こがねゆ……
首をかしげつつ、
語尾下がりに呟くうちに、
思い出すのは、そういえば、
そんな地名が、定山渓の手前に、
あったかもしれない。
調べてみると、
バスで50分だという。
50分。射程内だな。
もうね、疲れているんですよ。
何が面白くて、
自分で運転していかにゃならんのかと。
JRタワー地階の、
バスターミナル12番から出る、
「快速7」というバス。
しかし同じ「快速7」と言いながら、
途中までしか行かないのがあるという。
それにしても、だ。
寒っ!
相変わらずの、
吹きっさらしだな(笑
やっと来た。
バスの看板を見上げる。
よし。
「定山渓温泉」の名前があればいい。
行く先のバス停は、
「小金湯温泉」という名前だそうな。
手前に八剣山(はっけんざん)とかいう、
割れ目噴火の名残りなんだか、
氷河のイタズラなんだか知らんが、
一目瞭然な山があるそうな。
その「登山口入口」が聞こえたら、
「小金湯温泉」バス停はすぐだ。
ここは北海道。そして、
今は冬。
あ、行きすぎちゃった(テヘ
ひと駅くらい歩いてもどるか。
なんて、死亡フラグです。
北海道の郊外のバス停1駅は、
本州勢の3~4駅分の距離だとか。
しかも冬は、ヤッケに音が吸われる。
ただでさえ聞きにくいのに!
初見殺しもいいところなのが、
北海道のデフォ。
そして今回も。
バス「次は、小金湯。小金湯。」
え?
こがねゆ、は、
こがねゆおんせん、なの?
それとも、
こがねゆ、の次に、
こがねゆおんせん、があるの?
北海道アルアルだ。
正式名じゃなく、
地域の通り名を教えてくれるやつだ。