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白菜の出盛り・・・・・和啓静寂の精神を旨とした日本料理

2015年12月18日 22時17分59秒 | 日本の食文化
白菜の出盛り

今新鮮な白菜が市場に沢山出回っています。
十一月頃が旬で、この一二月迄が柔らかい白菜が美味しく食べられる時期です。
年が明けると段々と硬く薹が立ちます。
和啓静寂の精神を旨とした日本料理の基本になっている茶懐石の向付、椀物、焼物、煮物、八寸などがありますが、
鍋物の旬(材料の美味磁味なるは十日間)は十一月から一二月迄が白菜、春菊、椎茸、松茸、アラ(クエ)、寒鰤、青魚、橙(ダイダイ)、紅葉おろし(大根・赤唐辛子)、柚子、アサツキ(冬の小ネギ)等があり、
また日本の豊かな水と此の山海の珍味が一同に出会い、
見事な色彩、香りと調和が演じられ、楽しく、美しく、気持よく、和やかにの『もてなしの心』が広がります。
またその食事作法も我国独特のものであります。
調味料過剰を避け、個々の材料の美味磁味の繊細な持ち味を生かし、またその材料を引き立てて調理する。
いたずらに細工、工夫に弄しない。あくまでも素朴に材料を調理する。
しかし今は一年中白菜が食べられるようになり、その調理もあまりにも人間的工夫に走り過ぎ素朴さがなくなりました。
このように野菜も『旬』と『出盛り』と『出終い』との区別が解らないようになり、
日本料理の繊細な季節感、色合い、素朴な味わい方が無くなり、濃厚で多彩な調味料が出現して、
本来の繊細な材料の美味磁味なるものが失われてきました。
やはりこれも合理主義の表れでしょうか。日本人特有の内に秘めた心の情感、派手な色を避けて、
大自然の色を大切にして来た色彩感覚、繊細な言葉の表現などが段々失われて来ているように思えて残念であります。
この様な中で今、外国の皆さん方が日本料理の繊細な季節感、色彩感覚、健康にも優しい、素朴な味わい方をよく理解され、
『和食』が世界遺産に登録され日本の美しい文化が、世界の人々に愛されいることに感慨深い気持ちで一杯です。 






吾ら食事をとるに当たって先ず兄弟と仲直りしなければならない。
何故なら食事は自己に宿る神に供え物を献ずる最も厳粛な儀式であるからである。
食物をただの食物の物質の栄養分であると思う人にはそれだけしか自分に受取れないけれども、
食物を神の恵みと観、霊的実在として観るとき、それ以上のものを受取ることが出来るのであります。
人間自身が『神の子』なる『聖霊』であってその『聖霊』が神の恵みを供養され献上される、
その荘厳極まりなき行事がお食事である。こう思って食せよ。





                                                                                                                                                                           

12月17日(木)のつぶやき

2015年12月18日 04時42分51秒 | コラム・人文