フィエスタの谷 山行記録

【福島県勤労者山岳連盟所属】フィエスタの谷は山に登る事が好きな仲間の集まりです

剱岳・北方稜線(裏剱縦走)2019/9/12~2019/9/15(2日目)

2019-09-22 | 山行記録

平の池から裏劔

R1年9月13日(2日目)

メンバー I堀(単独)

コースタイム 5:50阿曽原温泉小屋 → 6:40仙人ダム → 9:34仙人温泉小屋 → 11:15仙人ヒュッテ

       → 12:16池の平小屋

 

 昨日は温泉のおかげか、ぐっすりと眠ることができた。さっそく朝風呂に、といきたいが、テント泊ではそんな時間はない。ささっと朝食・撤収を行い、ヘッデンなしでも支障ない明るさになったら出発だ。

 写真を撮り忘れたが、いきなり急登で高度を上げ水平歩道のようにくり抜いた道をたどる。もうこういう道はお腹いっぱいです。この道はすぐ終わり、今度は急な下り。下りきるとそこが仙人ダムだ。

 突然どでかい建物が現れるため唖然とする

 建物の中を通らせてもらう

 

 仙人ダムには大きな管理棟が建っており、歩行者が通行するところがトラロープで区切られていた。建物を見ると、風呂場と食堂が見てとれた。ここで寝泊まりしているのだろうか?かなうことなら、冬がどんな景色なのか見てみたいものである。トラロープに導かれていくと扉があり、開けて進んでいく。時折、軌道と交差しており、この軌道からムワっと蒸し暑い空気が流れてくる。これが高熱隧道だろう。硫黄のにおいはあまりしなかったが、軌道や貨物車がそのまま置いてあり、傷まないのかな?と不思議だった。

 時折でてくる軌道。ムワっとする。

 

 入口から10分ほどで建物の外に出る。そこはちょうどダムの堰堤だった。下流を見るとえらい勢いで水が飛び出している。こんな山深い場所によく作ったものだ。

 橋の上にあるのはおそらく軌道。ダム以外に水路があり左からえらい勢いで水が放流されていた。

 6:50 雲切新道分岐。しばらくダム湖のほとりをトラバースする感じになる

 

 ここから今日の本番スタートという感じ。急登とよく聞く雲切新道だ。写真の通り右に行くのだが、建物の屋根に追いやられてしまい、いきなり道迷い。よく見るとハシゴがあったのでそれを使いダム湖のほとりに降りた。ここからは鎖がついてたりハシゴがあったりで迷う要素なし。分岐から30分ほど歩くと、これから急登との案内板に突き当たる。ここからが雲切新道の本番だ。

 

 いったん登るが、すぐにトラバースなり、けっこうな時間トラバースする。

 

 この登りは、たしかに急登だったがそこまでキツくはないかな、という感じ。とはいえ下りでは使いたくない。南会津の三岩岳や会津駒のほうがよっぽど急登である。1時間ほど登ると開けた場所に飛び出し、後立山連峰がよく見える。黒四発電所もバッチリで、日電歩道を歩いた時、対岸の崖にポッカリ人工物がある光景に度肝を抜かされたものだ。

 鹿島槍ヶ岳方面。黒四発電所が見えた。

 白馬岳方面。いつか祖母谷経由で日本海まで行ってみたいものだ。

 

 ここからは稜線も見えるようになり、もうすぐだろう。と思いながら登っていく。でも、見えているものって以外と遠い。30分ほどかかり尾根の頂上に到着し、分岐から2時間ほどで雲切新道をクリアすることができた。

 8:50 尾根頂上。標高が低いため汗が噴き出して大変だった。

 

 頂上から10分とせず仙人温泉小屋が見えた。これがけっこう下に見えるため少しゲンナリ。谷を微妙に下りつつトラバースするのだが、あまり道はよくない。けっこう危なく感じる箇所もあった。途中に小屋の源泉があり、なんでここだけ?と不思議になる地獄が広がっている。所々から噴気がでており、硫黄臭が漂っていた。仙人温泉小屋は静まり返っており営業しているのかな~、という雰囲気。高天原も山奥の温泉だが、秘湯ぶりでいえば仙人温泉小屋のほうが上という感じがする。(主に登山道の悪さで(笑))

 山はやはり見えてからが遠い。

 源泉。ここだけ異様な雰囲気。

 9:34 仙人温泉小屋。小屋に温泉を引き込んでいるので、阿曽原温泉や高天原より便利だろう。いつか泊まりたいな~。

 

 あとは400mほど登るだけだから楽勝だろう。なんて思っていたのだが、ここからがまたキツかった。沢沿いにつけられた登山道を登っていくが、雪渓が残っていたり、渡渉があったり、ゴーロだったりでメンドくさい。特に雪渓の残り具合によっては相当面倒になるだろう。今回は残っているのが1か所だけでヨカッタ。

 〇印に向かって渡渉。

 沢沿いを登る。

 仙人ヒュッテへの登りはガレガレ。

 ヒュッテ手前で晴れてくる。同時に裏劔が目の前に見えてきた。

 11:15 仙人ヒュッテ到着。

 劔岳を見ながらオムライスを食す。

 

 結局、仙人ヒュッテまでは2時間弱もかかってしまった。びっくりしたのは仙人ヒュッテ手前で木道になるのだが、そこに猿がいたこと。標高2000m近いのだが食べるものあるのか?温暖化の影響だろうか。幸い声をだしたら藪の中に消えていったが、そこらへんから鳴き声が聞こえてきて襲われないか冷や冷やした。仙人ヒュッテでは奮発してオムライスを注文する。ケチャップの酸味が疲れた体に染み渡る。山で卵を食べられる現代に感謝。ここで仙人新道から来たという年配の3人組と話をしたが、明日、同じく北方稜線へ行くという。なんと70歳を超えているとのこと。お互いがんばりましょうと声をかけたが、すごいのか無謀なのか難しいところだ。

 仙人新道分岐点から仙人ヒュッテ。後ろは鹿島槍ヶ岳と五竜岳。

 12:16 池の平小屋。小屋につくころには再びガスってしまった。

 池の平小屋のお風呂

 

 オムライスで元気がでたらラストスパートで池の平小屋を目指す。だんだんとガスってきてしまい、小屋に到着した時には劔岳は雲の中。ま、午後の山は仕方ない。ササっとテントを張り、明日の鉱山道を偵察する。15分ほどの偵察だったが、道は明瞭で間違うことはなさそうだ。戻ってダラダラ過ごしていると、宿泊者はお風呂に入れるようで小屋番の人が呼んでいた。残念ながらテント泊はダメ。かなり汗をかいたので入りたかったのだがわざわざ炊いた風呂に入れるとは、鉱山時代の名残なのだろうか。

 ガスは夕方に晴れてくれた。

 

 テントで食事をとっていると、いつの間にかガスがとれており劔岳がくっきり見える。明日はあそこに行くのか~、と思うとドキドキすると同時に不安も感じてくる。どちらにしろ明日にならなきゃわからない。疲れを残さないため暗くなると同時に眠りにつくのだった。

 3日目に続く

 


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