月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

時を越えて・・・のはなし

2009年09月17日 22時13分51秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
娘は今、修学旅行でシンガポールとマレーシアに行っています。
遠い遠い国の空の下
  どうしてるかなあ
  たのしんでるかなあ
  お腹こわしてないかしら
こちらで私は、旅程表を見ながら案じるばかりです。

シンガポールは
私の祖父が戦死した地です。
祖父は亡くなる2日前、大事にしていた手帳に
  マレーの南端、ゴム林の水を汲みて薄茶をのみ
  念仏しつつ、シンガポールに前進せんとす。
  思ひ残すことなし。
  
  壕掘りつマレー南端の月を見き
と記しています。祖父の絶筆となりました。

思い残すことはたくさんあったでしょう。
妻と子どもたちのこと、両親のこと
お寺のこと、ふるさとのこと
瞼の内には、どれだけの懐かしい顔が浮かんだことでしょう。

でも、祖父は戦地の空に照るお月さまを見上げながら
お念仏を申したのでした。
すべてのいのちは、阿弥陀さまの智慧のみひかりに照らし出されて
そして
そのままを阿弥陀さまの慈悲の御手に受け止めていただいているのだと
そういただいて、お念仏を申したのでしょう。
お念仏の内にまたあえる世界があることに
思い残すことはなかったのでしょう。

67年の時を越えて
ひいおじいさんが最後に見上げたマレー南端の月を
今夜、ひ孫が同じ場所に立ち、見上げることができるなんて・・・
ひいおじいさんが最後にお念仏を称えた地で
その町の高校生たちと、仲良く交流学習をさせていただくなんて・・・
ご縁というのは、なんと深いところからいただくのでしょう。

明日、おうちに帰ってきます。
どんなことを感じたか
その空は、海は、月はどれだけうつくしかったのか
どんな風がふいていたのか
はるか昔の涙の跡がみえたかどうか
お土産話をたくさん聞かせてくれるでしょう。
待ち遠しいな


心配無用

2009年09月17日 21時37分04秒 | 仏々相念(住職日記)
80代のご夫婦の家でご法事のご縁を頂いた。
お二人とも痛いところを抱えながらも
大切に日々を送っておられます。

ご法事の合間に私にお茶を入れて下さいます。
杖を突きながら仏間を出て台所に行き、
お茶とお菓子をご給仕して下さる。
次の休みの時、また台所に向かわれる背中に、
「おばあちゃん、痛いのにもういいですよ。休んで下さい。」
「心配しなさんな。」と優しく呟き、お茶を出して下さった。

「心配するな」の何と力強いことか・・・。
「ありがとうがざいます」とただただ頭が下がる。

仏さまは、「心配するな」とおはたらき。
力のない私を知りつくしおはたらき下さる。

私が京都に上がるとき、祖父が一枚の短冊を書いてくれた。

南無阿弥陀仏
  心配するな、親がついている

有難いことです。              

ご法縁のはなし

2009年09月17日 00時48分40秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
今日はありがたいご法縁をいただきました。

「阿弥陀さまのおこころをお伝えしたい」
という思いでがんばっておられる4人の若い布教使さまと
お出遇いさせていただき
お聴聞させていただきました。

阿弥陀さまのおはなしは
ありがたいなあ

阿弥陀さまのおはなしは
あたたかいなあ

阿弥陀さまのおはなしは
ほっとするなあ

阿弥陀さまのおはなしを聞くと
自分が
恥ずかしくなるなあ

今日のご法縁のお出遇いも
阿弥陀さまのお育てのうち・・・
ありがとうございました