殿谷の北向き地蔵さん
園部町の北向き地蔵を探し始めて…二年。やっと念願の地蔵に出会うことができた。感動の出会い。
前回、埴生の北向き地蔵を紹介しました。往昔から、殿谷には北向き地蔵が三体おられ、お願いすれば叶う地蔵さんがいます。言い伝えは親から子へ子から孫へと…語り継がれてきました。国道477沿い、殿谷の鹿嶋神社の手前の竹藪の袖、国道477の法面(のりめん)上にあります。国道からでもよく見えます。
その一つは、正面の『大日様』と呼ばれています。地元では家畜の病気(疾病)を治すという。正式名は大日如来石仏ですね。この二体の頭部に盛り上がりがあります。如来像(釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来等)は、こぶのように盛り上がった形になっています。地蔵菩薩との違いです。今の向きは東南の方に向いていますが、国道拡幅により現在地に移設されたもので、その昔は、北を向いていた。
その二つは、左の『文珠様』、三人寄れば文殊の知恵と言われている。その昔、殿谷では機織りが盛んでした。自分で織った切れ端を供え、よい柄が考えられるようにと、お参りをしたという。
その三つは、右の地蔵様です。殿谷の全ての命を育む力を下さり、苦悩の人々を、無限の大慈悲の心で包み込み、救うてこられた地蔵様です。右手に錫杖を持ち左手に宝珠を持つのが特徴です。仏の中でも一番親しみの深い仏様です。今も殿谷の里を護り続けている一体です。石英閃緑岩という固い石を使っていますが、風雪にさらされその姿に…時代の古さを感じます。