はじめに
ここまで、通常のオープンスパイクに対しては原則ストレート側をアンテナからボール3個分くらいは空けてブロックに行くという話をしてまいりました。
もちろん、相手アタッカーがブロックアウトを取る意図を持たずにスパイクする場合や、完全にコースを読み切ってシャットアウトに行くという場合は別ですが、その他の場合、アンテナからボール3個分くらい空けた位置からブロックを張り、ストレートを空けるブロックをするというのが基本です。
また、トスが若干センター寄りに上がった場合は、一番端っこでブロックする選手(相手のレフトオープンに対しては、当方の中衛ライトという場合が多いわけですが・・・)が、ボールの正面に左手が行くようにし、右手を内側にやや捻ってブロックするという方法を採るのが基本となります。
で、今日は逆に通常のスパイクをするトスよりも外側にボールが行って、アンテナの外側からスパイクして来る場合のブロックについてお話します。
合わせて、そのような乱れたトスが上がった際のブロッカーのウラワザをひとつ紹介します。素人選手でもベテランアタッカーからポイントを上げられる可能性の高い技ですから是非試してみてください。
アンテナの外から打って来る場合のブロック
トスが乱れてアンテナの外からスパイクして来る場合は、一番外側でブロックする選手はアンテナそばに右手を出します。
つまり、ブロッカーは白シャツ位置から緑シャツ位置に移動してアンテナ側からコースを塞いで行くのです。
これはアンテナの外からスパイクする場合、アタッカーは絶対にクロスしか打てませんし、ブロックに当ててアンテナ方向にボールを出すという打ち方はできないからなんです。
この場合のブロックの手の出し方について(重要)
これまで、上記図の一番右側でブロックする選手については、ブロックに両手を差し出す際、右手の平を内側に向けるという説明をしてまいりました。
しかし、相手がアンテナより外側からスパイクして来る時はこの動作は不要。むしろしてはいけません。
この場合はまっすぐ手を出すのみとします。
理由はもうお分かりかもしれませんが、アタッカーとしてはクロスにしか打てませんから、まっすぐ手を出しているだけでボールが手に当たって跳ね返った場合は相手のコート内に落ちて行きます。
逆に手を内側に向ける動作をいたしますと、アタッカーがわざとスパイクを緩めに打った場合、ブロッカーが右手の平を内側に向ける動作のタイミングが早くなってしまい、ボールがブロッカーの手の平に当たる前に右手の平が内側向いてしまうのですね。
すると、その後にブロッカーの右手のところに到達したスパイクボールは、ブロッカーの右手の平の右側面(小指側)に当たることとなり、その結果個々に当たって跳ね返ったボールがアンテナに当たるということが生じかねません。
アンテナの外から打って来るスパイクに対しては一番ライト側のブロッカーは右手の平を内側に向ける動作はしてはいけないのです。
場合によってはブロックせずに打たせる
また、赤シャツのアタッカーのようにかなりネットから離れたアンテナの外側からスパイクを打って来る場合は、レシーバーはアンテナとネットを物差しのように使ってレシーブ位置を絞り、レシーブしたほうがいいという場合もあります。
その場合アタッカーも白シャツ位置から赤シャツ位置へと開いて、レシーバーに返球ボールの処理を任せ、自分たちは速攻に入る等の攻撃準備に入ることが可能となるわけなんです。
ここでブロックにつくかどうかは相手のアタッカーのタイプも見ながらチームで決めておきます。
ちょっとしたことだが、結構効くウラワザ
ブロックにつかない場合も相手のアタッカーがスパイクの助走に入ったころから守備する側としては
「ブロック3枚!ブロック3枚!」
と大きな声を掛けることが結構相手に効く場合があります。
これは、形式上はブロックに3枚付けという守備側チーム内での指示ですが、その実態は相手アタッカーに聞かせて、プレッシャーを掛ける戦術です。
この声掛けによって、相手アタッカーとしては、ブロックを警戒して打点を高くしたまま打って来る可能性が大きいからです。
つまり、鋭角な鋭いスパイクを打つことにちゅうちょしてくれるのです。
その結果、レシーブしやすいスパイクボールになりますね。
場合によっては、アタッカーがブロックのことを一瞬意識した瞬間、微妙なずれがプレーに生じてスパイクミスすることがあります。(これ、結構あるのです。)
力んでアウトにしたり、ネットに掛けたりという場合が結構ありますから、一度試されてください。
パスが乱れて、ネットから離れた位置から二段トスを打って来る場合などにはとても効く裏ワザです。
先般Winさんから打点のある選手がネットから離れた位置から打って来るスパイクへの対応について相談がありましたが、この方法はその対応策の一つですのでご承知おきください。
私は、こういうちょっとあほらしく見えるようなことに、真剣に取り組んで、せこく1点1点を積み重ねて行く所に、下手なチームでもそこそこの試合をすることができる要素があると考えているのです。
本日ここまでです。
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付録2・・・・当ブログの特徴について
宮崎県出身の転勤族です。鹿児島県、熊本県、沖縄県、高知県等を転々としながら、今年宮崎県に戻ってまいりましたが、宮崎県をはじめ各地で見聞きしたバレーボールの戦術や練習方法等を紹介しています。
カラーシャツ(白シャツ、青シャツ、赤シャツ等色違いのシャツ)の棒人間の図面や動画で分かりやすく説明することを心がけています。
いいスパイクを打ちたい、いいサーブを打ちたい、ブロック上達したい、レシーブ上達したい、とにかくバレーボールで上達したいという方のために、色々な情報交換の場にしたいのです。
柔道選手が柔道着をバレーボールのユニフォームに着替えて活躍した事例等、上達したいという皆さんの期待に沿う記事をアップします。
その他ときどき、宮崎県と鹿児島県の県境に位置するリゾート地、霧島周辺の温泉や観光の話も・・・入れております。
でも今回のお話を聞いて納得!
最近、布団を使ったブロック練習をはじめました。布団のフワフワ感が実際ジャンプしているようです。
頑張ってください。
後、ネットから離れた二段トスが打たれる可能性が高いコースについてお話します。
また、よろしくお願いします。
ブログはいつも拝見させてもらってたのですがスパイクの質問をさせてもらった頃にちょうど仕事環境が変わりバタバタとしてしまい、磯野様には質問に対して何回にも渡って解答していただいたにも関わらずお返事できなくて申し訳無く思っています。><
報告があります!!
僕がやっているソフトバレーなんですが、職場でレクレーション的にやっている月一回程度の練習チームと地域でやっているチームがあります。こちらも大会前に数回やる程度ですが練習はハードでエースがバレー経験者なので相当ハードな内容が濃い練習を致します。
この地域のバレーですがどのチームも数人はバレー経験者がいまして予選から侮れない戦いが始まるのですが、エースが大学を卒業してから地元に戻ってきて私たちのチームに属すようになってからは割と安定した強さを発揮できるチームになりました。
自分も最初はバレーなど全くしたことがなかったので6人制ソフトバレーのレフト・ライトバッグをしていたのですが、こちらのブログでスパイクの練習をするようになってからは慎重もあるのでライトスパイカーとして戦うようになりました。(前回優勝報告したチームではレフトです^^)
今年も6月に予選があり順当に勝ち上がり本線への切符を手に入れました。
そして本大会が先日ありました。
この本大会というのは5つの各自治区で勝ち上がってきた上位2チームが代表として計10チームのトーナメントで王者を決めるのですが、
それぞれバレー経験者が複数人所属しているチームがほとんどなのです。
ちなみに僕らのチームはエース以外は全くの素人です。(エースの個人としての能力は大会NO1程の持ち主ですが・・・)
その大会には絶対王者のようなチームがいましてもう今回10連覇を狙うようなチームです。
そんな強豪がひしめく中、一回戦はなんとか勝ち上がったのですが、二回戦はなんとその10連覇チームで・・・。
1セット目が始まるや否や実力の差を見せつけられ・・・、21-8の差で落としてしまいます。
しかし、諦めてなかったのは僕だけではなく全員でした・・・。
本来はブロックを散らす為にうちのセッターはエースと僕とセンターにうまくボールを振ってブロッカーを散らしてチャンスを伺う予定でした・・・。
しかしセッターもブロッカーが付こうとその上から力ずくでも打てる、またはフェイントをかけれるエースのみにトスを上げます。
僕は徹底的に向こうのエースに好きに打たせない為に徹底的にブロックに飛びました。とにかく止めてワンタッチ取れれば誰かが拾ってくれると思って無我夢中で飛びました。
2セット目はジュースまでもつれこちらがなんとか1セットを取りました。
3セット目も僅差僅差でマッチポイントをこちらが先に迎えたのですがまたもやジュースに突入してしまい・・・、もつれにもつれましたがここぞという時に強いエースが相手のチームのトスミスを叩き込みなんとそのチームに勝利したのです^^
もう涙溜めてチームメートと抱き合って喜びました・・・。
その後の決勝ではみんなくたくたで疲れきってたのですが必殺アミノ酸を飲ませてこれまた3セットのジュースまでもつれましたが見事優勝することができました!!!
ほんと さいっこうに 嬉しかったです^^
バレー最高!!!。
またあらためて僕の思いを綴らせて頂きたいので今日は報告まで^^
おめでとうございます。
読んでいるこちらが興奮しましたよ(笑)日々試行錯誤しながら練習した結果がこういった苦しい試合での勝利に結びついたんではないでしょうか。本当におめでとうございます。
アミノ酸・・・私も完全に必須アイテムとなっています。
磯野さん
ご無沙汰しています。
今回の記事凄く納得しました。実はアンテナ外から打ってくるスパイクについてはストレートが無いので、ブロック2枚を予めクロス寄りに位置させていました。手の平は内側を向けるようにと指示も出していました。今思うと確かに相手は苦しい状況でスパイクしているにも関わらず、ブロックアウト取られていることがありますね。
今回の記事を読んでなるほどと思いました。
早速練習してみます。いつもありがとうございます。
自分のことのように嬉しく思います。
ほんとに、素晴らしいですね。
デュースに持ち込んでの勝利というのは、鳥肌が立ちました。
ポンさんが言われるように、考えに考えて努力を重ね、試合でも、相手スパイカーにプレッシャーを掛け続けた、ほんとに地道ななおさんの頑張りが、勝利を呼び込んだと思います。
素晴らしいご報告ありがとうございます。
また、私の記事についても色々とお気使いいただき、感謝いたします。
一生懸命記事をアップしてまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
スパイクレシーブはできるだけクロスに打たせたほうが足が長くなって、レシーブしやすいというのがあって、その発想から、私たちはこの方法を使っていたのですが、レシーバーがよかったので、ブロック勝負よりレシーバー勝負ということで、かなり効果はありました。
少なくともブロックアウトはありません。
ただ、クロスにスパイクが抜ける可能性は高くなるわけですので、レシーバーがしっかりしてないとだめなのです。
一度試されて見て下さい。ブロックがきちっと決まれば、結構、レシーブもしやすくなるってのもあるのです。
また、実践リポートもお願いしますね。
いつもありがとうございます。