Mさんの百か日のご法事にお参りさせていただきました
しとしと降る雨がお庭の木立を鮮やかに洗っています
その様子を仏間から眺めながら…
「桜ですか?」
お庭にはずいぶん大きく枝を伸ばした桜の木がありました
お家の裏の川沿いにも同じように大きな桜がありました
息子さんが子どもの頃、30年程前におじいさんが植えられた桜だそうです
今は青々とした葉が繁っていますが、お花の頃はさぞかしきれいでしょう
「もう少しがんばってくれたなら、最後に桜の花を見ることができたのにね…本当にせっかちだったから…」
息子さんが残念そうに仰います
「でも…年を越せるかどうかと言われてましたから…よくがんばってくれたんです…」
いつまでも…いや、あと少しでも…
凡情の願いは止まりません
これからこの桜の花を見るにつけて、お父さんのことを…お父さんの最後のがんばりを、思い出されるのでしょう
見えないはたらきが、桜を育てるように…
見えないけれども仏さまのおはたらきでお育ていただいている我がいのちであったと…
なもあみだぶつ…お念仏の響きのなかに聞かせていただきました