関東屈指の火山地帯である那須塩原。いまだ白い噴煙をあげる茶臼岳。その山麓、那須湯本温泉上流の谷筋には、火山ガスを噴出し、大小の石が散らばるエリアがあります。
シューシューとガスが吹き出す様子こそみられませんが、黄色く変色した地面やあたり一帯に漂う硫黄くささ、そして草木の生え中の様子…。
この世からかけ離れた感が半端ない。そしてこの斜面から続く賽の河原。
確かにここは三途の川の入り口かも。賽の河原には子どもの霊が呼び寄せられると言いますね。
一つ積んでは父のため…
二つ積んでは母のため…
そんな霊を悼むためか、枯れかけたススキ原の中には無数のお地蔵様
千体地蔵というそうです。
今あるものは昭和後期からの修復作業で新たに作られたものだそうです。
1人の職人さんが作業を続けているらしく、特徴的な大きな手は、祈りのパワーを強くするためなんだとか…。
そしてこの場所で、ひときわパワーを放つのが「殺生石」
なんでも妖艶な美女に化けた九尾の狐が大岩に閉じ込められ、その後も毒気を放ち続けたため、高僧が祈祷を行ったところ、割れて飛び散ったもののうちの一つなんだとか…。
そして、それから600年以上が過ぎた今年(2022年)の4月、その殺生石が真っ二つに割れたというのです。
数年前から亀裂が確認されていたため自然に割れたものと考えられているとのこと。
吉兆なのか、凶兆なのか…。
さまざまな憶測が飛び交っているとか、いないとか…。
まあ、600年も経てば岩も風化するのかな…。
ちなみにこの賽の河原(殺生石園地)には、戦前まで湯の花採取場もあったようです。
現在は地元ボランティアさんたちの力を借りて当時の設備を再現してありますが、採取はしていないとのこと。
そしてここから湯川を、またいだ先にあるのが歴史ある湯治場「鹿の湯」さん。
1300年前に開業され、松尾芭蕉も立ち寄ったという温泉は、手負いの鹿を追ってきたところ、その体を温泉の湯で癒やしていたことで発見されたと言われています。
60度の源泉から直接引かれた熱い湯をあまりさまさずに入るのが、ここでの入浴法。
通常はあまりない46度設定の湯船があることにびっくり。
パンフレットから中の様子を
四角く仕切られた湯船は41℃、42℃、44℃、46℃に保たれていて、定期的に従業員の方が温度を確認管理してくださっています。
46℃って、いわゆる「熱湯風呂」ですよね!!!
常連さんと思しき方々が平然と浸かっているので、試しに挑戦したものの、肩まで浸かることは出来ず…(^^;;
それにしても白濁の硫黄泉。万病に効きそうです。
硫黄成分が高く、石鹸が泡立だない上に滑って危険なことから、石鹸、シャンプーは一切禁止。
ここは、ただひたすら湯に浸かる場所。壁には「硫化水素が出ているため絶対に床で横になって休まないでください」との張り紙。
風呂上がりは、少し移動して色づく山を眺めながら休憩タイム。
茶臼岳の山麓はちょうど紅葉のピーク。
温泉神社。
「おんせん神社」ではなく、
「ゆぜん神社」と読むそうです。
御神木のミズナラ
そして無料で利用できる足湯施設「こんばいろの湯」
「こんばいろ」ってカタクリの花のことらしいです。この辺りにたくさん咲くんでしょうか???
今回は駆け足での那須塩原散策になりましたが、季節を変えて訪れたくなってしまいました。
また来るぞー!!!