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(昨日の続き)
小湊鉄道、いすみ鉄道と乗り継いで房総半島を横断し、太平洋側の大原駅に着いた。ここまで出てしまえば、帰りに使う外房線は1時間に1本はあるので余裕だ(笑)。このまま帰るのもつまらないし、あてもなく歩き出す我々。その足は、自然と海へと向いた。まずは漁港へと向かったが、これから夕方にさしかかろうとしている時間で、漁はとっくに終わってしまっているし、食堂もやっていない。
自動販売機があったので、ジョージアマックスコーヒーを買って飲む。相変わらずの激甘だ。学生時代は平気でガバガバ飲んでいたが、さすがに少々キビシくなってきた。
すぐ近くに、明治から昭和初期にかけて活躍した歌人・若山牧水の碑があるというので、行くことにした。我々、これでも一応文学部国文学科出身である(笑)。
その途中で酒屋を見つけたのだが、ここで、このあたりの飲み屋の看板で必ず出ていて気になっていた「木戸泉」を発見(「実は木戸泉」参照)。カワリ氏が
「試しに買ってみようか」
と言う。カワリ氏は、普段ほとんど酒を飲まないが、その彼が心惹かれたのだから、何か感じるものがあるに違いない。そういうわけで、300ミリリットル入りの小瓶を買って飲んでみたら…うめぇ!これうめぇよ!何で今まで知らなかったんだろう。口当たりがソフトで飲み飽きない。二人して、つまみもなしにクイクイ飲んでしまった。
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若山牧水の碑があるのは、八幡岬と言われる場所で、岬の丘の上には小浜八幡神社がある。この町は、秋ははだか祭りで盛り上がるんだそうな。
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これが、若山牧水の碑。
ありがたや
けふ満つる月と
知らざりし
この大き月海に
のぼれり
という歌が刻まれている。
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岬から見えた海岸に下りてみた。すると、手前に広い遊び場があって、グラブが2個転がっている。それを見て、カワリ氏が言った。
「これは、我々にキャッチボールをしろという神の思し召しに違いない」
実は、我々は「全日本キャッチボール同好会」という組織を結成している…と言っても、メンバーは我々2人だけだが。今回、カワリ氏は豊かな自然の中でキャッチボールをしようと思い、グラブとボールを用意していたのだが、うっかり忘れて家を出てしまって、内心地団駄を踏んでいたのだと言う。彼の喜ぶまいことか。ボールを探すと、ソフトボール用の大きなものしか出てこなかったが、何もないよりはいい。さっそく、海を横目に見ながらのキャッチボールだ。ああ、開放的な気分。
かなりの時間投げていると、地元の小学生らしい集団が遊び場にやってきたので、「ひょっとしたら、このグラブは彼らのかも知れない」ということで、キャッチボールは終了(実際には彼らのではなかったが)。海岸で海を眺めると、太平洋の荒波が、岩にぶつかり豪快なしぶきをあげている。まるで東映映画のオープニングのようだ。実際、あれも銚子の犬吠埼あたりで撮ったものらしいが。
コンクリートの部分で二人して寝そべり、まったりまったり。この海の先は、もう日本じゃないんだなぁ…なんてことを考えたりする。しばらくすると、カワリ氏が跳ね起きて
「ああ~、我慢できねぇ!飲もう!」
と叫び、木戸泉の瓶を取り出した。実は、海岸へ出る時、カワリ氏は先ほどの酒屋に再び立ち寄り、お土産用に1本買っていたのだ。しかし、海岸のあまりの居心地の良さに、また飲みたくなったらしい。結局、後でもう1本買う羽目になる。
したたかに酔った我々は、電車の時間も忘れて、ただただ波の音を聞き、風に吹かれていたのであった。
海岸を去るとき、先ほどの小学生たちは野球をしていた。その中の一人、左打ちの少年が美しいスイングで鋭いライナーを連発している。
「すごいよ、見ててカッコいい」
「10年もしたら、『福浦2世』とか騒がれて、地元の千葉ロッテに入団してたりしてね」
なんてことを、半分本気でカワリ氏と話し合う。
帰りは、「大体この辺だろう」みたいな感じで大原駅へ歩いていたら、駅のホームは見えたが、入口が線路の反対側で、目の前で千葉行きの外房線に逃げられる。しかし、それもまたよし!駅前の店の「ヤマザキパン始めました」という看板にツッコミを入れつつ夕飯を買い、外房線でボヤーっとしていたら、いつの間にか千葉へ着いた。さらに総武線から山手線と乗り継いで帰ったのだが、都心に近付くにつれ現実に引き戻され、「我々は、なんて密度が濃くて息苦しいところで生活しているのだろうか」と思うと、ドッと疲れが出たのだった。もっとも、一晩寝てしまえば、この小旅行が夢であったかのように、この密度の濃い生活に再び溶け込んでしまうわけだが。
おしまい。
小湊鉄道、いすみ鉄道と乗り継いで房総半島を横断し、太平洋側の大原駅に着いた。ここまで出てしまえば、帰りに使う外房線は1時間に1本はあるので余裕だ(笑)。このまま帰るのもつまらないし、あてもなく歩き出す我々。その足は、自然と海へと向いた。まずは漁港へと向かったが、これから夕方にさしかかろうとしている時間で、漁はとっくに終わってしまっているし、食堂もやっていない。
自動販売機があったので、ジョージアマックスコーヒーを買って飲む。相変わらずの激甘だ。学生時代は平気でガバガバ飲んでいたが、さすがに少々キビシくなってきた。
すぐ近くに、明治から昭和初期にかけて活躍した歌人・若山牧水の碑があるというので、行くことにした。我々、これでも一応文学部国文学科出身である(笑)。
その途中で酒屋を見つけたのだが、ここで、このあたりの飲み屋の看板で必ず出ていて気になっていた「木戸泉」を発見(「実は木戸泉」参照)。カワリ氏が
「試しに買ってみようか」
と言う。カワリ氏は、普段ほとんど酒を飲まないが、その彼が心惹かれたのだから、何か感じるものがあるに違いない。そういうわけで、300ミリリットル入りの小瓶を買って飲んでみたら…うめぇ!これうめぇよ!何で今まで知らなかったんだろう。口当たりがソフトで飲み飽きない。二人して、つまみもなしにクイクイ飲んでしまった。
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若山牧水の碑があるのは、八幡岬と言われる場所で、岬の丘の上には小浜八幡神社がある。この町は、秋ははだか祭りで盛り上がるんだそうな。
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これが、若山牧水の碑。
ありがたや
けふ満つる月と
知らざりし
この大き月海に
のぼれり
という歌が刻まれている。
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岬から見えた海岸に下りてみた。すると、手前に広い遊び場があって、グラブが2個転がっている。それを見て、カワリ氏が言った。
「これは、我々にキャッチボールをしろという神の思し召しに違いない」
実は、我々は「全日本キャッチボール同好会」という組織を結成している…と言っても、メンバーは我々2人だけだが。今回、カワリ氏は豊かな自然の中でキャッチボールをしようと思い、グラブとボールを用意していたのだが、うっかり忘れて家を出てしまって、内心地団駄を踏んでいたのだと言う。彼の喜ぶまいことか。ボールを探すと、ソフトボール用の大きなものしか出てこなかったが、何もないよりはいい。さっそく、海を横目に見ながらのキャッチボールだ。ああ、開放的な気分。
かなりの時間投げていると、地元の小学生らしい集団が遊び場にやってきたので、「ひょっとしたら、このグラブは彼らのかも知れない」ということで、キャッチボールは終了(実際には彼らのではなかったが)。海岸で海を眺めると、太平洋の荒波が、岩にぶつかり豪快なしぶきをあげている。まるで東映映画のオープニングのようだ。実際、あれも銚子の犬吠埼あたりで撮ったものらしいが。
コンクリートの部分で二人して寝そべり、まったりまったり。この海の先は、もう日本じゃないんだなぁ…なんてことを考えたりする。しばらくすると、カワリ氏が跳ね起きて
「ああ~、我慢できねぇ!飲もう!」
と叫び、木戸泉の瓶を取り出した。実は、海岸へ出る時、カワリ氏は先ほどの酒屋に再び立ち寄り、お土産用に1本買っていたのだ。しかし、海岸のあまりの居心地の良さに、また飲みたくなったらしい。結局、後でもう1本買う羽目になる。
したたかに酔った我々は、電車の時間も忘れて、ただただ波の音を聞き、風に吹かれていたのであった。
海岸を去るとき、先ほどの小学生たちは野球をしていた。その中の一人、左打ちの少年が美しいスイングで鋭いライナーを連発している。
「すごいよ、見ててカッコいい」
「10年もしたら、『福浦2世』とか騒がれて、地元の千葉ロッテに入団してたりしてね」
なんてことを、半分本気でカワリ氏と話し合う。
帰りは、「大体この辺だろう」みたいな感じで大原駅へ歩いていたら、駅のホームは見えたが、入口が線路の反対側で、目の前で千葉行きの外房線に逃げられる。しかし、それもまたよし!駅前の店の「ヤマザキパン始めました」という看板にツッコミを入れつつ夕飯を買い、外房線でボヤーっとしていたら、いつの間にか千葉へ着いた。さらに総武線から山手線と乗り継いで帰ったのだが、都心に近付くにつれ現実に引き戻され、「我々は、なんて密度が濃くて息苦しいところで生活しているのだろうか」と思うと、ドッと疲れが出たのだった。もっとも、一晩寝てしまえば、この小旅行が夢であったかのように、この密度の濃い生活に再び溶け込んでしまうわけだが。
おしまい。
>ココは洗足から引っ越したところ!!
な、何ですとー!?Σヽ(´д`;)ノ
帰りに通ったよ長者町も上総一ノ宮も。
いや~、このあたりをじっくり観光したのは初めてなんだけど、のんびりできていいところだねぇ。また行きたくなったよ。木戸泉も飲みたいし(笑)。
>千葉は未だに防空壕があるんだよ。。
ハッ!崖とか見るたびに人工的な洞穴が結構たくさんあったんだけど、ひょっとして…!?
育ったところです^-^*
小学校3年から高校3年まで長者町という駅の近くにすんでたよ~♪
まぁ、あたしの住んでいたところは
大原駅の千葉より3つ目くらいの駅?だったかな???
今は実家は上総一宮駅の近くだけどね!
岬町の灯台もなかなか眺めいいよ~♪
千葉は未だに防空壕があるんだよ。。
小さい時はよくその中で
遊びました^^;;