かねてより、ピアニストの方への身体のメンテナンスは、させていただいていたのですが、今回は琴と三味線の演奏家のリハビリです。
彼女は、頚椎髄膜内腫瘍の手術を行い、現在リハビリ中。本来なら生活動作のリハビリから行うのでしょうが、持ち前のバイタリティーか、神のご加護か、手術後にリハビリ入院無しに歩いて帰宅したツワモノ。
とはいえ、演奏できるまでにはかなりのリハビリが必要だった様子です。
私のところに来たのは、
・指先のリハビリのし過ぎで、腕がパンパンになってしまった。
・首を動かすなとの医師からの指示で、首から肩の筋肉がこわばってしまった。
・自分のやっているトレーニングが正しいのか見て欲しい
・演奏中の姿勢改善と、体幹の意識の持ち方を見て欲しい
といった要望がありました。
本番の期日が決まっているので、ゆっくり再生を待ってしまうと本人の心の健康を害しそうなので、整体と運動療法を用いて取り組むことにいたしました。
今回は1回目
私もまずは身体を触らせていただいて、どんな状況かを確認します。そして、こわばって使えない状態になっている箇所をほぐすのが目的にいたしました。
《今回の状況》
股関節ー琴の演奏の時に俗に言う内座りで座っているそうで、はずれ気味です。
骨盤ー上半身を真っ直ぐにして演奏するためか、仙骨の下がりはそれほど無く、逆に腰を入れすぎて反り腰気味の感じがあります。
起立筋ー右腰部の筋肉だけが、驚くほど太く、そしてこわばっていました。演奏中の姿勢の影響のようです。
肩甲骨ー左右共にかなり開いています。それは、肘の関節にも影響して、いわゆるサル腕の状態も強く出ています。
首ーストレートネックです。演奏時の姿勢から来ています。
胸骨及び胸椎ー硬く動きがなくなっている。この動きをカバーするために肩甲骨が外れている模様。
痺れはほとんどなくなっているものの、左手の小指と薬指の感覚が鈍い。
胸鎖乳突筋から胸にかけてのこわばりが気になる。
《今回行ったこと》
全身の整体ー前進のつながりを確認したかったため。やはり、とてもつながる感覚が鈍い。
右の腰をほぐすー腰をほぐすことで方の呼吸がわずかに戻る
胸椎から肩甲骨のコウケツ(凝っている部分)をほぐす。-問題箇所が見えてくる。
腕の筋肉をほぐすーかなりパンパンなので、大きくほぐす
リハビリとしての体操ー肩甲骨を意識して指先を動かすような動きの処方
運動を宿題として渡しましたが、演奏に影響するまでには1回の運動療法では全く足りないので(3歳から琴を弾いているプロに、1回でその姿勢を変えろというのは、無理です)これから順番に施していく予定です。整体をしたことで、首の緊張が解け、視界が広がった気がする、と口にしていたので、明るい笑顔で帰って行きました。
音楽家は、座った姿勢で長い時間に渡り、細かい動きを繰り返し楽器を演奏するので、筋肉の一筋だけが凝り固まっていることが多く、それをいかに全身でカバーできるように身体をなだめてあげられるかが、私の役割です。私のダンス経験が、素敵な音楽を生み出す手伝いをしているんだと思うとうれしい限りです。
次は2回目の報告をかきますね