チーム立ち上げ（その３４・・・指導者を勧誘する。その１）

はじめに
バレーボールクラブを立ち上げようということで山形君と動きましたところ、１カ月経過した３月末、ようやく９人のメンバーをそろえることに成功しました。
しかし、バレーボールの経験者は私と山形君の２人だけです。

山形君の上司に当たる会計係長の小川さんは９人制バレーの指導もできるほどの人物ということですが、今回のプロジェクトに誘った山形君に「山形君が頑張ってね」と言う状況ですし、高校時代バレー部にいたという２０代の若手青本君も「怪我が怖いんですよね・・・」と乗り気でないということなんです。

また、小川係長に念のため私から声掛けしてみようかと山形君に持ちかけたところ、それもまた、小川係長から「山形が、俺のこと磯野さんに話したんだろ」とクレーム付けられる可能性があるため、やめてほしいとのことでした。

ところが、第１回のミーティングをする日の朝、私は意外なチャンスを得ることに成功したのです。

すなわち、幹部ミーティングの席上、小川係長の上司に当たる総務部長から「小川係長は、昔、職員宿舎のバレーチームの指導等手がけた人だ」という情報を得ることができました。

私は総務部長から情報を得たということで小川係長に誘いを掛けてみようと考えたわけです。

バレーボール経験者小川係長の言い分
ミーティング終了後、私はその足で会計課を訪れました。
挨拶して事務室に入ると、事務室の中央、課長の隣の席でパソコンに向かっている小川係長を認めましたので、まっすぐ係長の元へ向かいながら声を掛けました。
「小川係長」
「は？あっ！異常ありません。」
係長は私を認めると驚いた表情で反応してくれました。
私は、単刀直入に話を切りだしました。
「係長。係長は、バレーしてたの？総務部長に先ほど聞いたところなんですけど・・・」
「ああ、はい。昔ですけどね。一般のクラブチームでやりながら、職員宿舎のチームを指導したこともあります。」
「ほ～、そうなんだ。総務部長がかなりうまいという話をしてたもんね」
「いえいえ、そんなことはありません。それに今はもう、体がついて行きません。」
「うん、うん。なるほど。係長、うちの職場でバレーの全国大会が行われてるの知ってる？」
「ええ、知ってます。何度か機関紙にも載ってましたよね。」
「そそ、あれね、自分は世話係みたいなことやってて、実は今年も行くんですけどね」
「今年はどこですか？鹿児島だったですかね？」
「そそ、鹿児島です。」

ほ～、鹿児島で全国大会があるのを知ってるんだと思い、私は、ちょっと期待できるんじゃないかと思いました。いい感じです。私はさらに続けました。
「で、係長、その大会に松江のチームで出場しないかということで、選手募集中なんです。」
「はい、はい。聞いてます。」
山形君から聞いてるのは、私も知ってはいます。
私は一気に勝負に出ました。
「係長どうですか？一緒に」
私がそう言うと、係長は、ほ～らおいでなすった・・・という表情で、苦笑いいたしました。

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