゃと一緒に作っておきたい、と思う。



つんちゃの散歩に自分のありったけの時間を費やしていた時代があった。
友だちに会わなくても、つんちゃとふたりだけで歩いているだけでも、とにかく楽しかった。
つん：ありゃぁ～～？　このコースって、現役バリバリの頃のコースやん？


つん：今は無理やで。


つん：そんなとこも、もう、上らへんで。


（陰の声：よく、そこの階段を使って、下の道へ降りて、ここまでおいで～って顔してたネ。）


つん：青かったな、うち。


（陰の声：空も青いですね。）


つん：でも、楽しかったな♪


つん：若造つんちゃだけやなく、”つんちゃ・なう”も、楽しくいかなアカンな。


つん：な？そやろ？


つん：足の方は衰えたけど、


つん：口の方はまだまだ達者やし、


つん：鼻もまだまだイケんねん。


（陰の声：つんちゃぁ～～～、帰るよーーっ）


つん：但し、耳は聞きたいことだけ、聞くようにしてんねん。


（陰の声：うわぁ～～、つんちゃ、そういう高齢者の特権、使うのか？）


つん：うちのこれからの目標は「いじわるばあさん」になることやからね。


（陰の声：”定年後”の趣味ってみんな迷うからね～。散歩以外の趣味を見つけたのね。
　　　　　でも、意地悪ってゆーのは、センスよくないと、”悪趣味”になるよ～。）