ひと筆めぐり 【新発見・再発見・摩訶不思議・唯一無二】への楽しみ…

地域に息づく歴史のひと幕にふれ、…遥かなる往時に思いを馳せる

腰かけ石と観音さん 園部町 殿谷

2020-03-03 | 伝承
園部町の昔話と伝説
園部町には伝承や昔話・伝説が沢山残っています。
その昔、この地域の言い伝えを信じられ、親から子へ孫へと伝えられてきた伝承文化です。又伝統や習慣等を伝え、今に残っている所でもある。これらは地域の中で生まれ結びつき、信仰と関係するものも多くある。今も地域に残っている殿谷の『腰かけ石と観音さん』を訪ねてみた…


<石はほとんど土の中に埋まっている。縦、幅、厚さは!、道の拡幅により忘れられてしまった感じ…>


国道477に沿って流れる本梅川が流れ、本梅橋を渡り旧の殿谷へ…道沿いに伝承の石がある。
『昔、殿谷の八五郎という人が、殿谷峠の下のしる田を掘っていると、一人のお坊さんが通りかかりました。お坊さんは八五郎さんに「私は疲れて足が痛くて歩けません。若森まで送ってくれませんか」とたのまれました。八五郎さんはお坊さんをおぶって送ってあげました。大きな石のあるところまで来ると、「もうここでよい。」と、言われたので、大きな石の上に下ろしました。お坊さんは、「決して私のことを心配して、後ろを向いてはいけません。」と、かたく言いました。八五郎さんは気になるので、少し歩いては止まり、少し歩いては止まりして、そろっと後を向いてしまいました。すると、若森の観音さんの方へ白羽の矢が一本飛んでいきました。八五郎さんは、かたい約束を破ったために目が悪くなり…見えなくなりました。若くして死んでしまいました。
若森の観音さんと、神田(八木町)のお宮さんは親せきだそうです。』
旧園部町立西本梅小学校、昭和49年卒業生の昔話と伝説より。この石には、殿谷の人は大切にし、腰を掛けたり足を置いたりは絶対しない、また正月には注連縄で飾っていたそうですが、今はされていないようです。幾星霜を経ている。