Vastra-daの裏側

オリジナルフィギュア原型師。原型師が裁縫もするよ。求めるモノが探して無ければ『作ればいいじゃないか!』を実践中。

独眼竜 ライフ (3) 脱出不可

2012-11-02 21:13:11 | 独眼竜 ライフ
ある休日、またライフが姿を見せない! と家族から聞かされた。


   



朝の6時30分くらいから外に出たきり見ていないというのだ。

まさか…また迷子か !?

しかし、ここ1ヶ月は迷子で怖い思いをして懲りたのか外での遊ぶ範囲は(近場で)ごく限られていたはず…。 なのにナゼ!?

家の敷地内を隈なく調べてみるも姿は無し。 一体どこへ!? ライフ失踪:2時間経過

帰って来るかもしれないと、お昼まで様子を見ることにした。


昼、12時30分ライフの戻る気配なし。 ライフ失踪:6時間経過

『 遅すぎる…これは、何かあったに違いない! 』が騒いだ。

今度は家の周辺と近所を探した。 猫の子1匹見当たらない。


帰宅し、もう一度家の敷地内を捜索。

ライフ~と呼ぶと

ミョゥ~…ミョゥ~…という蚊の啼くような声が聞こえた。

ん!? なんだ今のは!?

その声は、とても小さくてか細い。 しかもすぐに声は止んでしまう。

微かな声のした方へ行って見るも、そこにはお隣さんと隔てる壁しかない。 壁と建物の間に挟まれているのかもしれないと覗き込んでも姿は無し。


あれはなんだったのだろうか… 壁から声がするとは奇怪な!?


夜、7時00分。 ライフ失踪:12時間経過

昼間のが気になり、を聞き逃すまいと窓を開け、外の物音に気を配り、音を立てずにこの数時間過ごした。

すると、またあのミョゥ~…という声が聞こえた。 

懐中電灯片手に慌てて外へ飛び出した。


電気を照らし、声のする方へ慎重に進む。がまたあの壁か!? よく耳を澄ますと壁の向こう側のすぐ下の地面から声がする。 

【 地面 = コンクリート + 声 + 側溝 = ライフ !!

コンクリートでフタをされた幅ティッシュケースほどの側溝。 かろうじて指が2本入るくらいの隙間から電気を照らすとなにやら見覚えのある模様が…

『 はさまっとる…  ライフ発見

そうです。

ライフは側溝(穴)を見つけどんどん進むうちに先が狭くなり、そのうちに前にも後ろにも身動きが取れなくなっていたのだ。

側溝にフタされた厚み数センチのコンクリートを隙間に入る4本の指だけで持ち上げるのは無理に思われたが火事場の馬鹿力でクリア。

はさまること12時間以上。 救出。

泥だらけ、もがき過ぎて足や手の毛は擦れて皮膚が見え、しばらく放心状態。





その夜、大雨が降った。

もし、あそこで見つけなければ側溝から溢れるくらい水が流れ、出られないライフは溺れ死んでいただろう。

見つかってよかった。


















コメント
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