はじめに
ブロック時にオーバーネットをするか吸い込みのミスをするという状態に陥ってもそんなに悩むことはありません。実はこの現象は、ひとつの動作が原因となって生じている場合が結構あるのです。
6人制から転向した選手に見られる現象で、腕の出し方で悩む選手がいるのですが、6人制でしっかりしたブロックをやっていたからこそ生じる問題であり、その技術を習得したセンスががあれば9人制のブロックも十分習得し、ミスも克服できるものです。
そこで、今日はまず、6人制のブロックの特徴とその要領で9人制のルールに則ったプレーをしようとするとどういう問題が起こるかということを考えてみたいと思います。
理屈がわかって練習すると身長差やジャンプ力の差があっても、各自自分にあった修正ができると思いますので・・・・。
9人制バレーボールのブロックにおけるオーバーネット
9人制バレーボールにおけるブロックのオーバーネットですが、要するにボールがブロックに差し出した手に当たった位置がネットを超えているかどうかということになります。
したがって腕の先がネットの向こう側に出ていてもボールが腕に当たった位置がネットよりも手前であればオーバーネットにはならないわけです。
緑シャツのブロックならセーフ。
黄色シャツのブロックなら、6人制バレーボールではセーフですが、9人制バレーボールではアウトということになるわけです。
で、9人制バレーボールでは緑シャツのとおりブロックすればいいわけですが、実は6人制から転向した選手でどうしてもそれができず、オーバーネットになったり吸い込みのミスを犯したりして悩む選手がいます。そのプレーの原因についてお話します。
6人制のブロックの特徴
下図を見て下さい。黄色シャツの選手が6人制バレーボールでのブロックをしています。
6人制バレーボールでは腕をネットの向こう側に突き出すことを意識してブロックします。
その場合、ネットと体の間に、腕を前に突き出すスペースを作り、そこから腕とネットのスペースが(青で示した場所)あまり空かないように腕を前に傾斜させますと、ブロックに差し出した腕がネットの向こうに出るという仕組みになっています。
9人制では、ネットの白帯の相手コート側の面(赤線で表示)を超えるとオーバーネットとなりますので、このままブロックしてはオーバーネットの反則となってしまいます。
腕をネットの向こうに出さないようにするとどうなる?
次に下図のオレンジシャツの選手のブロック見て下さい。
先に示した黄色シャツの選手が6人制のブロックをしていたのと同じ要領でジャンプし、オーバーネットにならないような腕の突き出し方をしてブロックした状況を示しました。
オレンジシャツの選手は、黄色シャツの選手と同じ要領でジャンプし、そこから腕だけ赤ラインを超えないように出したというわけです。
するとどういう状況になるかと言いますとですね、オレンジシャツの選手の腕とネットのスペース(右の図の青色で表示した部分)が広くなってしまい、これでは吸い込みのミスをしてしまう可能性があります。
実際には、ブロッカーの多くがこのスペースは無意識に詰める行動に出ますので、しっかりとタイミング合わせてブロックしてくるときは、黄色シャツの選手のように、ネットと腕のスペース(左図の青色で表示した部分)はしっかりと詰めてきます。
結果、オーバーネットになりやすいのです。
以上のとおり、6人制のブロック要領で9人制ルールに則ったブロックをしようとすると、吸い込みのミスをするか、オーバーネットの反則をするかという状況になりやすいのです。
実際にたまこさんのブロックを見ていないので想像の域を超えないわけですけれども、たまこさんの場合も同じような現象が生じているのではないかと考えます。
こうした問題が生じる原因
仮に、9人制バレーボールでブロックをした場合に、オーバーネットや吸い込みの現象が生じているとすると、これはまぎれもなく、6人制のブロックをきっちり叩きこまれ、体が無意識のうちにそういうブロックをするようになっているものと思われます。
9人制では反則やミスになるブロックですが、逆に考えると6人制をきっちりやってきたという勲章みたいなもので、こういうミスをする選手は元々のセンス(身長やブロック習得の能力や読み)はあることを表しているようなもので、ちょっとした工夫と練習で比較的簡単に治せるものなのです。
明日はいよいよこの修正のヒントについてお話します。
簡単に言いますと、オーバーネットできないようなブロックをするのですが、たまこさんへの監督・コーチの期待は大きいと思いますので、頑張ってください。
blogramランキング参加中! ←応援(クリック)していただくと嬉しいのですが・・・。
こちら↓では当ブログの見どころやバレーボールの人気ブログを紹介中です。どうぞ、ご覧ください。
にほんブログ村
付録・・・・当ブログの特徴について
宮崎県出身の転勤族です。鹿児島県、熊本県、福岡県、大分県、沖縄県、高知県等を転々としながら、今年宮崎県に戻ってまいりましたが、各地で見聞きしたバレーボールの戦術や練習方法等をご紹介しています。
カラーシャツ(白シャツ、青シャツ、赤シャツ等色違いのシャツ)の棒人間の図面や動画で分かりやすく説明することを心がけています。
いいスパイクを打ちたい、変化球サーブを打ちたい、ブロック上達したい、レシーブ上達したい、とにかくバレーボールで上達したいという方のために、色々な情報交換の場にしたいのです。
柔道選手が柔道着をバレーボールのユニフォームに着替えて活躍したり、バスケットボール、陸上の選手などがバレーボールをした事例を元に初心者向けの練習方法も記事アップしていますので、是非参考にしていただき、少しでも上達したいという皆さんの期待に応えられると嬉しいです。
ポン監督やせれママさんといった、現役ママさん監督や選手のアドバイスもありますから、ご質問等ございましたらお気軽にどうぞ。
では、今後ともよろしくお願いします。
こんな表現で励ましてくださった方はいませんでした。涙出そう~!
お恥ずかしながら、オーバーネットを連発している時は「どうして9人制はオーバーネットなんて余計なルールにしちゃったの!?」と不満ばかりが頭を回っていました。
私が今後9人制を続けていって、後から入った6人制経験者がオーバーネットで悩んでいたら、こういう声がけをしてあげたいと思いました。
それから、ただ手を真上に上げただけでは吸い込んでしまう理屈も十分理解できました。
なるほどなるほどー!!
私の膝を打つ音、磯野さんに届きました?
そうですか・・・。ありのままのお話をさせていただいたわけですが、こんなに喜んでいただいて私も嬉しいです。
理屈を理解した上で自主トレしながら、練習に参加していくと、メキメキと上達していくと思います。
あせらず、ひとつひとつ着実に土台を築きながら頑張っていただきたいと思います。