空中に上がった体は、放物線を描いて最高到達(放物線の頂点)に達し、そして床へと落下していくわけです。
それで、その最高到達点付近を見てみますと、上記図のようになります。
ここで注意していただきたいのは選手は両腕を上げたままでいるという点です。
このように一定の姿勢で動かずにいると、体の中での重心の位置も一定です。
ですから重力加速の影響を受けつつ自然落下していくことになります。
上記図では、右側から紫のシャツから赤シャツのところで頂点に達し、そこから紫シャツ→オレンジシャツという具合に身体は自然落下していくのです。
ところが、両腕を振り上げた状態から、スウィングしますと体の中の重心はどうだったでしょうか?
図2のとおり、重心はスウィング(腕の位置)に合わせて体の中で下に移動していきます。
図2
このことを考慮して重心の動きと選手の体の動きを比べてみます。
図3を見てください。重心は同じように放物線を描きます。
図3
冒頭の図と比較しやすくするために、図3には冒頭図の左側にまず、重心が重力加速を受けつつ自然落下していく軌道を描きます。
そして下にある図4を見てください。
図4
右側の1、2、3、4と左のA,B,C,Ⅾは、最高到達点付近の時間的な関係を対応させています。
ですから、放物線の軌道を描く重心の移動も←で記載したとおり同じです。
しかし、ここで考えてほしいのです。
スウィングしますと、体の中で重心は下がっていくのですよね。
そのため、体の中で下がっていく重心が図3及び図4に描いた←(重心の軌道)の上を移動すると考えていただきたいのです。
その結果、どうなるかといいますと
重心は、放物線の軌道上を自然落下していくにも拘らず、腕をスウィングすることによって、体内で重心を下方向に移動させることができ、そのことによって腕以外の体は空中に止まるという現象が起こるのです。
図5
腕以外の体の一部ということで、図5では肩の位置を←で示しました。
右側の図では重心の自然落下に合わせて体も落ちていますが、左の図では、重心は自然落下しつつも、体の位置は←のとおり落ちないという現象が起きてしまいます。
このように最高到達点付近で腕を下すと、体が落ちない、つまり滞空時間を稼げるという状況が出るということを知っておいてほしいと思います。
次回は、もう一つ、滞空時間を稼ぐポイントについてお話しします。
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