YNWC的な多摩暮らし

北多摩で始めた新生活のあれこれをについて書いています。ynwcは横浜ネイチャーウォッチングクラブの略

ヒガンバナ〜真っ赤な絨毯の謎〜

2021-09-18 08:45:00 | 植物



早くも見頃を迎えたヒガンバナ。すでにピークを過ぎたようです。雨が降る前にと、昨日の午後、滑り込みで野川公園の群落を見てきました。

曇り空の下というのは少し残念でしたが、真っ赤な絨毯が広がっていました。







たくさんありすぎると、もうどこをどう撮影して良いやら…(^^;;

こんなにも一面を赤く染めるのは、この季節のヒガンバナには、葉が1枚もないからです。



何もないところからいきなり花茎が伸びてきて、真っ赤な花を咲かせるのですから驚きです。


そしてしばらくすると枯れてしまいます。

ヒガンバナの葉が出てくるのはこの後。他の植物がすっかり葉を落とす冬の時期、ヒガンバナは太陽の光を思う存分に浴びて、栄養を球根に蓄えます。

そして、春になると、再び眠りにつくのです。他とは逆の行動を取ることで、競争を避けて生き残る戦法。

さて、そんなヒガンバナの花ですが、何やら不思議な形をしています。


じっくり見てみると、実はいくつかの花が集まって咲いています。だいたい5〜7、多い時には10くらいまとまって咲くこともあるようです。

地上に出てきたばかりの時にはこんな姿をしています。


蕾の塊は2枚の苞で包まれています。

苞や萼は花を守る役割を、そして花びらは虫などを呼ぶ役割をしていると考えられています。一番大切なのは生殖器官である雌蕊と雄蕊。

もっともヒガンバナは3倍体のため、種子を作る能力はなく、球根で繁殖します。他の植物とは違う生活を選ぶ中、種子を作る労力も切り捨てたのかもしれません。
※ここでは3倍体についての説明は割愛します。

苞が開くと中からいくつかの蕾が現れます。


ヒガンバナは花を守る萼が花びらのように美しく変化しています。ユリの仲間にも見られる現象で、この場合は、萼を外花被、花びらを内花被と区別します。よく観察すると、厚さや大きさなど、微妙な違いがあります。



ちなみにおしべは6本、めしべは1本です。めしべの先にある柱頭が、ずいぶんと小さいのは、受粉する必要がないからなのでしょうか…?

一応子房(実になる部分)がついているところがちょっとせつない。

ヒガンバナが大陸から渡ってきたとき、持ち込まれた株がたまたま3倍体だった(そもそも大陸のものは種子をつける2倍体)と言われていますが、そうなると、その1株が繁殖して全国に広かったっていうことになるわけで…。ヒガンバナの繁殖力、半端ないですね。



こんなにもたくさんの花が咲くことにも納得です。

ちなみに、日本にも結実するヒガンバナがあるそうです。結実にエネルギーを使うためか、通常のものよりも一回り小さく、1ヶ月ほど早く咲くのだとか…。

ちょっと見てみたくなりますね。情報ありましたら、ぜひよろしくお願いします。




【今朝のおうちごはん】
・マロントースト
・きのこの卵とじ
・ブロッコリー
・ヨーグルトwithプラムソース
・コーヒー



三連休初日♪
今日もいい日になりますように!








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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (nemobabablog)
2021-09-18 16:19:33
私の好きな彼岸花について丁寧な有り難いガイドはうれしかったです。私の知識が曖昧だったことを知りました。
九州から東北まで、日本のヒガンバナがお彼岸の前後に咲くという不思議な花。この不思議も知りたいと思いました。
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Unknown (辻健)
2021-09-18 19:33:11
日本の秋を彩るヒガンバナが目立つ理由もよくわかりました。
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Unknown (unimaru)
2021-09-18 20:31:44
@nemobabablog コメントありがとうございます。
私も大好きな花です。花は温度や光を感知して季節を知るようです。そのうえで、開花のスイッチはけっこう複雑なようで、単に昼の長さが短くなってからとか、温度がこのくらいになったらというものもあれば、最低気温から何日目とか、さらには日の長さも加えたりとか…。何かそういう仕組みがあるのかなぁとは思うのですが、いろんな説があって私も知りたいなと思っています。
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Unknown (unimaru)
2021-09-18 20:36:12
コメントありがとうございます
まさかブログも読んでくださったとは!!!
ヒガンバナの生き方は個性的でおもしろいです。歌の素材にぜひ♪
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